えいがのはなし『Spider-Man: Across the Spider-Verse』(スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース)

今作を観るために、Prime Videoの観放題はほんとに有り難いなあと思いつつ、映画館で観た前作『Spider-Man: Into the Spider-Verse』をもう一回観返した。数年前とは言え鮮明に記憶にあった上で、それでもめっちゃ面白かった。期待というより確信をもって、映画館へと足を運んだ。


ネタバレの使命から逃げるな!!!!!!!!!


あらすじ

 前作でキングピンの企みを阻止したスパイダーマン一行。そのうちの一人であるグウェン・ステイシー(スパイダー・グウェン)は、友達を喪った世界に戻った孤独感を以前より強く感じていた。そんな中、別のアースから出てきたヴァルチャーを、また別のアースから装置を使って来ていたミゲル・オハラ(スパイダーマン2099)ジェシカ・ドリュー(スパイダーウーマン)とともに捕える際、父親に正体を明かすこととなるが、受け入れてもらえずに決別。スパイダー・ソサエティに参加することとなる。
 一方のマイルス・モラレス(スパイダーマン)は、スパイダーマンと高校生の二足の草鞋をうまく履きこなせず、両親との望まぬすれ違いが起きていた。ノートや壁に記すグラフィティにはグウェンの絵。境遇を共有できる親友の存在をマイルスも求めていた。そこに現れたのは、他でもないグウェン。スパイダー・ソサエティの一員として活動していた彼女は、装置を使ってマイルスに会いに来たのだった。
 ……しかし、それはあくまでもグウェンの個人的な目的でしかなく、同時に、『スポット』と呼ばれるヴィランの行方を追う任務も担っていた。そのヴィランの正体は、前作で加速装置を作成していた科学者のひとりで、爆発に巻き込まれた際にダークエネルギーを直接体内に取り込み、ブラックホール間をワープできる能力を手に入れていた。マイルスを「宿敵」だというスポットは、マイルスのいるアース1610で自らを手製の加速器で強化、別アースに飛ぶほどの力を手に入れる。
 スポットを追うグウェンの移動に無理やり同乗したマイルスは、パヴィトラ・プラバカール(スパイダーマン・インディア)と出会う。更には遅れて登場したホバート・”ホービー”・ブラウン(スパイダー・パンク)とともにスポットを捕まえようとするものの、あえなく失敗。加速器のエネルギーに巻き込まれたマイルスは、いずれスポットが父親を死に追いやるであろうビジョンを見てしまう。建物の崩壊から皆を救う中で、グウェンの制止を振り切り、マイルスはパヴィトラの世界の署長を救った。
 その後、スパイダー・ソサエティに呼ばれ、ピーター・B・パーカー(スパイダーマン)(戻ってから復縁したメリー・ジェーン・ワトソンとの子供がいて、娘の名前はメイデイ。以降「ピーター」とする)とも再会。てっきりメンバーに呼ばれるものだと思っていたマイルスだが、ミゲルは「署長を救ってはならなかった」「救ってはならない者を救ってはならない者が救ってしまった」のだという。どの世界でも、スパイダーマンには共通の避けるべきでないイベントがあり、それを止めること、歪めることは、スパイダーバースの崩壊に繋がる――かつてその運命を歪めてしまった自分自身への怒りもあるのか、ミゲルはマイルスの「身勝手な」行動に、怒りを隠そうともしなかった。
 見殺しにしろ、それが使命だと言うミゲルに、マイルスは激怒。ホービーにコツを教わったやり方で電子網(?)を突破し、スパイダーマンたちからの逃走を企てる。途中で追いついてきたピーターから諭されて信じかけるも、通信機の作動で裏切られたと思い込むマイルス。なおも逃げ続けるが、追いついたミゲルに衝撃の事実を告げられる――「お前を嚙んだのはアース42にいた蜘蛛だ」「お前がスパイダーマンにならなければ、アース1610のピーターは死ぬことはなかった」「すべてお前が原因なのだ」と。
 ミゲルやジェシカをはじめとした他のスパイダーマンたちはおろか、ピーターやグウェンでさえ、マイルス自身が最初の異常分子であるという事実を、ずっと前から知っていたのだった。
 もはや誰をも信じることができなくなったマイルスは、『ゴー・ホーム装置』を使い、マーゴ・ケス(スパイダーバイト)が装置をリセットしないことを選んだおかげで、元の世界へと戻った。しかし、そこには死んでしまったはずのアーロン叔父さんがいて、そして署長――生きているはずの父親がいなくなっていた。
 読み取られたのはスパイダーマンとしてのマイルス・モラレス。つまり、蜘蛛の出生地……そこはアース1610ではなく、アース42だったのだ。そしてマイルスは、「アース42のマイルス・モラレス」と出会う。別世界の自分は、アース1610で自分の叔父の正体であったヴィランの名前、『プラウラー』と名乗ったのだった。
 同時刻。
 ホービーの気の利いたサプライズプレゼントを使い、アース1610に再び降り立ったグウェンは、マイルスの両親と接触し、アース42にマイルスが飛んで行ったことを悟る。彼の両親に対し、彼の気持ち――あるいは自分の気持ちを伝えた上で、マイルスを助けることを決心したグウェンは、それに賛同したスパイダーマン――ピーター、パヴィトラ、ホービー、マーゴ、そしてモノクロなピーター・パーカー(スパイダーマン・ノワール)ピーター・ポーカー(スパイダー・ハム)ペニー・パーカー(SP//dr)たちとチームを結成、救出に乗り出していくところで物語の幕は一旦閉じるのだった。


感想? はあ? 最高だが?

 おいおい。良すぎてキレちまったよ。
 感想とか言っておいて、あらすじとか言ってほぼ全部書いておきながら今さらになって全部ぶん投げるような話で申し訳ねえんだけれどもだな、どこがどうとかじゃねえんだ。全部最高なんだから全部良かったと言うしかねえだろうて。


強いて言えば

 前作の時点で思ってはいたことだけれど、なんというか、スパイダーバースシリーズはより等身大というか、身近に感じる。実写ではないのに。
 実写の方が映像は生々しいのだけれど、演じられている方々やストーリーがどうしても「特別なもの」に見えてしまうからなのだろうか? ともかく、実写よりもどこか近くて、その分感情が乗っかりやすいなと思った。


癖で言えば

俺はホービーが好きです。
史上最高にカッコいい『海賊版』だったねあれは。

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