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ワーケーションをやってみた

デジタル社会の推進という仕事をしているとテレワークやフレキシブルワーク、兼業や複業という柔軟な働き方について考えたり、意見を求められることがあります。一方で、ワーケーションという言葉も様々なとらえ方があり定着していない気がします。そこで、自分で体験してみて、つらつら書くことにしました。

Wikipediaでは以下のように定義が書かれています。

観光地やリゾート地でテレワーク(リモートワーク)を活用し、働きながら休暇をとる過ごし方。

Wikipedia

「働きながら休暇をとる」というのも微妙な表現ですね。まず、ワーケーションは「休暇」なのでしょうか。私は、テレワークの一種であり、普通に勤務して、たまたま自宅以外のところにいるくらいのとらえ方をしています。勤務時間以外は自由時間であり、自由時間に散歩しているところが職場や自宅のそば以外になっているくらいの差ではないでしょうか。

ワーケーションも2泊3日位の気分転換位の短期型の提案から1-2週間、長期型では1か月以上のものがあるようです。でも、workとvacationの造語ですのでvacationらしく1週間以上はいたいものですね。

そこで今回は沖縄に行く用事があったので、1週間とはいきませんが4泊5日でワーケーションを試行してみました。本当は一週間以上で行きたかったのですが、前後に予定があり、少し短めになってしまいました。

1.なぜワーケーションをやろうと思ったのか

繰り返しになる部分もありますが、ワーケーションをした理由を整理してみます。

  • 沖縄に行く用事があった

  • 仕事で推進するデジタルを活用したサービスを自分で体験することが重要

  • 職場で前例を作るとみんなが取り組みやすくなる

  • たまに気分転換してみたかった

2.ワーケーションのスケジュール

単に用事を済ませるだけなら、朝出発して午後に用事を済ませて、翌日の朝一番で帰ってくる1泊2日というのが最短コースです。それを伸ばして4泊5日にしました。

12月19日(日)朝の便で東京→那覇
12月20-23日(月-木)通常勤務(テレワーク)。夜の便で那覇→東京

というスケジュールです。

普段、東京にいるとテレワークではなく毎日職場に行ってしまい、朝から晩まで仕事をし、休日もあふれた仕事をしてしまいますが、ワーケーション期間は勤務時間ベースに仕事をしました。(勤務時間という概念も古くなりつつありますが、基本ルールは守る必要がありますし、みんなが連絡しやすいという点で重要です)

詳細は、以下です。

1日目:12月19日(日)

12時ちょっと前に空港着。恩納村に行こうとしたが、バス案内所が3か所ある。うーん、一元的に案内してくれるとわかりやすいのだが・・・。一番早く発車するリゾートシャトル便に乗る。14時過ぎにホテル着でチェックイン。遅いお昼を食べに行こうとしたが、まずは部屋のwifiのチェックをしました。wifiが部屋の中で不安定だとテレワークに支障が出るので最重要な作業です。wifiは快適でしたが、なんと、その確認により、職場のトラブルメールが着信しているのを発見してしまいその対応をしました。(職場の人も日曜にメールしてきたりするw)

15時になってしまい、検索すると周辺の店は夕方スタートが多くて開いていない。仕方なく、お昼はコンビニのおにぎりをビーチで食べるというスタート。意外に寒かったので食べ終わったらとりあえず部屋に退散。ウインドブレーカーとか持ってくればよかった。

部屋でくつろぎたかったのですが、月曜に事前送付する必要がある火曜の会議資料ができていないので資料作成を行う。

19時を過ぎて夕食を食べに行くため再び検索をすると、近所に数店のレストランの表示。ホテルでも夕食は食べられるのだがバイキングだったので、昼が遅かったこともあり、軽く食べようと歩き始める。一軒目は休業、二軒目はステーキ屋で重すぎ、そこで、おなか減らすために検索で店があるように表示されたエリアに向けて歩き始める。20分歩いて検索で表示されたすべての店が営業していないことが分かり晩飯難民化。冬のリゾート地ですれ違う人もいなかったので店が閉まっていてもしょうがないですね。最初のステーキ屋まで20分かけて戻る。(あとで聞いたら、探したエリアが悪かったらしい)そこでご飯を食べて、21時に部屋に戻る。そこから資料作成を再開し、結局0時過ぎまで作業する。

2日目:12月20日(月)

7時に起床し、周辺を朝ランしてから朝食を食べる。車で移動しているだけでは細かいところが見えてこないけど、朝ランすることで街が見えてくる。

9時からメール確認やちょっとした作業。
10時からホテルで来訪者との意見交換。そのまま一緒にランチ。

13時に部屋に戻りWeb会議を開始。部屋だと誰にも気兼ねせずに会議ができる。14時からはメール処理と資料作成。16-18時は2本連続でWeb会議。再びメール処理などをして業務時間終了

18時半にホテル内の室内プールに到着。プール終了時間は19時までなので30分集中的に運動をする。(リゾートのファミリーが楽しむ中で、ひたすら運動w)。19時半にホテル向かいの居酒屋に到着。カウンターで最近の沖縄の状況など聞きながら夕食。沖縄料理屋は地元のお客さまより観光にきたお客さまが多いので、観光客が減って大変とのこと。また、沖縄はやはり渋滞が大変とのこと。
20時半に部屋に戻る。ホテルのベランダから各部屋の電気の付き具合を見る。上層階は2割程度、下層階は電気がついていないので、たぶん部屋を使っていないのでは。オフシーズンの平日なのでしょうがないかと感じながら23時くらいまで部屋で資料作成を行う。

3日目:12月21日(火)

7時に起床し、昨日と逆方向に朝ランして、街中観察をしてから朝食を食べる。

9時からメール確認やちょっとした作業。10時から移動開始。夕方に市内に出ればいいのだけれど、会議のタイミングを見て移動する必要があり、朝から移動する。那覇市内で用事があるのに、ちょっとホテルが遠すぎた。
11時から市内の会議室を借りてWeb会議を行う。

12時から昼ご飯を食べつつ、市内の状況の視察(観光ではなく活気等)をした。現地の様子を把握するのは大事で、さらに、会議場所に向かうタクシーの中で運転手さんヒアリング。修学旅行生は増えてきたけど一般の団体客は少ないとのこと。夜の飲食店は盛り返してきたけど、2次会に行く人が少なく、まだまだらしい。14時に勉強会を行うホテルのロビーでメール確認や明日締め切りの資料作成。15時半から勉強会に参加。90分の長めの講演をして、その後、意見交換をした。

21時に部屋に戻り、その後、資料作成。

4日目:12月22日(水)

7時に起床したが雨のため朝ランできず朝食をとる。

朝食時の眺め

このホテルならフィットネスセンターがあると思ったが、フィットネスセンターは稼働率が低いらしく閉鎖されていた。残念。プールは9時からなので利用できず。

9時からメール確認やちょっとした作業。10時半から Web会議をし、11時半からメール確認等。昼ご飯を取る時間がないまま、12時から14時まで2本のWeb会議

遅めの昼ご飯のコンビニのおにぎりを部屋のベランダで食べる。

15時から17時半2本のWeb会議をこなし、メールの処理してお仕事終了。会議と資料作成という、よくある1日であった。

18時半から室内プールに行き、19時から前々日と同じ店に夕食にいく。またカウンターで食べたら、いろいろサービスしてくれた。20時にホテルに戻り、ミニステージを見てから部屋で資料を作る。

5日目:12月23日(木)

7時に起床したが、また雨のため朝ランできず朝食をとる。

9時からメール確認やちょっとした作業。那覇まで路線バスで移動する。路線バスは生活道路を走っていくので地域の実情を把握しやすく、どこかに行くとよく使っている。バスは10分の遅れできた。バスってそんなものかと思いつつも、本数が少ないバス停で一人で待つのはちょっと不安。東京は、バスロケとかあるので便利だな。10時から11時半まで、路線バスの中でWeb会議に参加。(報告を聞くことが目的なので、PCでチャット画面を開きつつ参加)

路線バス(時々回線が切れた)

昼を食べて、13時から14時半は、会議室で打ち合わせ。15時からのweb会議は会議場所がなく雨も降っているのでビルのロビーで参加しようとしたが、会議が中止になった。そのままロビーで資料作成。16時から会議室で打ち合わせ。17時から空港に向かってモノレールで移動しながらWeb会議に参加。(これも聞くことが目的なので、スマホで参加)これですべての業務が終了。

19:00発の飛行機に乗る前に空港で夕食を食べようとしたが全て売り切れていて、しょうがないからサーターアンダギーを2個食べて胸焼けするorz

3.ワーケーションのメリットとデメリット

結局、毎日5時間近く会議してメールを確認し次の会議の資料を作っていました。ワーケーション以前に会議多すぎでスケジュールに無理がありますが、普通のテレワークのように仕事ができました。

職場にとってのメリット

  • 職場に働き方のオプションが増える(職場の魅力が向上)

  • 移動時間が勤務時間外になるので勤務時間が有効に使える

個人にとってのメリット

  • 勤務時間外にくつろげる

  • 気分転換になる

職場にとってのデメリット、課題

  • リアルな会議や緊急呼び出しができない

  • 職場でちょっと相談というのが多いが、チャットとかメールでは込み入った相談ができない

個人にとってのデメリット、課題

  • 高いところに滞在すると費用が掛かる

4.重要なのは宿泊場所の選定

ワーケーションで一番重要なのはホテルになります。コワーキングスペースも各地にありますが、web会議が多いと個室が必要で、ホテルの部屋で仕事ができることが重要です。今回は以下の観点で場所を選びました。

wifiが安定していること

部屋にFree wifiと書いてあっても部屋によっては電波が弱い場合もあります。そこで、いざとなったら部屋の変更も頼めそうな大きなホテルを選びました。

そんなに高くなく、ホテルの部屋で快適に仕事できること

数泊するとそれなりに費用が掛かるので、安めのホテルを探しました。また、折角のワーケーションですので景色が楽しめるようにオーシャンビューを探しました。

運動ができること

ホテルに泊まると、食べ過ぎてしまうことも多いし、一日部屋にいたりするので、運動できることは重要なポイントです。ホテル周辺を散歩しても快適な場所を選びました。

最後の要件が、交通の便の良いところ

これは土地勘がなくて困りました。空港からシャトルとかが出ているところを選びましたが、今回は遠すぎて失敗です。

5.ワーケーションを呼び込むためには


ワーケーションで地域を振興しようとしているところも多いですが、個人的には以下の観点で情報があるとよいですね。

  • wifiや通信が安定しているかどうか

  • ご飯を食べるところがいくつかあるのか

  • 街中ではなく地域の魅力のある場所か

  • トータルとしてリーズブルな価格に収まるか

  • 以上の情報が容易に手に入り、選択できるか

それと用務先に近いというのも重要ですね。出張のついでにワーケーションというのは、交通費を考えると有効な選択肢だと思います。あと、「そんなに費用も掛からないし」というのは重要な要素です。家族を残して一人でワーケーションに行くと「いいなぁ」といわれますので、そこに納得してもらうためにもあんまり贅沢はできないですねw。

6.まとめ

ワーケーションはテレワークの一種で、メールも電話もあるし、ファイル共有もでき、勤務時間中は連絡とれるし、普通に仕事できます。そういう点で、ワーケーションは仕事の自由度を高めるうえで有効な選択肢だと思いました。フレックスタイム等の仕組みを組み合わせるともっと楽しめるのかもしれません。
また、各地の経済に貢献するために、勤務時間外に食事などを楽しむことも重要ですね。
家族が一緒に行く等のいろんなパターンがありますし、自己管理できない人だと難しいという指摘もありますが、今後、様々な事例がたまってくる中で徐々にルールができてくるといいですね。

これからも機会をとらえてワーケーションを試してみたいと思います。


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