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【2020 J1 第11節】清水エスパルスvs横浜F・マリノス ゆるれびゅ~

1.はじめに

 時は戦国時代。静岡県、日本平の地にて、1つの合戦が勃発。乗り込んできたのは、神奈川の勇、真理之国。迎え撃つは、新進気鋭の軍師を迎え、名家再興を図る清水国。攻めが持ち味の両家がぶつかり合います。その結果や如何に。では、参ろうぞ!

2.スタメン

スタメン

■清水エスパルス

4-2-1-3の布陣
・右サイドバックが金井から奥井に変更
・現状のベストメンバーで臨む

■横浜F・マリノス

4-2-1-3の布陣
・負傷離脱していた仲川と實藤が先発に復帰
・新加入のサントスが初先発
・現状の最速メンバーで全裸にて臨む

3.両軍の立ち回りによる進軍路の差

 さて、この合戦は互いに同じ布陣で臨むことになりました。それが真正面からぶつかり合わせると、下図のようになります。

守備の噛み合わせ

 それぞれ自陣の守りは1人余裕があって問題ない状態。差があるのはちょうど真ん中あたり。敵陣近くは単騎で守る必要がある。これでは並大抵の武将では討ち取られてしまうでしょう。何か策を巡らせねば…両軍の軍師は知恵を絞り出します。

■将軍のキャラクター差

トップ下の役割

【横浜の虎:マルコス】
・味方全体の間に位置し、それぞれを繋ぐ役目を担う
皆をまとめあげ、引っ張っていくタイプの将軍
【清水の龍:後藤】
・先陣を切って敵陣に突っ込む役目を担う
配下に背中で語る特攻タイプの将軍

 真理之国の将軍は、味方を繋ぐ中央に位置し、局面をスムーズに推し進める役割を担っていました。皆をまとめあげ、引っ張っていくリーダータイプ。その姿は、在りし日の武田信玄そっくりです。まさに、『横浜の虎』と呼ぶにふさわしいでしょう。

 対する清水の国は、先陣切って敵陣に乗り込むタイプの将軍。その背中で配下に語る、切り込み隊長のようなお方です。さながら上杉謙信のよう。『清水の龍』は今日も敵を震え上がらせるでしょう。

■攻め始めにおける陣形の差

 両軍ともに、守り方は非常に似ていました。

・最前線の武将が敵陣に突っ込む
・両翼に構える武将が脇を守る
・将軍様が相手中央を迎え撃つ

 それなのに、真理之国の方が中央から攻めることができていた印象です。なぜそうなったのか。それは、攻め始めにおける陣形の差からではないでしょうか。

清水のプレス

【真理之国】
両拓也は横に並ぶようにして攻撃を開始する

 真理之国が誇る名軍師、両拓也は、横に並ぶようにして攻撃を開始します。

喜田拓也「のう、和の字よ。我ら横に並ぶことによって、相手将軍を攪乱させてやろうじゃないか」
和田拓也「ほう、さすが喜の字。考えることが聡いよのう」
両拓也「「フフフフフフフフ」」

 これが彼らの策。こうすることで後藤は2人を1人で相手することに。清水の龍といえど、両拓也を同時に相手するのはちと辛い。竹内やヘナトの援軍を待つのも手だが、距離がある分、到着が遅くなってしまう。そのため、真理之国は中央からの進軍割合が多くなりました。

清水ボランチの立ち位置

【清水国】
ヘナトと竹内は縦に並ぶようにして攻撃を開始する

 清水国は、ヘナトと竹内を縦関係にして攻撃を開始します。これは、単騎で駆け上がる後藤将軍のカバーをするため。

ヘナト「将軍が突撃なされてる。我らも続かねば!」
竹内「後ろは俺に任せろ。ヘナト、行ってこい!」

 しかし、こうするとマルコス将軍1人で中央を守れることに。竹内は捕まってしまいます。そのため、清水国は外側から進軍することが多くなりました。

■攻防の切り替えで露呈する中央の強度差

切り替え時のボランチ対応

【真理之国】
・両拓也はあまり敵陣に進攻しない
 ⇒ 守りへの切り替え時、中央が厚くなる
【清水国】
・ヘナトはよく敵陣に進攻する
 ⇒ 守りへの切り替え時、中央が薄くなる

 攻めの陣形は、相手に機先を奪われると守備の陣形に変わるでしょう。前述の通り、両軍には差がありましたよね。

 真理之国は、両拓也があまり敵陣に進攻しません。そのため、守りに移った際も、自陣中央を固めることができます。

 対する清水国は、ヘナトが敵陣深くまで進攻しています。そのまま攻めきれればいいのですが、途中で形成が逆転したとき、中央が心許なくなる。

 以上の3点が、互いの進軍路を分けた要因だと思われます。

4.合戦上に表れる互いの布陣差

パスマップ比較

【真理之国】
中央がとがっている魚鱗の陣を敷く
【清水国】
外側を大きく開かせた鶴翼の陣を敷く

 真理之国は、中央からの進軍が多かったです。合戦図を見ると、魚鱗の陣そっくりではありませんか。清水は、外側からの進軍が多い形に。鶴翼の陣で攻めていたことがわかります。

 え?そのぶつかり合いをしたのは三方ヶ原の戦いで、徳川軍だったじゃないか?まぁまぁ、細かいことはいいじゃないですか。

5.さすがにまずかった鶴翼の陣

 後半になり、清水は鶴翼の陣を止めます。あれだけ押し込まれましたからね…相手の勢いを少しでも削ぐ方向にシフトしました。

清水後半の守備

・ヘナトの進軍頻度が下がる
・代わりに、サイドバックが敵陣に突っ込むように
・守備への切り替え時は中央封鎖を優先的に行う

 ヘナトの進軍回数を減らし、中央を守れるように布陣を変更。代わりに、奥井やソッコが敵陣に突っ込むようになります。

 この変更は一定の戦果を挙げました。真理之国は苦戦し、外から迂回して攻めることに。しかし、その時間は長く続きませんでした。だって前半から飛ばしていましたからね…互いに疲弊した両軍。最後は各々が殴り合う、大味な合戦となりました。

5.スタッツ

マッチレポート - J1レポート note用-1

■sofascore

■SPAIA

■トラッキングデータ

6.おわりに

 真理之国は中央から進軍できたことで、前にいる四天王が勇躍しました。まさに風林火山の如き働きでしたね。(実際は、風風風火といったところでしょうがw)

 清水国も鶴翼の陣を用い、戦場を広く使って応戦。真理之国の弱点を突く攻め方に苦しめられました。

 終わってみれば3-4と、互いに疲弊したこの合戦。両軍攻めの応酬が続き、非常に見ごたえがありました。また次戦も楽しみですね。

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