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間に合うのか、新郎

タイの空港で働いていた時の話。

タイでは時々政権を巡って派閥のデモが行われることがありますが、デモ隊がバンコクの空港を占拠したことがありました。危険行為はしないものの何日も宴会を繰り広げて居座るので、急遽バンコクから離れたら軍事空港から日本へのレスキュー便をとばすことに。チェックインや搭乗口の施設が使えないので、手書きの搭乗券や荷物のタグなど全てマニュアル対応、当時勤務していた航空会社の市内支店前までお客さんに来てもらい、そこからバスで軍事空港へ。初便は日本でもニュースになったみたいです。こちらも大変だったんやでー!

私がバス周りでお客さんの人数や鞄など確認をしている時、とある男性に声をかけられる。

「お疲れ様です、僕社員チケットしか無いんですが、乗せてもらえませんか?必要なら新規チケット買います」

飛ばない他社から流れてきた有償のお客さんもスタンバイして待っていたので、社員(社割り)チケットの人は陸路で近隣諸国に出向いてもらい、そこから空路で日本に帰ってもらっていました。というようなことを説明したと思います。

「明日は僕の結婚式なんです、陸路では間に合わないし、今日乗れないと困るんです」

と。そんなんならデモのことは日本でもニュースでやってたし、タイに来たらあかんやろ!と思ったけど、独身最後の旅、どうしても行きたかったんでしょうねぇ。上司と相談して、ギリギリまで待ってもらい、最終的にはチェックインに来なかったお客さんの席を彼にあげることになりました。

私もスタッフトラベル(社員チケット)で、乗れなかったことがあります。あくまでも空席があれば乗れるチケットなので、どうしてもって時は慎重に旅の計画をしないといけないですね。

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