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54 ウォシュレット・ディバイド

デジタル・ディバイドとは、『インターネット等の情報通信技術(ICT)を利用できる者と利用できない者との間にもたらされる格差のこと』とされ、情報格差と訳される(Wikipedia参照)

デジタルネイティブ・スマホネイティブといった、情報通信機器をごく当たり前に扱える層とそうでない層のコミュニケーションはほぼ断絶されていると言ってよく、まさにdivideされている(devideはold spelling らしいぞ!)

僕はデジタルネイティブと呼ばれる世代(21歳です)に生まれ、毎日スマホを触って、各種SNSを見たり、ネットニュースをみたり、必要あらばググって情報を得ている。デジタル機器に関して、世代以外にも様々な幸運に恵まれた僕が「デジタルデバイド」について語ったり、ましてや弱者について語るまい。この分類によって「弱者」と切り捨てられる人間が必ずしも不幸であるとは限らないし、「持っている」側の傲慢だともいえる。

しかし。しかしだ。分断はデジタルにおいてだけ生じているわけでは決してない。僕は、このことに関しては「弱者」として声を上げさせてもらう。

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そう。ウォシュレットだ。(画像は商品ページから拝借)

僕はウォシュレットを使ったことがない。これを言うと同級生でさえ驚く。僕は驚かれたことに驚く。

僕の世代は、特段ウォシュレットネイティブと呼ばれたことはないと思うが、みんなウォシュレットをどうやって覚えたのだろう。ていうかウォシュレットって何をする道具なの?いや、もちろんググったことはあるんだけど、Wikipediaによると『ウォシュレットは、TOTOが販売する温水洗浄便座の商品名である。』

いやいやいやいや。どこを洗浄するのよ。便器?だとしたらみんな個室入ってすぐ便器洗ってんの?濡れない?もしかしてお尻?お尻洗ってもらってんの?マジで?え、え、え、どうやって?

排便というのは個室内での個人的な営みで、「誰にも見られていない」ことが保証されているから、みんなズボンを下せるわけである。しかし、裏を返せば「誰も見てくれない」ということでもある。

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僕は「おまる」でトイレトレーニングを受け、一人でうんちができるようになってから、ずっと一人でうんちをしてきた。だれもウォシュレットなんか教えてくれない。この間家族にウォシュレット使ってないって言ったら驚かれた。いや、教えてよパパ。ママ。

中学生くらいの頃に、便器に肘置きらしきものがついて、ボタンがたくさんついているのを発見した。たぶんあれがウォシュレットなのだろう。用語の1つもわからず、汚したりしてしまわないか心配でボタンを押したことがない。ビデって何よ。当時はスマホ等の検索手段を何も持たず、「わからない」ものはそのまま「恐怖」として今に引き継がれている。

「わからないものは怖い」

今僕は、完全にウォシュレット・デバイドの渦中にいる。ウォシュレットネイティブ世代は、おまるにもウォシュレットがついているのだろうか。

[追伸]

記事を公開するとき、タグ付けで「トイレ」をつけようとしたら「携帯ウォシュレット」が候補にでてきた。携帯できるのかウォシュレットって。なぞは深まる。


Best regard.


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