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【2020 J1 第5節】鹿島アントラーズvs横浜F・マリノス ゆるれびゅ~

1.はじめに

 最初からクライマックスだったFC東京戦。猛烈な撃ち合いを制したのは相手方でした...しかし下を向くなかれ。今まで見たことがない様々な攻撃が見れたじゃないか!次こそは勝利を。

 そう願って乗り込んだのはアウェイ鹿島。絶賛改革中の今、真正面からぶつかってくれるかな?淡い期待は見事打ち砕かれます。ガッツリマリノス用にカスタマイズしてきたじゃないですか...そんな試合を見ていきましょう。

2.スタメン

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■鹿島アントラーズ

4-4-2の布陣
・本職がフォワードやエヴェラウドが最戸だと!?
・遠藤康が最前線。前線へのボール発射台だ...

■横浜F・マリノス

4-2-1-3の布陣
・これが現状のベストメンバーなのかな?

3.釣り師マルコスと気配りできる味方

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【POINT】
・釣り師マルコス登場
・空けたとこに誰か入れ~

 前半は神釣り師であるマルコスの活躍が目立ちました。

マルコス「ほれー、こっちこっち。外側でボールうけちゃうぞー」
レオシルバ「あいつにボールを触らせちゃだめだ。追いかけるぞ!」
三竿「持ち場を離れるけど仕方ないな」

 中央から外へ逃げるマルコス。追うレオシルバや三竿。鬼ごっこの始まりです。しかし、マルコスは逃げる足を緩めてわざと捕まります。浜辺でキャッキャウフフしてるカップルかよ!すいません、少々取り乱しました…

 そんなメルヘンチックなやり取り。しかし彼の目的は相手選手を中央から外へ動かすこと。なんとも腹黒ですねぇ。きっとこれをハニートラップと言うのでしょう。

喜田「おっ、マルコスが中央空けてくれたな。そこを使わない手はない」
扇原「サンキュー、マルコス。これで自由にボール持てるよ」

 そしていち早く狙いを察してくれる味方。ほんとこの子たち頭いいよ...マルコスが空けた中央を有効活用。真ん中から相手ゴールに迫ることができました。

4.背後からコッソリ抜け出しちゃう

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・エリキにパスを出してアラーノの視線を奪う
・その隙にティーラトンが中央へ侵入
・エヴェラウドの背後から抜け出す忍者松原
・一旦エジガルに預けることで視線を中央に釘付け

 畠中が一発でビシッと入れるパスもありますが、相手が固めてて出し所がない...それなら外にいるエリキを経由することで同じことをしてやる!急がば回れの精神でティーラトンまでボールを届けました。

ティーラトン「よし、アラーノはタカやエリキを見て自分に気付いていない。こっそり後ろから抜け出してやる」

 アラーノの背後からこっそり抜け出したティーラトン。中央でボールを受けることに成功します。しかし、背後を抜け出す選手は彼だけではありません。

松原「こっちもエヴェラウド気付いてないっぽいな。俺も抜け出しちゃえ」

 エヴェラウドの背後を取り、中央でボールを受ける松原。急所を突かれた相手は慌てふためきます。そのままエジガルへパスを送ると、混乱を極める鹿島。一番危険なエリアなので、守ることしか頭がない状態に。

 しかし、それを嘲笑うかのように外にいる仲川へパス。「えっ...」と虚を突かれた鹿島の選手たち。驚く間も無く中央へ折り返されたとき、マルコスのシュートを見送ることしかできませんでした。

 まさに今季ベストゴール!美しい攻めでしたよね。

5.モーセ怒りの海割り

 「相手がマリノス背後にポカーンとボール蹴って、ズバーっと抜け出すこと多くないか?もしや...原因の1つはこれか...?」心当たりがあるので、それを見ていきましょう。

■割れる海とモーセの怒り

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・後方は安全第一なので人をいっぱい配置する
・けど前方は早く攻めたいから前にべったり
モーセの十戒よろしく、海が割れたような配置になる

 後ろは安全第一。ここで相手にボールを取られたらシャレになりませんからね。マルコスもよく助けにきます。その結果、後ろには多くの選手がいることに。

マルコス「後ろが手詰まりかな?じゃあ俺が下がって助けよう」

 翻って、前方を見てみると3トップは最前線に位置しています。マリノスのルールですからね。しかしこの状況、見事に前後分断してるんですよ。モーセの十戒よろしく、海が割れたようではありませんか。

 まぁこの状態自体はそこまで問題ないのです。ただ、この状態のまますぐに攻めようとすることがまずいのです。

 よしんばパスが通ればOKですが、奪われると大惨事。というのも、海の割れ目は鹿島の選手だらけ。奪われたとき、彼らに寄せる選手いないんですよ…これだけ自由なら、マリノスの弱点である背後に正確なパスを余裕で出せます。

 「早く、前に」こういう思いが生んだ海割れ。割れたところで奪われると、こちらが寄せるのにも時間がかかる。攻撃と守備は表裏一体なんですねぇ...

■改善案:段階を踏んだビルドアップで落ち着いて前進

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【POINT】
 海が割れてるのなら、埋まるまで待機する

 海が割れてるのに急ぐからまずいのです。間を埋めて安全になるまで、渡るのをやめた方がいいでしょう。階段を1つ飛ばしで進むと、いつかは転んじゃいますしね。急がば回れです。

 もちろんこれは相手の準備が整ってる場合。相手もぐちゃぐちゃなら、こちらが海を割ってもそこまでリスクはないでしょう。モーセの怒りもあまり買わないで済むはず。

扇原「よーし、ブンちゃん上がりすぎてなーい。マルコスも前にいるー」
エリキ「これなら海を渡って大丈夫だね」
畠中「みんなで一緒に渡ることが大事だね」

 海を越えるならみんなの準備ができてから。また1つ学びました。

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 ちなみにこれも似たような状態。ティーラトンが割れた海に飲み込まれていますね...荒波に向かうのはいいですが、ほどほどに...

6.スタッツ

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■sofascore

■SPAIA

7.おわりに

 相手にやたら弱点を突かれたのは自滅のような気がしました。「いくぞー!」意気揚々と挑んだはいいですが、手酷いカウンターを受けた気分...それもチームの意思統一がビミョーにずれてるからなのかもですね。

 ただ、何もできずに負けたわけではありません。根っこの部分は大丈夫なので、大きくやり方を変える必要はないでしょう。昨季の亡霊と戦いつつ、今季バージョンへ微調整していきましょう。

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