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大学時代の親友に「番号表示」で電話したら出ず、「番号非表示」でかけたら出た件

けっこうつらかったころだ(笑)。
今となっては笑える体験。宝の経験だ。

生命保険会社の営業マンとなった。フルコミッションだ。
2009年の11月に入社し、営業活動をスタートさせた。
ぜんぜん売れない(苦笑)。

1月に勉強会に参加するため、札幌に行くことになった。
もちろん往復の交通費も宿泊費も自腹である。
私の所属する営業所の所長は
「こんなに売れないんだったら、参加させなきゃよかった。参加以前だよ」
と言った。
それほどまでに売れていなかった。

大学の写真部の同期であり、親友が、そのこと大手新聞社の写真部員(報道カメラマン)として、札幌支局にいた。

もちろんわざわざ札幌まで行くのだから、一緒に酒でも飲みたい。
電話をかけたら、タイトルの通り。出ない。

それまでの11月、12月で保険勧誘の電話をかけまくっていたから、まぁ
考えてみれば、至極当然。
保険に入ってほしい、というのはもっぱら自分のためだけであり、相手の利益など考えていない。

正直に言えば、保険のプロでも金融のプロでもなんでもない。

「あなたのために無償で保険証券の診断をします」
と言ってもそんなスキルは実は持ち合わせていないのだ。付け焼刃。

盃をかちわって辞めてきた出版社にも電話をかけまくった。
煙たがられたのは間違いない。業務妨害とかで訴えられなくてよかった、と思うくらいだ。
保険に入ってくれたのはひとりだけで、あとはまったく相手にされなかった。

セルフイメージが極めて低かった時代。そのセルフイメージに合わせて
現実が作られていった。

朝起きて、マンションのベランダでまずはタバコ1本。
出社して、喫煙室でまたタバコ1本。
そして、缶コーヒー。
どんだけ口が臭いんだと、いま思う。

四か月で生命保険業界から逃げ出し、それ以来、1本もタバコは吸っていない。


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