えいがのはなし『RRR』

こんなインターネットの片隅で映画を観た感想を放流している不法投棄者みたいな自分ですが、あれだけ世間で賑わいを見せて、いまだに映画館での上映が続いているこの作品を観てなかったんですよね。
「ナートゥをご存知か?」って言われてもダンスの上手い英国人みたいに「知らない」って言うしかなかったんです。動画で見かけたことはあるけれど、話の流れを知った上でのあのダンスシーンだから良いわけじゃあないですか。ってことは「知ってるよ」なんて言えないですよね。エアプだよエアプ。いや自分で踊ってないからまだエアプではあるのか。
思えば「君の名は。」も、天邪鬼を最大限に発揮して観に行かなかったし、なんならまだ観てないんですけれど(新海監督はもっと重苦しいのがいいんだ! って、自分の中のガキが駄々をこねているってのもあります。天邪鬼だったり餓鬼だったりします)、「いいから観ろ」って言われたので観に行くことにしました。
…………え?
ブラフマーストラ』?
知らないなあ……



※ここまで知れ渡った作品でネタバレなんて配慮する意味もあまりなさそうだけれど、まだ観てなくてこんなところで感想読んでるなら観に行けばいいと思うよ 暴力描写苦手なら向いてないけど



なぜこんなに面白いのか

たぶんここが良いんだろうなっていうのを羅列してみよう。

・垣根を超えた絆と、彼らを繋ぐ信念
全人類みんな好きですよねこれは。王道です。だからこそ、その関係性が雑に放り込まれていると萎えるんですけれど、RRRはそこがとにかく丁寧でした。たぶん、あっさり協力することになって道中も一切すれ違わなかったら、ここまで面白い映画にはならなかった。「仲間を救いたい」、「父との約束を成し遂げたい」というそれぞれの信念があって、それはどちらも「圧政に反抗する」ものではあるけれど、取った手段が違うせいで、どちらも目的のために互いを殺す寸前まで行ってしまう。でも、その一線は、あの橋のシーンで「繋いだ」手のように、根底まで結びついた強い絆が食い止める……。たまんねえなオイ?

・時勢とテーマの噛み合い
これは前に聞いたことのある論調なんですが、現実世界で何かしらに不満が高まっていると、それを解消してくれる、立ち向かってくれる、そんなテーマが売れやすいって話がありまして。「そうとは限らんだろう」という思いもあるんですけれど、ちょっと現実世界でごたついているところもありますから、権力とか圧政とかに対する反骨精神で、最終的には勧善懲悪っていうのが、世間的にも刺さったのかな、と。始まり方も道中の流れもつらいところはあるんですが、ハッピーエンドというのもあって、最後には小気味良い余韻が残るんですよね。エンドロール中のダンスは役者がにっこにこだし。

・肩車
説明不要。

・ナートゥ
上に同じ。

・かわいい
ナートゥのときのダンス好き英国人に言い寄られて「うわぁこわ~~~い」っておちゃらけてるときのふたり。

まあ総じていえば最高でしたね。




そういえばシータの顔なんか見たことあるなあ……なんでやろなあ…………

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