えいがのはなし『Top Gun: Maverick』(トップガン:マーヴェリック)

名作と名高い作品の続編というのは、その名作であった前作を含めて観る絶好のチャンスでもあるし、それを逃してしまえば「えっ続編も来たのに観なかったの?」と心の中の自分から呆れた目で見られるピンチでもある。
幸いにも、今の世の中というものは搾取されることを認めてしまえば色々と享受できる時代なので(あまりにもな言い草だが)、PrimeなVideoで「予習」してから、マーヴェリック大佐<Captain>の「講習」を受けにいった。


ネタバレが飛んでいくので嫌な方はフレア(ブラウザバック)をどうぞ


完成度

名作の続編としてはこの一言に尽きるだろう。
昇進を拒否し現場にいようとするマーヴェリック大佐というキャラクター。
そんな彼が、教官として、あるいはパイロットとして、最後の現場<ミッション>に出るとしたら、どれくらいの年齢が限度か?
前作で死んでしまったクーガーの子供であるルースターが、母親の「息子をパイロットにしないで」という願いを聞き入れたマーヴェリックに入校志願書を破棄され、結果として入隊時期が遅れるという設定の上で、許容されるのはどの程度か?
前作当時最新鋭だった機体が「古い」とされ、なおかつ、トップガンを卒業した米海軍のパイロットたちが乗る機体が、敵が乗る最新鋭の「第5世代戦闘機」からすると格下という状況は?
自分の年齢と映像の進歩、そして戦闘機の性能の進歩を見極めたトム・クルーズが放つ、「今だからこそ」の作品であり、だからこそ、終盤のF-14での逃走から空中戦へのクライマックスが輝くのだ。

ちなみに、ミッションについての話を聞かされた際、マーヴェリックは「F-35なら難しくはない」といったようなことを口にしているが、F-35は第5世代機である。それを敵が使っていたわけだ。
場所といい、地下プラントといい、設備といい、今回の敵となったならず者の国家、かなりやべーやつらである。
そんなやべーやつらの財源とか、協力している国家・組織とかが話として出てきてしまうと、それは次のトム・クルーズイーサン・ハント)にバトンを渡さざるを得ないのだが……。

そっちも来年までに過去作網羅しないとだねぇ。


似ている

クーガーの息子ルースター。演じたマイルズ・テラーは「セッション」で皆さんご存知だと思うが、この作品および彼の演技すごいところは、ルースターがクーガーに「似ている」ことだ。
ストーリーでいえば、フェニックスに出会い様に腹を突かれるルースターという一場面から、彼らに何らかの関係があったことは言うまでもなく、それは女性好き(ナンパ勝負のくだり)だったクーガーを想起させる。
それに、マイルズの歌い方だ。似せようとしている感はなく、自然体で歌っているように見えて、それでいてちゃんと似ているからこそ、「クーガーの歌う姿を思い出す」マーヴェリックの悲痛な表情が引き立っていた。


誰?

前作からチャーリーと仲良く続いているかな、やっぱ難しいかな、とか思ってたら、そういうわけでもない元恋人(しかも別の男との間にアメリアという娘がいるバツイチで、マーヴェリックのあれこれを結構知っているっぽい)というペニーが登場した。
誰???


いいと思います

ペニーとマーヴェリックが結婚する。
マーヴェリックにとってルースターは息子のような存在だった。
(今回の件を踏まえてグースと同じ親友のような関係になったが)
ペニーにはアメリアという娘がいる。
ということは、アメリアがルースターを「お兄ちゃん」とからかって、ルースターが困惑するなんて場面が作品の後日談としてあったら……

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