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自己紹介を兼ねて、マイベストムービー「素晴らしき哉、人生!」のこと

せっかくnoteを始めたので、少し自己紹介しますね。

東京生まれ、千葉育ち。大学時代は映画サークルに所属していたという典型的な映画ファン。ちなみに、サークルの先輩は園子温監督、作家の平山夢明さん、長浦京さんがいます。

卒業後は映画業界に進みたかったのですが、90年代は映画没落の時代。映画会社の募集は少なく、映画賞を主催していたスポーツ新聞社に入社しました。当時はプロ野球、Jリーグが始まったり、競馬ブームもあったりで、映画記者志望の新人は随分、珍しがられたものです。

最初は社会部記者的な仕事もしました。日本新党の躍進、皇太子さまのご成婚、矢ガモ事件というものもありました。しばらくして、念願の映画記者。いろいろ割愛しますが、カンヌ、ベネチア、ベルリンという世界三大映画祭も取材させてもらいました。

時は一足飛びに2014年末。会社の早期退職者募集の求めに応じて、15年1月に円満退社。50を手前にした退職には、心配の声もいただきました。退社を決意したのは、新しいことに挑戦したかったから。

その後、あるプロデューサーからは「映画の新会社を作るので、参加しないか」とのありがたいお声がけもいただきました。約1年間の充電期間、企画書や脚本の準備稿作りをしたのですが、そのプロジェクトは紆余曲折あって実現せず。今も映画を外側から見る「ジャーナリスト」という仕事をやっています。

この仕事をやっていると、必ず、「人生のベスト1って、なんですか」と聞かれます。その時にあげるのは、「素晴らしき哉、人生!」という作品です。

1946年製作のアメリカ映画。監督は巨匠フランク・キャプラ。主人公はジョージ(ジェームズ・スチュワート)。世界旅行や冒険を夢見る男ですが、そうはうまく進みません。夢の一つも実現できず、父親が経営する不動産会社の社長に収まっています。社長と言えば、聴こえはいいですが、その会社は貧しい人たちに住宅を与えるということを使命としているので、会社も家計も火の車です。

1946年のクリスマスイブ、共同経営者の叔父はふとしたことから大金を亡くしてしまいます。この金がなければ、会社の存続は不可能。ジョージの手元にあるのは、生命保険だけ。人生に絶望した彼は橋から飛び降りて、自殺しようと決意するのですが、そこに羽根のない2級天使のクラレンスが現れて……。

未見の人もいるので、ストーリーはこの辺で。とはいえ、古き良きアメリカ映画ですから、悲惨なラストであるわけはありません。ハッピーエンドです。

人生というのはままならないものです。人間は夢を見ますが、実現できるのはごくわずか。どんなに努力をしても、ときには大失敗もしでかし、自分には生きる価値がない、と思うこともありますよね? でも、どんな人でも、精いっぱい生きれば、それだけで価値はあるんだと思うんです。

劇中の言葉に、「友あるものは敗残者ではない」というものがあります。

お金があっても、不幸せな人って、いっぱいいますよね。でも、友達がいる人に不幸せな人はいないじゃないかな。自分がピンチになった時、救ってくれるのは友人たちです。このあまりにストレートなタイトルの映画はそんな作品です。

僕もサラリーマン記者卒業後はそれなりに挫折を味わいました。でも、そんなピンチの数々は知人、友人に助けてもらいました。この映画自体にも、随分助けられた気がします。落ち込んだ時、迷った時、手を差し伸べてくれるような、優しい天使の羽根のような映画です。

ついでに書くと、映画製作の夢はまだ諦めたわけじゃないです。人生、何が起こるかなんて、分かりませんからね。「フォレスト・ガンプ」のお母さんも言っているじゃないですか。「人生はチョコレート箱のようなものだ。何が入っているかは箱を空けてみるまで分からない」って、ね。

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