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奈良高専でCanvaを教えてきました

高専ロボコン全国大会常連校としても知られる、奈良工業高等専門学校。奈良高専には、普段学んでいる工学分野とは違った様々な分野の学びを通じて、感性や表現力を養う「しなやかエンジニア教育プログラム」という特別な教育プログラムがあります。

先日その1コマとして、1・2年生を対象としたデザインワークショップで講師を担当させていただきました。

もともとは昨年夏、いつもお話しているようなデザイン入門講座を対面でする予定でしたが、オンラインに切り替わり、せっかくならオンラインならではの内容にしようと、今(私の中で)最も熱いデザインアプリ「Canva(キャンバ)」を使ってみよう!というテーマに切り替えて行いました。

お話した内容はすべて、拙著『デザイナーじゃないのに!』でマンガを描いていただいた、イラストレーターのよしだゆうこさんのグラフィックレコーディングでまとめてもらいましたので、まずは隅々までご覧ください。

前半ではグラフィックデザインは何のためにあるかということ、スライドもグラフィックデザインのひとつであること、わかりやすいスライドの鉄則、そしてCanvaのここがスゴい!というお話を。

後半は、言葉もデザインのひとつであること、短く端的な言葉を選ぶことを意識しながら、とにかくCanvaを触ってみよう!という内容でした。いつもの講座なら、整列や近接、余白や配色などの話をしますが、今回はテンプレートを使うので、そういったグラフィックデザインのルールについてお話しする必要がありませんでした。

こんなに丁寧にまとめてもらえて感激!ありがとうございました。これがあるとないとではふり返りの質が段違いなのです。この世の全ての会議やセミナーにグラレコがあればいいのに…

講座のスライドも、デモンストレーションを兼ねて全てCanvaで作りました。Canvaには、商用利用もできるデザイン性の高いテンプレートが50万点以上あります。直感的な操作と、素材や日本語フォントの豊富さに手が止まらず、時間を忘れて作ってしまいました。

ノンデザイナーの皆さんにとって、デザインにかける時間はできるだけ少ないほうがよい、と私は思っています。

私がスライドづくりにCanvaを推す一番の理由はそこで、1からデザインを作るよりも、質の高いテンプレートをベースに作ることで、デザインに悩む時間がグッと減るからです。その分、本質であるプレゼンの構成や、わかりやすい表現、言い回しなどを考える時間に充てられます。

例えば伝わりやすいスライドにするための「1スライド1トピック」というポイントも、あらかじめ守られたものがテンプレートになっているので、好きなデザインを選び、自分の言葉に乗せ換えるだけで伝わりやすいスライドができてしまいます。

今は個人がスピーディーに発信していく時代。その中で少しでも伝わりやすいもの、わかりやすいもの、「いい感じ」のするものが求められている中で、あらかじめルールやマナーの守られた、好印象のデザインが無料で使え、瞬時にシェアできるCanvaは、今にぴったりのツールと言えます。

こんなおすすめをすると、これまで執筆した本や講座を自ら全否定してしまうようにも聞こえるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。テンプレートを使わずに自由にデザインしたいときにはデザインの知識が必要ですし、チラシやパンフレットなど構成要素の多いテンプレートをカスタマイズする際にも、細かいデザインのスキルや感覚は必要になってきます。

しかし、スライドや、カードなどのちょっとした印刷物など、特にオリジナルデザインである必要がなく、テンプレートをカスタマイズすることで十分伝えられる内容であれば、Canvaは強力な助っ人になってくれるはずです。

今回の学生さんたちのミッションは、「スライド4枚で奈良高専の魅力を伝えよう!」でした。限られた枚数・時間で、効果的にプレゼンするコツをお話し、実践していただきました。

Canvaの直感的な操作性と飲み込みの早い学生さんたちの相性は抜群で、ワークショップ中もほぼ質問をいただくこともなく、スムーズに作業ができました。

正味1時間半という短い作業時間、4枚という制限の中、皆さんそれぞれユニークな切り口で奈良高専の魅力を発表してくださいました。デザインに時間をかけなくても、コスパの高いプレゼンスライドが作れるということを実感してもらえたのではと思います。

後日シェアしていただいた学生さんの振り返りアンケートでは、35名中31名が「大変役に立った」と答えてくれました。

「1スライド1トピックという鉄則は様々な場面で応用できると思った」
「効果的なスライドが作成できると共に非常に楽しいソフトだと感じた」
「使い方も難しくなくて、簡単に素敵なデザインの資料ができる」
「スライドが簡潔にまとまるだけでなく、発表がしやすくなった」
「Canvaは是非とも、今後のレポートやプレゼンに活用したい」

などなど、前向きなご感想をたくさんいただきました。

プレゼン発表をご覧になった先生方からも、

「今までのスライドと全然違う」
「楽しんで作っている感じがした」
「先が見たいと思えるスライドだった」

など、嬉しいご感想をいただきました。

在学中も、卒業後も、自分の考えや気持ちを人に伝えるシーンはたくさん訪れます。そんな時、こういった手軽にデザインできるツールはどんどん味方にしていって欲しいですし、今回のワークショップがその第一歩になれば嬉しいです。奈良高専のみなさま、貴重な機会をいただきありがとうございました!

Canva、もうかなりメジャーなツールではありますが、まだ体験されたことがない方は、ぜひ使ってみて下さい!

Canva
https://www.canva.com/

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