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小説を書くためのあれこれ

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長編小説を書いて新人賞へ応募したい! 試行錯誤のあれこれ。
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#読書好きな人と繋がりたい

孤立していると感じる夜に : 「絶望名言」読書感想文

 NHKのラジオ深夜便の番組を文庫としてまとめたもの「絶望名言」を読了しました。これは古今東西の文学作品の中から、絶望を書いた言葉を紹介し、生きるヒントを探す番組です。 「いくら生きたいきたいと思っても、死が救いに思われるほど辛い現実がある」  そんな言葉が飛び出すほど、絶望の名言と体験を深く掘っていく内容になっています。カフカ、ドストエフスキー、べートーヴェン、ゴッホ、芥川龍之介、中島敦などなど。  文学の中の絶望名言やその背景を知ることで、「ああ、人生がとても苦しい

「ヨモツイクサ」を読了したので「狂気の山脈にて」を読みたい!

 昨日、オトラジの第190回「ホラー小説オールタイムベスト!」を聞いた。  本編で紹介されていたH・P・ラヴクラフトが書いた「狂気の山脈にて」のあらすじを知り、知念実希人 さんの「ヨモツイクサ」のある場面を思い出してしまった。(「ヨモツイクサ」は面白かったので、感想文も書きました~↓)  この2作に共通しているように思える設定が面白いと感じた。  「狂気の~」はあらすじを聞いただけなので、一度自分でも読んでみたいなと思う。私が反応してしまった「ヨモツイクサ」との共通点を感

緻密さとエンタメ性と深淵が交錯する古典ミステリー:『グリーン家殺人事件』レビュー

 作家、中山七里先生がおさえておきたい古典ミステリー10選の中に選ばれた1冊「グリーン家殺人事件」を読んだのでレビューしたいと思う。  ちなみに、おさえておきたい古典ミステリー10選は、「中山七里のミステリーの書き方」(ポッドキャスト)の第一回で紹介されている。  「グリーン家殺人事件」は古典ミステリーとはいえ、読んでいて古臭さを感じさせない一作だった。  物語の舞台は、仲違いしている金持ち家族が住む館。そこで家族が一人ずつ殺されていく連続殺人が起こる。使用人も含めて、全