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奇妙なるウォッチパーティの話。

中老の男(71)が言っていることが分からないという人と、分からないのが分からないという人がいる。

そこでついに北海道の熱中小学校江丹別分校(ただいま生徒募集中)では男の過去の授業映像を見返して、一番弟子の浅田氏が男の真意を解説する会が行われる見通しだ。つまり、流行りのウォッチパーティー。

僕は、分からなくて当然だと思う。
例えば男は、延々と過去自分が「写植屋」であったことを語る。普通に受け止めると「だからなんだ」である。誰かが書いたその一文字一文字を打っていくそのときに、「人類は言葉を得た。その言葉を次の人に託し、そしてその人は消えていく。でもこの言葉は残るのだ。つまり言葉とは…」なんてこと考えてたり、あるいは心頭滅却してその言葉について考えずに写植を打つとか、逆に勝手に俺がより良い文に変えちまうかとか、この写植が多くの人の元へと届く言葉となる、俺は今人類の大きな流れにいてささやかにその行為に参加しているとかとか、、、

そんなこと考えてるとか、本人は言わないでただ「僕はねぇ、若い頃はねぇ、写植屋だったんですよ!」って写植の話だけしてるんだもん。それで「写植はおもしろいぞー」なんてニコニコしてても分かるわけねえだろ、と思う。

なので中老の授業の1時間のビデオアーカイブを一時停止しながらいちいち解説したら2時間くらいかかるかも知れない。めんどくせえな!とりあえずそれ以上長くなっても困るので、中老には「ウォッチパーティーにはくれぐれも来ないでくれ」と頼んだところだ。

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