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SLCPを知っているか

ソフトウェアの共同開発や取引を円滑するには、どの部分をお願いするかを明確にする必要があるが、各社の考え方が違っているとうまく取引をすることができない。また、工程や作業ごとに課題を明確にしたい場合もあるかもしれない。そこで業界横断の枠組みとして推進されてきたのがSLCP(Software Life Cycle Processes)である。
国内ではISOの12207をベースに、IPAが共通フレームワークを整備し、ISOの改定に合わせて1994,1998.2008,2013と改定してきている。多くのソフトウェア関係者が参考にしたバイブル的なフレームワークであった。
しかし、システムズ・エンジニアリングとの協調を図り枠組みを変えたISO/IEC/IEEE12207:2017については共通フレームワークの策定が行われていない。また、SLCP(System Life Cycle Processes)も2023年にISO/IEC/IEEE15288:2023として改定されている。

この2つの標準は、同じターミノロジ、同じプロセスで定義されている。ソフトウェアもシステムも組み立て型、組み合わせ型の開発に対応したものとなっている。

SLCPのプロセス

アウトカムで見ると、対象がシステムかソフトウェアかどうかということで違っている。また、策定時期との違いで追加された視点ももちろんある。

PMBOKも第7版への2021年の改定で大幅にな変更しているし、SWEBOKももうすぐ改定する第4版でアジャイル対応などされるらしい。

こうした中で、ソフトウェアのモダナイゼーションの検討が各所で検討が行われているが、その整理に当たっては、こうした国際的なフレームワームも参考に検討を進めていくべきだろう。

例えば、合意プロセスの中の取得プロセスを見たときに、どのような課題があり、どのような改善の可能性があるかなど個々に課題を解決していく必要がある。このプロセスでは、要求提示の方法、契約条件等を検討し、自社の要求提示の方法が明確かどうか、検討依頼先は候補として適切か、契約条件は妥当か等の様々な論点を検証することとなる。

このように各項目で確認をしていくことは、自社の体質改善には重要なプロセスである。

既にISO12207は最後の改定の2017年から7年経過しており、技術環境が大きく変わってきている。最近更新されたISO15288も参考にしながら、きめ細かい分析のベースとして今後活用していきたい。


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