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沢田研二 LIVE 2019 「SHOUT!」

タイトル通り、ツアー中ずっと叫んできたのだろう。声がかすれている。しかし、声がかすれているのに、声が出ている。

パワフルな喉を持つジュリーならではの芸当だと思いつつ、かすれた歌声に心配をしつつ、ライブは開幕した。


2019.10.06 沢田研二 LIVE 2019 「SHOUT!」@京都 セットリスト

気になるお前
THE VANITY FACTORY
a.b.c...i love you
勝手にしやがれ
ス・ト・リ・ッ・パ・ー
探偵~哀しきチェイサー
そっとくちづけを
お前は魔法使い
憂鬱なパルス
吉いらんか
グショグショワッショイ
限界臨界
若者よ
根腐れpolitician
SHOUT!
君をのせて
誕生日
TOKIO
さよならを待たせて

昨年のツアーライブと1曲だけしかかぶらない。
セットリストにも、ジュリーのサービス精神が垣間見える。

今年も昨年同様、ジュリー&柴山和彦さん(ギター)のふたりだけで行われるライブ形式。

今回は、フィギュアスケートを意識した衣装らしい。

上も下も黒を基調とし、ラメで飾ったきらびやかなシャツ。そして、膝上にスリットの入ったパンツ(かがむとスリットがひらく謎の仕様)。
膝上とズボンの裾、ジャケットの端には、カーテンタッセルに似た青いひらみが付いていた。

※4階席のため豆粒ほどにしか見えないジュリーだったが、たぶん、おそらく、Perhaps, maybe, probably. 


バーボンのボトルを抱きながら各曲感想。

「気になるお前」
「THE VANITY FACTORY」
「a.b.c...i love you」

ジュリーの声がかすれている。
最初から全力で叫んで大丈夫だろうか。

「勝手にしやがれ」

お約束で間奏中にステージの端と端を行ったり来たりするジュリー。歳が歳故にポテポテとしていたが、昔と変わらない振る舞いに染み付いたプロの矜持を感じる。

「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」

ライティングが神かがっていた。
サビ部分でステージのあちこちに散らばったスポットライトがジュリーに収束する様は圧巻。

「探偵~哀しきチェイサー」

声が出はじめる。

「そっとくちづけを」

良い歌。

「お前は魔法使い」
「憂鬱なパルス」

ジュリーの歌と聞き手の脳が一体化しはじめる。

「吉いらんか」

ジャケットを脱いだ。

「グショグショワッショイ」

去年と唯一のかぶり曲。じんわりとした中毒性。

「限界臨界」

反原発メッセージが強い。

「若者よ」

このあたりからジュリーの喉が本領を発揮しはじめる。

「根腐れpolitician」
「SHOUT!」
「君をのせて」

歌唱力だけで鳥肌が止まらないゾーンに突入。
71歳かと疑うほど叫びが止まらない。

そもそも、はじまりはかすれていたのに、曲を追うごとに本調子を取り戻す喉。

ジュリーは、その男前故に容姿が取り上げられがちだが、喉の強さとそこに起因する歌のうまさが真の魅力だと思っている。

「君をのせて」が終わり、スピードスケートのスタートダッシュポーズをビシッ! と決めて、舞台裏に去るジュリー。


アンコール前のMC

ジュリー『今日、お誕生日のひとー!』
ご婦人方『はーい!』

手をあげたひとりひとりに「おめでとう」を贈るジュリー。
和気あいあいとしたコール&レスポンス。ジュリーも観客(推定60~70代)も可愛らしい。

余談

関東方面から来ていたご婦人いわく、『関西のライブのジュリーは親しみがおおい(?)わぁ。関東だと、なんだか一線引いてるわよねぇ。』

とのことだった。

アンコールの衣装は、ネコ、もしくはホワイトタイガーの被りものに、阪神のユニフォームを羽織って登場。昨年のスカートといい勝負でふざけている。

そう。アンコール衣装は、ふざけるだろうとわかっていた。

しかし、まさかのカズさんまで被りもので登場したため、会場は大爆笑。

ここからアンコールがはじまるはずなのに、こんなにもお茶目散らかした状態でどうしんみりさせるつもりだろうか、と心配になるくらいの大爆笑でアンコールははじまった。


夜更けの窓は寒いと震えながらアンコール感想。

「誕生日」

MCの誕生日ネタから綺麗につながる。

「TOKIO」

4階席でなければ飛んだ。抱いてほしい。

「さよならを待たせて」

良い歌(PartⅡ)。

昨年のラスト・ヤマトに似た、聴かせる楽曲。
ジュリーは、ほぼ着ぐるみ。カズさんは被りものをしている。
けど、そんなの関係ねぇ!と言わんばかりの説得力。歌唱力と演奏力だけで押しきってきた。

どこからともなく叩かれた拍手は呼応し、人へ、人へ、連鎖する。
会場がやまない拍手を降り注がせるなか、ライブは閉幕した。

「SHOUT!」の名に違わず、終始ジュリーの叫びを聞く、生き様の叫びを聴くライブだった。


昨年「OLD GUYS ROCK」



気と機が向きました際に、是非。