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国連1位とか、どうすればとれるのか

2022年9月に、2年に一度行われる国連のe-Government Surveyの結果が公表されました。行政のデジタル化全般を測るEGDI(e-Government Development Index)と補足的指標で行政オープン化の指標であるEPI(e-Participation Index)が公表されています。
日本は全般の指標であるEGDIは14位でしたが、オープン化の指標であるEPIは1位になりました。

実感と違うと感じる人もいると思います。

このようなランキングには、採点方法に特徴があります。

WEFの競争力ランキングのランキングが29位と低いといわれますが、これは、日本の経営者から見た採点が大きく影響します。我が国はすごいんだと国内企業も応援している国は評価が高くなりますし、我が国の政府はダメなんだという国は低くなります。その点、政府への批判が日常的に行われる日本には不利な測定方法です。

それに対して国連の評価はニュートラルに、この機能はありますかと採点をしています。使いやすいかどうかは別として、その機能があるかと聞く形式的な評価には日本は強いんです。基礎点を確実に稼ぐことができます。

そうした採点方法の特徴から、人によっては違和感があるかもしれません。

でも、基礎点だけでは1位は取れません。

評価をするうえで基礎点を見たうえで様々な評価が行われます。クリエイティビティや持続性や定着しているかどうかも評価されることになります。
また、サイトを見て実態を調べたり、関係資料を見たりすることがあります。

そういう点で、日頃からのプレゼンス向上の取り組みは重要です。日本のチームも、2012年から様々な会議や意見交換の場で英語の資料を公表したり、セミナーに登壇したりすることで、国連の電子政府チームと情報交換してきました。

こうした取り組みにより、e-Participation部門では1位になれたわけですが、電子政府の総合評価では14位にとどまっています。これはなぜなのでしょうか。

電子政府の総合評価でも、日本は一通りシステムなどを持っているので、しっかり基礎点は取れています。そうした点で、ランキングこそ14位ですが、最高レベルの電子政府という評価グループに入っています。

つまりはアドオンで、魅力的なサービスが見つからなかったということではないでしょうか。

e-Participation部門の資料では「大臣がリーダーシップをとる対話サイト」「地方自治体でのSNSや対話サイトの活用」等の国・地方一体での努力が国際的にも参考になると評価されています。
一方、電子政府全体の資料を考えると、海外と同等のサービスはいくつもありますが、海外に較べ頭一つ飛び出したサービスがあまりありません。それが、最高レベルだけど順位としては14位という結果になっているのではないでしょうか。繰り返しになりますが、193か国中14位ですから日本のレベルは高いです。

ちなみに、こうした評価では英語力は重要ではありません。最低限の英語力で十分で、要は、取り組みの内容を、きちんとメッセージとして伝えられるかが重要になります。

こうした国際的な舞台で頑張るメリット

1位はうれしいですが、ランキング自体は重要ではありません。ランキングの調査票に回答をして、結果の各国比較をする中で日本の良いところと悪いところが見えてきます。そこを見つめ、きちんと改善していくことが重要です。
また、日本の事例を紹介するときに、「この取り組みは国際的にみて、どんな訴求力があり、何処が貢献できるポイントだろうか」と考えることで、国内の身近な視点で推進してきた取り組みを本質的な観点から改めて振り返ってみることができます。また、世界の参加者から質疑を受けることで新たな発見があることもあります。さらに、そのような場に参加することで、世界の取り組みから学ぶこともできます。

国際会議でプレゼンしてみないかと誘うと多くの人が辞退してしまいますが、思い切って飛び込むことで、度胸もつくし、キャリアにもなるので、チャンスがあったらぜひ挑戦することをお勧めします。

まとめ

国連に限らずグローバルに評価を得ていくためのポイントを、以下に整理します。

情報収集

まずは情報収集です。どのような発表機会があるのかを情報収集します。フォーマルな会議だけでなくカンファレンスとか学会とか様々な機会があります。そのうち参加できそうなものを探します。AWARD等もたくさんあるのでそういうところに応募する方法もあります。

資料作成

まずは、海外の発表資料をよく見ましょう。各スライドのメッセージがはっきりしています。文字ばかりの資料ではなく、ビジュアルに伝わる資料を作っていきましょう。

情報発信

Speaker DeckやLinkedinなどを使って情報発信していきます。日本は情報発信が少ないので、英語での情報発信はすごく歓迎されます。

問い合わせ対応

問い合わせには丁寧に対応しましょう。その結果、きっといいことがあると思いましょう。

このような取り組みは視野が広がりますので、今後もチャレンジしていきたいと思います。


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