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【大公開】飛鸞新商品開発の裏側に迫る

毎回リリースのたびに話題になり、即完売してしまうことも多い飛鸞の新商品。

今回は、そんな新商品開発の背景に迫るため、五代目蔵元杜氏 森雄太郎さんから開発におけるアイデアの源泉をお伺いしました。

最後には、9月に開催される若手の夜明けで初お披露目される新商品についてもご紹介しています。


新商品開発のインスピレーション

ーーー毎回、新商品が出るたびに日本酒マニアの中で話題になる飛鸞ですが、新商品のアイデアはどう考えているんですか?

森:思い付きとひらめきですね。練って練って考えるタイプではないです。
誰かと話しているときやお風呂に入りながら考え事をしているときにふと思いついたりします。

自分はつくり手でもあり、飲み手でもあるのでお客様目線で考えています。自分自身も飛鸞のファンという感覚ですね。こういうアイテムがあったら面白そう、楽しそうという思いで、その時に飲みたい味わいをもとに商品開発をしています。

ーーー自分自身も飲み手目線というところがポイントですね。多くの商品がこれまでにも発売されてきていますが、アイデアが枯れずに生まれ続けていて凄いです。

つくり手でもあり飲み手でもありたいという感覚がやはり大きいですね。
売れるかどうかわからないものでも、試験的に作ってみたお酒から商品化されることも多々あります。

Queenの名に相応しい上品な香りと甘味、 そして繊細な味わいを兼ね備えた「HIRAN にこまるQUEEN」
撮影・編集 カワナアキ

ーーー飲みやすい味わいのものや、酒米の名前がついているものなど、日本酒初心者でも一度飲んでみたいと思う商品が多い印象があります。

日本酒業界では、冬はしぼりたて、春は春酒、夏は夏酒、秋はひやおろしなどが発売されるのが一般的です。昔はそこに合わせて商品を作らなければいけないと思い、開発していましたが、今はそこまで気にしていません。季節商品についても味わいをベースとして考えます。

例えば、夏でもビールのように日本酒をゴクゴク飲みたいという時は、しゅわっとしたガス感でゴクゴク飲める味わいを求めて開発したりします。その時にどんな味わいがお客様に求められているかを軸に商品開発を行いますね。

あとは酒米のイメージに合わせて開発することもあります。その例が、7月に発売した「あさひらん」ですね。森酒造場が目指す無農薬米&無添加醸造(生酛)を体現したお酒です。ご縁があってお取組みさせていただけることになった「あさひ米」で、飛鸞の世界感とお米の味わいをどうやって表現するか、イメージしながら完成したアイテムです。

ーーーアイデアのパターンも2種類あるんですね。

単純に飲みたい味わいから逆算して出来たパターンとしては「HIRAN Heaven」、酒米の酒質から逆算して作るパターンとしては「あさひらん」がありますね。

新商品開発のプロセス

ーーー決まった型があるわけではなく、頭の中に浮かんだ味わいから形にしていくタイプなんですね。

同じものを作りたくないんです。いろんなリスクもありますが、頭の中に浮かんだアイデアを諦めたくなくて、とりあえずやってみようと思っています。やり続けないと新しいものを生み出せないなという感覚があるので、つねにチャレンジしています。

ーーー開発の段階で失敗することはないんですか?

もちろんあります。やってみて次どうするか考えてみて、やってみて考えて。非常に効率は悪いかもしれないですが、やり続けることで成功が出来ます。世に出ていない失敗したものもいくつかあるんです。

ーーー沢山のトライ&エラーを繰り返しながら多数の商品を出されていますが、特に難しかった商品は何ですか?

実は定番商品になっている「にこまる」も難しかったです。根底の味わいの表現の仕方に悩んでいました。何種類もの酵母を試してみたり、生酛を採用してみたり、しっくりくる味わいを探していました。
今でも、実は毎年少しずつ味わいは変わっているんです。定番酒・飛鸞の看板酒だからこそ、試行錯誤して、より良い味わいになるように味わいを調整しています。

来期の「にこまる」もまた少し変わっているかもしれません。その年の雰囲気を楽しんでもらいたいですね。

長崎の食用米の奨励品種である「にこまる」を使用した「HIRAN にこまる」
撮影・編集 カワナアキ

チームメンバー発案の商品開発に期待

ーーー商品開発に際してメンバーと話すことはあるんですか?

基本的には私がイメージしている味わいをもとにレシピを作ってみて、細かな味の調整も行っています。
今後は、酒造りのアイデアを出していけるような人材を育てていきたい気持ちもあります。

ーーー実際にチームメンバーの案から商品化されたものはありますか?

現状はまだ形に出来ているものはありません。チームメンバーからの「こんな商品を作りたい」というアイデアはもちろんウェルカムです。
今後は「HIRAN’s Mile」でメンバーの意見を反映した日本酒を開発していけたらいいなと思っています。今年はグラスでしたが、アイデアを持ち寄って出来たお酒をつくりたいですね。

※HIRAN’s Mile
HIRAN's Mileとは、進化×笑顔
HIRANブランドが日々進化してより多くの人に笑顔を届ける事ができるようなブランドへと成長していくストーリーにおけるマイルストーンとして毎年刻んでいく大事なイベント。

初回となる今年はHIRANブランドの新たな門出となった作品「HIRANにこまる」リリース発売から3周年を記念して、「HIRANにこまる」初期スペックの記念ボトルとGLASSBACCA様との共同制作により発売しました。「HIRANにこまる」専用オリジナルグラスをお届けします。

蔵元の資料より

ーーー今後、ご入社いただく方にも酒造りのアイデアを出せるチャンスがあるということなんですね。

はい。ものづくりを楽しんでもらいたいという気持ちがあるので、これから仲間になる方にも、商品開発も行えるような枠を作りたいと考えています。アイデアをいただきながら、一緒に形にしていきたいです。

伝統的に長く嗜んでもらえるような飛鸞として生まれた「HIRAN神楽」
撮影・編集 カワナアキ

若手の夜明け

ーーー9月10日から15日開催の若手の夜明けのご参加も決定しましたね。

はい。飛鸞は後半の9月13日(金) 〜15日(日)に参加します。

ーーー若手の夜明けではどんなお酒が楽しめるんですか?

今回から食品も販売できるようになったので、飛鸞の酒粕を使ったチーズケーキを計画中です。

本イベントで初お披露目になる新作は、甘みと酸味を感じるチーズケーキのような味わいのお酒になったので、ここでしか味わえないペアリングを楽しんでもらえると思います。(調整中)

あとは、Reborn cederも出します。

ーーー昨年のイベントで初登場して人気でしたもんね!

自分で試験的に日本酒の中にいただいた木のチップ(サクラ、オーク、ミズナラなど)を漬け込んで遊んでみたら面白かったのでそこから生まれました。
燻製香と呼ばれるいわゆる通常は出してはいけないオフフレーバーが付着していても、しっかり調和すれば美味しくなるとわかったので、一般のお客様に受ける可能性があるのかという点も気になりました。

そこで問題提起の一環として、去年イベントに出してみたら即完売したので、それもまた一つの発見になりました。

ーーーありがとうございます。飛鸞の商品開発の背景には、原材料から生まれたもの、試験的に生まれたもの、単純に飲みたい味わいから生まれたものなどいろんなストーリーがあって非常に興味深いですね。今後も新たな新商品の発売を楽しみにしています!

ありがとうございます。是非、9月に開催される若手の夜明けにも遊びに来てください。直接こだわりをお話させていただきます。

飛鸞をつくる蔵人を募集しております!

飛鸞は、国内だけではなく世界に羽ばたいていくブランドを目指しております。そのため、今まさに『人の力』がより重要になる段階に差し掛かっています。

私たちの目標は、モノづくりを楽しみながら、飛鸞というブランドを成長させていくことです。10年後、20年後には、より素晴らしい景色を皆さんと共に見たいと考えております。

飛鸞を通じて、日本酒の価値を高め、業界の常識を変えていけるような酒造りを実現できればと思います。そのために、私たちと一緒に新しい挑戦を楽しみ、共に成長していける方をお待ちしております。ぜひ、奮ってご応募ください。

応募に関して

下記の選考プロセスを経て採用とさせていただきますので、ご興味のある方はまず、こちらの飛鸞 / 森酒造場 採用フォームより書類選考にお進みください。

ご質問等がございましたら、Google Form内にある「備考欄」にご記入ください。

それでは皆様のご応募お待ちしております。

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