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クスリと食べ物の境界線。

「医食同源」という言葉は、病気を治す薬と食べ物とは、本来根源を同じくするということを意味します。

この言葉通り、「食事」と「健康」は密接な関係にあります。


偏った食生活やアルコールの多量摂取により健康を害し、一方でチョコレートやトマトなど古くからクスリとして人々の健康のために用いられてきた食べ物もあります。

 
では、クスリと食べ物の境界線ってどこにあるの?


こんな疑問を抱いたことはありませんか?

今日はこの疑問について、クスリに関わる法律に詳しい行政書士がお答えします。
 

3分ほどで読むことができます。ぜひご確認ください。
 

クスリはどうやってできる?

「すべての物質は毒であり、毒でない物はない。容量が毒とクスリを区別する。」
 
パラケルススというスイスの医師が残した言葉は、人気ドラマのセリフとなることで広く知れ渡りました。

身体に何かしらの影響を及ぼす物質をまとめて“薬物”といいますがその“薬物”のうち、身体に有害な作用を持つものを“毒”と私たち呼んでいます。

薬物が“毒”なのか“クスリ”になり得るのかは、実験により調べられます。

これはクスリになるかも!?という成分でも、クスリになりそうだけどよくない作用もある場合やよくない作用は少ないけどそんなに効かないということもあります。

数ある薬物のうち、人間に対し効果がある上で安全に使用できるものだけが“クスリ”として病気や怪我の治療・予防に使われます。

いくつものハードルを超えてクスリができるわけですが、そこには必ず“副作用”がつきまといます。

むしろ、副作用は必ずあるもので、それ以上にクスリとしての効果が期待できるからこそ“クスリ”なのだという認識が正しいかもしれません。

これはクスリになるかも!?という成分を動物、植物、鉱物といった自然界から見つけ出して“クスリ”になってきた経緯から、食べ物にクスリと同じ成分が入っているのは当たり前と言えば当たり前なのですね。


 
子どものころに言われた「これがクスリになるからね」「これを食べると風邪をやっつけられるよ」というセリフは子どものための嘘ではなくある意味事実だったのです。
 

クスリと食べ物の最大の違い

ここからは、クスリと食べ物の違いについて。
最大の違いは“質”と“量”です。

色、形、大きさなどから含まれる成分まで必ず“個体差”があるのが食べ物です。

毎日リンゴを食べていても、昨日のリンゴと今日のリンゴの味は一定ではありません。

クスリの場合は全く逆で、一定の品質を保つため、必要な成分が必要な量だけ入っています。
使用期間、保管方法を守る限りは一定の品質が保証されています。

クスリと健康食品の違い


サプリメントはクスリ?食品?

健康に気を使う方はふと疑問に思うかもしれません。

見た目はクスリのように見えますが、サプリメントは“健康食品”というカテゴリーに属する“食品”です。
薬と違って処方箋なく自由に購入できるし、一日何回、何錠飲まなくてはいけない。といった決まりもありません。

クスリと健康食品の違いのポイントは3点

・品質の安定性
・誰が使うか
・管理するのは誰が

・品質の安定性
クスリは一定の品質が担保されます。
健康食品は必ずしも一定とは言えません。

・誰が使うか
クスリは病気や怪我をした人を対象に使用されます。
健康食品は病気や怪我の治療、予防のために使うのではなく“健康維持”のために使用するものなので、健康な人を対象にしています。


・管理するのは誰が

クスリは、医師や薬剤師といった専門家の管理のもと処方したり購入することかできます。
健康食品は、消費者が自由に選び、購入することができます。

まとめ

お薬的な扱いをされる食品も、クスリになるまでの道のりを確認するその謎が解けます。
健康に向けた意識は今後さらに年齢に関係なく高まっていくことが予想されます。

健康食品のは“クスリ”ではないためその広告宣伝には注意が必要です。

病気や怪我の治療・予防は健康食品に認められる効果でないことを念頭において正しく選んでください。

また、健康食品を販売する側の方も、この広告は攻めすぎ?など不安になることがあればかなで行政書士事務所までお問い合わせください。


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