あーそういうことね。完全に理解したの心理学【分かってない】
ノブです。
今回の心理学はかなり驚いてしまった心理学です。私たちの生活に密接に関わっているのにもかかわらず、これは心理学の専門家が完全に理解しているのに、私たちは誰も知らない心理学です。
いわば、あーそういうことね。完全に理解したの心理学です。
さて、その心理学とは私たちの脳は「誰かが知っているだけで、自分も知っている気になる。」というのです。
どういうこと?って感じですよね。
つまり、あの人がスマホに関して完全に理解してるなら、私もスマホを結構理解してると錯覚してしまうということです。
これを聞いても信じられませんよね。
「あの人が理解してる。= 私もそれを理解してる。」という構図になるんです。
あの人は説明できるから、私も説明できる。と錯覚してるという謎の現象が起きるのです。
直感的にはこんなことはあり得ないように感じますが、心理学者が完全に解明してしまいました。
実験開始
実験です。
2014年5月19日、学術誌「地質学」で、新たな岩石の発見が報告された。科学者はこの岩石を完全に解明した。新たな岩石は方解石にいているが、高原のないところでも発光する。論文の筆者であるリテノア、クラーク、シュウはそのメカニズムを完全に理解しており、その鉱物の美しさと今後の実験計画を明らかにした。
この文章には、科学者が完全に解明した。理解した。と書いています。
この文章をグループAに見せます。
これとは対照的に、科学者が完全に解明できておらず、まだ理解できていない。
という文章を見せるグループをB作りました。
この2つのグループに自分の理解度を評価してもらいます。
「光る岩石についてのあなたの理解度を教えてください。」
結果は、なんということでしょう。
グループAは自分の理解度を高く評価したのに対して、
グループBは自分の理解度を低く評価したのです。
つまり、人間は次の錯覚をしていることがわかりました。
「 誰かが理解してる = 私も理解してる。 」
「 誰かが理解してない? → なら私も理解してない。」
ということが分かったのです。
※この鉱石は存在していません。
さて、なぜこのようなことが起きるのでしょう?
人間の知能は個人としてではなく、全体として働くからです。
あなたが携帯電話の番号を知らなくても、メモに書いていたらいいですよね。
この場合は知っている。と答えますよね。
自分の頭の中になくても外部の媒体に保存できていて、その情報にアクセスできれば問題ありません。
それは知っていると言ってもいいですよね。
だから、人間は自分が知らなくても、他の人が知っていれば「知っている」と錯覚するようです。
直感では理解できる話ではありませんが、人間の知能は1人で完成ではなく、全体で完成形のようです。(スマホや、人であったり、メモだってそうみたいです。)
とはいえ、その情報にアクセスできなかったらどうでしょう?
スマホが消えたり、知ってる人に連絡が取れなかったり、メモがなくなったりしたら、その人の理解度は減るのでしょうか?
なんと!やはりアクセスできないと、理解度は減少するようです。
2014年5月。DARPAは新たに発見された岩石に関する研究を機密事項に分類した。DARPAの科学者はこの岩石を完全に解明した。新たな岩石は方解石に似ているが、高原のないところでも発光する。論文の執筆者はそのメカニズムを完全に理解しており、その鉱物の美しさと今後の実験計画を説明した。将来の実験も機密であり、DARPA関係者以外は新たな岩石に関する情報を入手することはできない。
DARPAはアメリカの軍研究機関です。
DARPAは完全に知ってるけど、その情報は私たちは入手できません。
こうした文章を見せたグループCは、
なんと!「自分の理解度を極めて低く評価したのです。」
このことから分かるのは、知識コミュニティにおいての理解度は、知識はアクセスできるか否かが問題だったようです。知っているつもり、無知の科学より参考です。
さて、心理学は知っていても役には立ちません。
これをどう活用するかを考えてみましょう。
使い方
大事なのは「私が知っていると、相手も知った気になってくれる。」ということです。
活用方法として
ビジネスではこうです。
できるビジネスマン「私はこの製品については完全に理解してる。いつでもご連絡ください。」 理解してる × アクセスできる。
商談相手「ふむふむ、素晴らしい製品だった。私もこの製品を完全に理解した。」(気分になった、錯覚済み)
プレゼンテーションでの活用です。
プレゼンの人「この技術は完璧に解明しています。そしてこれを活用することで、〜ができます。私たちは何でも知ってるのでいつでも聞いてくださいね。」理解してる × アクセスできる。
聴衆「あーそういうことね。完全に理解した。」(分かってない)
これを使わないとこうなります。
プレゼンの人「この技術はこんな素晴らしいことです。そしてこれを活用することで、〜ができます。この技術は特別な事情があり詳細は公開できません。」理解してると言わない × アクセスできない。
聴衆「そうなんだ。難しいね。」(分かってない、錯覚しないで、分かってない。)
自分が理解していることで、相手も理解していると錯覚させられるという方法です。
詐欺スキルではありません。
優秀な読者の方はモラルと教養高く、聡明な人とは知っていますが、これで悪いことをしないですよね。
正しいこと。したいですよね?
人類を導くための方法
これは人類を正しい方向に導くナッジとしての活用が見込めます。(行動経済学より参考)
かなり多くの場面で活用できます。
例えば、遺伝子組み換え食品は危険という直感的な誤解の認識の問題です。
遺伝子組み換え食品は科学者の科学的見解であれば、「安全」ということです。
とはいえ、私たちは直感的に危険と錯覚しています。
遺伝子組み換え食品(100円)
遺伝子組み替えしてない食品(100円)
が並んでいたら、直感的に遺伝子組み換えしていない食品を選びますよね。
だって、安全そうに何となく感じます。
逆に組み替え食品は危険に感じます。
わかんないけど、身体中にがんができそう。
という何の根拠もないイメージすらあります。
これを今回の心理学の (理解した×アクセスできる。) を組み合わせて人類をナッジ(正しい事実に導く)してみるとこうなります。
遺伝子組み換え食品は安全であることを、実績があり権威ある研究者が解明しました。その科学的根拠や実験内容やデータなど全てインターネットで公開しており、いつでも閲覧できます。この科学的に安全というデータは〇〇万人に支持されています。
これで、人間の直感的な間違った解釈の錯覚が、直感的な正しい錯覚に導くことができます。
みんなが遺伝子組み換えの科学的根拠を知り、全員が説明できるようにする。というのは明らかに無謀で、現実的に不可能ですよね。
ですから、ある程度は錯覚を使って、科学的根拠のある正しい錯覚をしてもらう。という使い方です。
これが今のところ心理学を使った有効なナッジです。
マーケティング、ビジネス、啓蒙活動、などに使えますよね。
心理学を理解して、みんなが正しい認識の方向に向かえることができれば良いですね。
まとめ
人類「あーそういうことね。多分これはダメ。」←分かってないし、間違い。
人類「あーそういうことね。完全に理解した。これは良い」←分かってないけど正しい。
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