地政学入門#10 イスラエル

<講義からの学び>
①ユダヤ人:
ユダヤ教を信じる。キリスト教やイスラム教はユダヤ教から派生した分家。ユダヤ人と言えば金融、医者、学者、迫害。ユダヤ人に対してキリスト教への改宗を求めた際に断固拒否し続けた結果、ユダヤ人は迫害(土地、財産の没収、追放)を受けるようになる。持ち運びできる資産として金銀などの貴金属を収集し、貸金業を営むようになって富を築く。あるいはどこでも暮らしていけるように手に職を付ける(医者、学者)ことを強いられた。各地で土地を追われ、米国NYをはじめとして世界各地に散らばった。
②ユダヤ人移動の歴史:
1. ロシア帝国での迫害(ポグロム);ロシア皇帝の暗殺にユダヤ人が関与したことをきっかけユダヤ人が迫害される結果に。
2. フランス ドレフュス事件;ユダヤ系の軍人がスパイ容疑で有罪判決。後に冤罪と判明。
3. バルフォア宣言(パレスチナ);英国からユダヤ人国家建設の約束を取り付ける。英委任統治領パレスチナへ移動。ただし結果として大部分は米国NYに移動。
4. 米国移民法;ユダヤ移民が制限される(ユダヤ人に限らず移民を排斥)。
5. ドイツ(ホロコースト);ナチスによるユダヤ人迫害。
⇒行き場をなくしたユダヤ人がパレスチナに大量に流入。
③イスラエル建国:
ユダヤ人の富豪として有名なのはロスチャイルド家。ロスチャイルド家は英国にお金を貸す代わりにオスマン帝国が滅びた後、シオンの丘にユダヤ人国家を作る(シオニズム運動)ことの約束(バルフォア宣言)を取り付ける。その結果できたのがイスラエル。もともと住んでいたアラブ人との対立(パレスチナ戦争)が絶えない。国連総会でパレスチナ分割案が採択されたがイスラエル建国をアラブ諸国は拒否。米クリントン政権がオスロ合意でパレスチナとの和平を仲介、5年間の暫定自治期間を経てイスラエル軍の撤退を約束したが、イスラエル軍は今なお撤退せず(パレスチナ自治区にユダヤ人が入植しており、撤退できない状況)。
④パレスチナ:
イスラエルから排除されたアラブ人が難民化。PLOを結成、ソ連の支援でテロ活動。ソ連の崩壊で資金難に陥り、暫定自治協定に調印。5年経過後も居座るイスラエル軍に対して過激派のハマス、ヒズボラはイランの支援で武装闘争。

<私の気づき>
・中東と石油利権は切っても切り離せず、石油利権には米石油メジャーが絡み、石油メジャーが米政権に資金提供をしている構造にある以上、中東に対するアメリカの関与からは目が離せない。日本が石油の輸入を中東に頼っている状況は非常にリスクが大きいと感じた。ロシアからパイプラインを引く、アメリカから輸入するなどの選択肢を真剣に考える必要があると感じた。

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