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映キャンvol.1で取り上げた邦画

映キャン!You TubeLIVEで取り上げた作品たちです。これを機会に読んでいただけたら。


「37セカンズ」(公開中、Netflix配信中)
・2020年の邦画ベストワンは「37セカンズ」に決まり!世界の映画祭でも高い評価
https://encount.press/archives/7222/2/

・ぴあアプリ「水先案内人」映画評

https://lp.p.pia.jp/shared/pil-s/pil-s-21-01_faabab48-8cab-42e8-ad3a-dae53e5cf34f.html

「許された子どもたち」(公開中)
いじめ殺人を描く問題作に内藤監督、「自粛警察、木村花さんの事件ともリンクする作品」
https://encount.press/archives/61980/

「ドロステのはてで僕ら」(公開中)
“第二の「カメ止め」”呼び声のノンストップSF 主演・土佐和成&朝倉あきが明かす舞台ウラ
https://encount.press/archives/62923/

第二の〝カメ止め〟なるか「ドロステのはてで僕ら」
                      (サンデー毎日8月2日号掲載)

単館公開からシネコンに進出し、興収約31億円の大ヒットを成し遂げた「カメラを止めるな!」。そんな〝カメ止め〟をほうふつさせる歩みを続け、スマッシュヒットとなっているのが「ドロステのはてで僕ら」(脚本・上田誠、監督・山口淳太)だ。

 京都を拠点に活動し、毎年の本公演では1万5000人を動員する「人気劇団ヨーロッパ企画」が初めて取り組んだオリジナル長編映画。劇団所属の俳優が総出演し、スタジオジブリ作品「かぐや姫の物語」の主演で知られる朝倉あきがヒロインを務めた。

 舞台は雑居ビル。突然、カフェのマスター(土佐和成)の目の前のテレビの中に現れたもうひとりの自分。その男は「2分後の俺だ」という。半信半疑だった主人公だが、その男が言っていた出来事が2分後には現実に。では、二つのテレビを向き合わせたら、もっと先の未来が分かるのでは。やがて、それは思わぬ騒動に……。ドロステとは画像の中にさらに小さい同じ画像が……と延々繰り返される視覚効果のこと。

 人気劇団の作品とあって、公開前から話題に。クラウドファンディングプラットフォーム「Motion Gallery」で上映支援を募集したところ、目標達成率617%を記録。コロナ禍の中、6月5日から、より下北沢トリウッド、京都シネマという2館のミニシアターからスタート。トリウッドでは、初日から3日間の7回上映中5回のチケットが完売。各レビューサイトでも高評価を集め、Filmarks「初日満足度ランキング」では第2位を獲得。7月3日からは同日、オープンした「TOHOシネマズ 池袋」と「TOHOシネマズ 日比谷」の公開も始まった。

〝カメ止め〟も2018年6月、ミニシアター2館で公開。冒頭、37分のワンシーンワンカットによるゾンビドラマ、後半のユニークなドラマ展開、無名ながら個性的な俳優陣がSNSで話題を呼び、大手映画会社アスミック・エースの配給で8月からシネコンで拡大公開された。

 このドロステも、70分のワンシーンワンカット風のノンストップドラマ。一度観たら、絶対に忘れない個性的な劇団の俳優陣が魅力的だ。タイムパラドックスものの複雑さもあり、もう一度観たくなる。主演の土佐は「このコロナ禍で上映できただけでもうれしいのに、シネコンで上映される日が来るとは……。一回完成された作品が、自分たちがいないところで、どんどん広がっていくのは不思議。これは演劇にはない初めての経験です」と驚き。コロナ禍で、ヒットが延々と続く〝ドロステ効果〟を生み出すことができるか。(平辻哲也)



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