変化を乗り越えるヒント - 『チーズはどこへ消えた?』の教訓(読書感想)
「チーズはどこへ消えた?」を読んだ。話題になっていたことは知っていたが、これまで読んだことが無かった。発売は2000年11月30日とあったので、23年前の本だ。しかし、今読んでも得られるものはあったと思う。
ビジネス書や自己啓発本を読んできた人からすると、特に目新しい内容はないように感じるかもしれない。環境に変化が起こったとき、行動するか、行動しないか。その結果、何が待ち受けているのかを分かりやすい短い物語として描いている。
それでも、この本には他の本には無い特徴があると思う。 それは何かと言うと、自分自身が物語の中のどの人物にあてはまるかを客観視できるところではないだろうか。
環境は変化する。だからそれに合わせて、行動も変化させる。このことをすでに実践している人の視線から語られた一人称の話ではない。
すぐ行動する人、迷ったあげく行動する人、考えて行動しない人という様々な考えと行動を持つ登場人物を描き、全体を俯瞰した3人称の話として描かれている。そのため、今の自分がどの登場人物にあてはまるだろうと、意識することができる。それによって、考えてばかりで行動しないでは、何も解決できない。そのことがもたらす結果を、行動できている人が1人称で熱く語るよりも、理解し受け入れやすいように思う。これまで、なかなか行動できなかった人も、踏み出してみようかと背中をおされるかもしれない。
実際に、物語に出てくるキャラクターたちの行動や思考は、実は私ひとりの日常の中にも散見される。そのことに気付くことで、私自身がどうすればより前向きに、そして柔軟に物事に取り組むことができるのかを再認識できた。
この物語の中の小人のように、時にはチーズに対する執着や、変化に対する恐れや不安が心の中にあるかもしれない。しかし、そんな自分を笑って一歩を踏み出したときに初めて、新しい「チーズ」を見つけ出す可能性が生まれると認識することが重要なのではないかと思う。この本を読んで、そのような気づきや勇気を得られる人がこれからも増えていくといいなと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?