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こんな二人でいよう(「塔」2023年12月号 掲載歌)

「塔」の12月号が届きました。いろんな方に自分の歌をご覧いただければと思い、掲載歌をnoteに記録しています。

わけもなく半休を取り帰宅する昼の電車は静かな河川

リモコンの電池をぐりぐりやるように腰を圧されて生きながらえる

いつかなど来るはずもない五日なら来月も来る五日に誘う

無意識のあなたが見せる表情に秋の海っぽさがたまにある

Wi-Fiで新居を満たし窓を開け逃げてないかとはしゃぐ夕暮れ

それなりの日々を束ねて花束にする年に一度の日を決める

この星を生活するためだけにしか使わない二人でいよう

「塔」(2023.12)P.200

今年の締めくくりの号でした。
大人数の投稿をまとめ、選をし、組み、編み、クールな表紙で包み、発送していただいた、「塔」を作ってくださった皆様に感謝を申し上げます。
自分がこうして短歌を発表できているのは、皆様のおかげだと、ひと時も忘れないようにしていきたいと思います。

7月号以来の百葉集にも取っていただきました。無意識〜の歌です。嬉しいです。

「十月号 若葉集(永田 淳選)評」では、はなきりんかげろうさんにさびしいとさみしいの歌を引いていただきました。
今年は川本千栄さんの『キマイラ文語』に出会ったり、夏に初めて万葉集を通読したこともあり、言葉にとても興味を持った年でした。そんな中で生まれた歌だったかと思います。

総目次には3ヶ所、名前を載せていただいています。

若葉集1年分の掲載は、まだあと3号分残っていますが、ひとまずは1年やりきりました。
来年もどうぞよろしくお願いします。

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