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【2020シーズン】マリノス妄想絵日記 10ページ目

1.はじめに

 さて、いよいよ楽しみにしていたピーターとの再会ですよ!とうとう清水に合ったやり方とメンバーを見つけ、リーグ戦では5試合負けなしです。対する我らはどうも浮上しきれない感じ。今年から取り組み始めたので付け入る隙はあるはず…そう思ってるとやられてしまうでしょう。

 そんな両チームのぶつかり合い。互いの差異と、予想されるぶつかり合いにおける注目ポイントを見ていきます。

2.マリノスと清水の違い

 元マリノスのヘッドコーチだったピーターが監督をしているため、何かと似ていると言われる両チーム。

・ボールを保持して主体的に攻める
・キーパーを交えて後方からビルドアップ
・5レーンを軸とし、ピッチ幅を広く使った攻撃

 たしかにこういったところは似ていますよね。しかし、これは大枠の部分。攻守における詳細な部分は異なっていました。では、違うところをザクっと見ていきましょう。

 選手のキャラクターなどに言及するとキリがないので、そこは触れません。いや、めっちゃ言いたいんですけどね(笑)いつか清水側の方とお話する機会に取っておきます。(ツイッターで多少呟いたりはしています)

■ビルドアップの違い

 後方から丁寧に繋ぐことだったり、ゴールキーパーを交えることは両チームともに同じです。しかし、ビルドアップ時の各選手の立ち位置に差異が見られます。

ビルドアップ差

【横浜FM】
・ウイングが幅を取る
・サイドバックは内側に入る(いわゆる偽サイドバック)
・ビルドアップの段階からポジションチェンジを伴うローテーションを行う
【清水】
・ウイングは内側に入る
・サイドバックが幅を取る(偽サイドバックはやらない)
・ビルドアップ時はポジションを遵守し、ローテーションはほとんどない

 一言でいうと、『幅を取る選手が違う』ということになります。マリノスの場合はウイングが、清水の場合はサイドバックが大外に開く。これらの選手たちが外側での仕事を担います。

 では、内側にあるハーフスペースには誰が入るのか。マリノスの場合はサイドバックですし、清水はウイングになります。いわゆる偽サイドバックをしているのがマリノスで、していないのが清水という見方もできるかと思います。

 偽サイドバックをする場合、中盤にいる選手との距離が近くなりますよね。なので、選手間でポジションを変えやすく、ローテーションしやすくなります。反対に、サイドバックが外に広がると、これがやりにくくなります。なので、マリノスはビルドアップの段階で選手が目まぐるしく動きます。翻って、清水の選手たちはポジションを変えることは控えめ

 ポジションを変えないということは、奪われたとき安定した守備に移行できるということになります。しかし、自分たちが動かないので相手も動かしづらい。このあたりはどちらのメリットを取り、デメリットを受け入れるかの差でしょうね。

■崩し方の違い

 主な崩し場所はペナルティエリアの角。ここは両チーム同じですが、そのアプローチ方法が異なるので見ていきましょう。

崩し差

【横浜FM】
・外側にいるウイングが張ることで、相手を横方向に広げる
・横のギャップを突いて、ペナルティエリア角を攻略
【清水】
・内側にいるウイングが下りて、相手を縦方向に広げる
・縦のギャップを突いて、ペナルティエリア角を攻略

 崩しにおいては、『縦横どちらにギャップを作るか』が異なる点。これは最前線にいるウイングの立ち位置に影響されています。

 マリノスの場合、ウイングは外に張っているので、相手サイドバックを引っ張ることができます。これによってCB-SB間が開きます。これが横のギャップとなり、そこを入口にペナルティエリアの角へ侵入。

 清水の場合、ウイングが内側に絞っているので、上下の動きでサイドバックを引っ張ることができます。下りることでCB-SB間が開きます。これが縦のギャップとなり、そこを入口にペナルティエリアの角へ侵入。

 最終的に突く箇所は同じなのに、アプローチの方向が違う。これが面白いですよね。

 そしてお気づきになったでしょうか?ビルドアップも崩しも、清水が実践しているのは、前節マリノスが執った手法と同じなのです。我らは見事に失敗しましたが、それを高次元で実現しているのが清水。そう考えていただけると、恐ろしさが伝わると思います。

■守り方の違い

 即時奪回の意識が高いのは両チーム同じですが、その後のブロック守備に差異が見られます。

守備差

【横浜FM】
4-2-1-3の布陣で守備を行う
・前線の選手が矢継ぎ早に飛び出してプレスをかける
・そのため前後分断しやすい設計になっている
・ディフェンスラインの幅は極端に狭く、ボールサイドに寄せる守備
【清水】
4-4-2の布陣で守備を行う
・一旦ブロックを形成してからアタックを開始。じわじわ追い詰めるタイプ
・前で奪えそうならボランチが出ていくことも。前後分断しにくい
・ディフェンスラインの幅は普通。こちらもボールサイドに寄せる守備

 守備に関しては、『きちんとブロックを敷くかどうか』が差として表れています。マリノスはとにかく突っ込む。清水はちゃんとブロックを作る。これは監督の性格差なのかもしれません(笑)

 マリノスは攻撃時の陣形そのままで守備を行います。3トップ+トップ下が相手守備陣に特攻。高い位置での奪取を目指します。しかし、後ろはこれに連動するというより、後方で待機することが多め。そのため、前後分断気味になります。

 一方、清水はトップ下を1つ上げ、4-4-2のブロックを整えてから守備を開始します。2トップがボランチを背後で消し、センターバックへアタック。ウイングは相手サイドバックを見ます。もし前から奪えそう、またはマークがずれそうなら、ボランチの選手が前に飛び出して相手ボランチを捕まえることも。そのため、こちらは前後分断しづらいです。

 このボランチの動きは、行動範囲の違いに繋がります。清水の方がより上下動が多くなるため、守備負担はマリノスより高いでしょう。ここは清水で最も消耗するポジションだと思います。

 また、4バックの幅も両チーム違います。マリノスは極端に狭くしますが、清水は広めです。これは前体制の名残でしょう。各所でのデュエルを好んでいたこともあり、1対1の局面を守備で作ることが多いです。選手たちもやりやすそうですしね。新旧うまく融合させているな、と感じました。

 はい、ザックリとこんなところですかね。ここに選手のキャラクター差も当てはめると面白いんですよ。興味のある方は、ぜひ妄想してみてください!

3.予想スタメン

スタメン

■清水エスパルス

4-2-1-3の布陣
・前節外れていたエウシーニョが復帰すると予想
・負荷の高いトップ下は変えてくるはず
・ボランチの片方は岡崎かもしれない

■横浜F・マリノス

4-2-1-3の布陣
・天野のコンディションが良くないらしいので、逆三角形ではないはず
・左WGはエリキかもしれない

4.互いのぶつかり合いとポイント

 まぁお互いに相手を見て対策を固めることはせず、自分たちのサッカーを貫くでしょう。なので、監督の頭の中を覗き見るよりは、どうなりそうなのかを予想してみます。

■マリノス攻撃時

清水の守備

・2トップはボランチを背後で消し、ボランチも出れるようにして挟み込む
・しかし、偽SBを経由してFWの背後を取られるとトップ下との二択になる
・大外はWGとSBのデュエルが勃発

 清水は一旦ブロックを組むため、センターバックにはある程度時間が与えられるでしょう。最初の即時奪回さえかわせれば、割と安定してボールは持てるはず。恐らく、ポゼッションではこちらが上回れると思います。

 それでも直接中央を狙うのは難しいでしょう。なので、内側を取ったサイドバックを経由し、そこからの展開を試みるはず。2トップの背後に展開できると、清水としてはボランチ2枚でマリノス中盤の3人を見ることに。内側を取るマリノスサイドバックに対して、清水がどの程度制限かけられるか。ここがポイントになるでしょう。

 また、大外ではウイングとサイドバックのデュエルが勃発。ここの勝率はマリノス攻撃の出来に直結するでしょう。

■清水攻撃時

清水の攻撃

・マリノスのSBが、高い位置にいるSBとWGの1対2になりやすい
・マルコス1人だと見きれないため、ボランチの片方には時間の余裕が生まれる
・そこを経由されてサイドチェンジすることも可能

 清水はサイドバックを高い位置に張らせます。そして、内側にはウイングが入る。これちょうど大分のウイングバック&シャドーと関係性が同じなんですよね。ウイングの守備基準次第では、またもやサイドバックは1対2に晒されることが多くなるかもしれません。

 特にウイングが瞬間的に下りる動きは、ほぼ確実に後手を踏みます。このときサイドバックがフリーだと、一気にサイドを攻略されるでしょう。ウイングが清水センターバックまで寄せるということが起きた場合、その可能性はグッと高まる。こういった観点からも、エリキをウイングで使うことは少し躊躇われてしまいます。

 そして、ボランチ2枚に対し、マルコスだけという状況も前節と同じ。こちらのボランチが勇気を持って前に出ないと、容易にサイドチェンジを許してしまうでしょう。

 これらのことから、前節での復習が問われる試合になるはずです。夏休みの宿題。その進捗具合を見ることができますね。

5.おわりに

 前節、大分にやろうとしていた攻撃を清水はしている。そして、こちらの守備課題も大分戦で直面したものと酷似している。なんとも因果ですよね。妙な呪縛に囚われてる感じです。

 清水から見ると、札幌戦に近いものになるでしょう。前線は人につく守備。攻守においてオープンになりがち。スペースを埋める守備を行わない。マリノスはこのような特徴があるので、似通った展開になるはず。

 清水は、守備が固い相手に対して苦戦していました。まだ能動的にスペースを作り、そこを攻略することができないように見えます。ここはマリノスに一日の長がありますかね。

 とにかく楽しみです。恐らく、我々が思っているほどオープンにならないでしょう。清水の守り方は結構堅実ですからね。しかし、エンタメ性が高くなることは間違いないです。久しぶりの真っ向勝負。受けて立とうではありませんか!!

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