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Nurse With Woundはなぜ実在の酪農企業からレーベル名をとったのか

近刊予定のNurse With Woundヒストリー(仮)に収録されるエピソードを部分的に抜粋するコーナーです。

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Nurse With Woundが公式にデビューしたのは、アルバム『Chance Meeting On A Dissecting Table Of A Sewing Machine And An Umbrella』をリリースした1979年6月のこと。録音は78年9月で、リリースまで半年以上のスパンがある。はじめてのレコード作りということもあり、必要なものをそろえるのに時間がかかったのだろう。何よりも先に自分たちの音楽を手に入れた彼らは、必然的にバンド名、アルバム名、レコード・ジャケット、そしてレーベル名を考えるようになる。

ここで取り上げるのは彼らのレーベル、United Dairies(以下UD)だ。「彼ら」と書いているのは、デビューの時点でNWWはトリオ編成だったからである。今ではNWWそのものであるスティーヴン・ステイプルトンと、彼の友人であるジョン・フォサーギル、ヒーマン・パサックがそのラインナップだった。ちなみに『Chance Meeting』の参加者には録音先であったBritish Marketing StudioのエンジニアであるNick Rogersと、当時のステイプルトンのガールフレンドであった女性の名前もクレジットされている。

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