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映画「君たちはどう生きるか」を観た感想①

映画「君たちはどう生きるのか」を
久しぶりに、映画館へ行って観た。

「好かった」という人、
「悪かった」という人。
一切のキャッチコピーや
ストーリーのオフィシャルな説明がない。
という話題が
僕をワクワクさせていた。

その宣伝戦略が、
今の時代に合っている。
とか語っているyoutubeも見て、
本当にそう想っていた。

自由に観させてくれ。
僕の人生の御縁として、
善きものと出会って、
僕は僕の人生を豊かにしたいし、
響き合い、
僕も誰かの人生を
「僕の人生は豊かなものだ」と
伝えられたら・・・
そこに触れて欲しい。

*************

映画「君たちはどう生きるのか」を観て、
そう想った。いや、
兼ねてから、そう想っていたのだ。

映画はとても好かった。

最初から最後まで泣きっぱなしだった。
という友人の感想ほど
全然、泣かなかったが、
1箇所、自然に涙が流れていて、
気がつくと、疎らな映画館の
4つくらい隣の席で、
鼻をすする音が聞こえた。

笑えた。

帰り、先に席を立ったその人を
チラッと見ると、
ちょっといかつい感じの
普通の独りの若者の男性。

じんわり♪

*************

そうそう、
感想、というか、
ストーリーの運びパターンは
ずーいぶん昔に映画館でみた
「千と千尋の神隠し」と
同系の感じがした。

あれも好くて、
あれ以来の
素晴らしさだったな。

そして、
似ているが故に、
観た後の感覚の違いが
氣になった。

これは
僕の重ねた年齢のせいなのか、
それとも
時代の風潮で感じ取ったのか、
それとも
時代の風潮を感じ取った
作者の意図なのか・・・

「千と千尋の神隠し」も
「君たちはどう生きるのか」も、
どちらも
映画館を出た後に
見える世界が変わっていた。

「千と千尋」の方なんか、
当時、20代の独身、東京、アパート暮らし
だったので、
渋谷から新代田の家までの道のりを
歩いて、映画の世界の続きを楽しんじゃった
もんね。

そんな感じのこの二つの映画の
違いとはなにか?

僕が観た映画館では
こんなことは起こらなかったけど、
当時の友達から聞いた話題で、
映画なのに、
終わった後、大歓声が起きたらしい。

「なるほど」と
納得できる映画の内容だったと想う。

極上のエンターテイメントで、
会場がみんなひとつになって、
「僕たち、仲間だよね」
って感覚になっていたように
思い出される。

*************

でも、
「君たちはどう生きるのか」は
違った。

とことん「個の世界」、
僕自身が持っている
無限の世界を
作品によって見せてくれた。

映画館の大きなスクリーンで、
没入して観れたのは
よかったけど、
終わった後、
同じ映画を見た同志と
喜びを分ちあいたい、
なんて欲求は、
本音の片隅にも
起こらなかった。

そういうものではない。

これはみんな「独り」で
各々の「宇宙」を抱えながら、
映画館を旅立つべきだ。

たぶん、
映画によって
そんな感覚にさせられた。

*************

つづく



:追記:
「もう一度見たい」とか
「何度か見ればわかるだろう」とか、
「きっと何度も観るほどに
新しい発見があるはずだ」とか、
そんな感想がよく目に止まって、
それは、
「そうかもね」と想うのだけど、
僕は、
そんなに何度も見なくてもいい。

そんな作品だと感じました。

だって、
新しい発見なんて、
毎日、僕らの日々は、
その映画作品じゃなくても
新しい発見の連続でしょ?

と、
僕には
「君たちはどう生きるか」が
伝えてくれたように感じた。

作品が素晴らしいとか
宮崎駿さんが素晴らしいとかじゃなくて、
僕ら一人ひとりの人生が
素晴らしいってこと。

作品を観て
一人ひとり感じることが違うだろう。と
誰かが評価してたけど、
だから、
感じた「あなた」の心が
素晴らしいんだよ。

それを伝えようとしてくれているように
感じた僕は、
そうすることにします。

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