秋に自転車で-2024年9月24日の日記

ぴったり秋分の日に日本列島には涼しさが到来し、わが家にはこたつがやってきた。あれから3日経った平日の昼下がり、最寄りの庁舎で手続きを済ませた帰りのことだった。秋の風を感じながら都道を自転車で南下していて、別の街道に差しかかることを示す青い標識が見えたとき、ふと「概念について知ることは、地図を手に入れることに似ているな」と思った。

言うならばわたしはこれまで、特定の一地点をひとりスコップで掘り下げるようなことばかりしてきた。掘った先には同じように別の穴を掘っている他者がいたり、さらにそこに社会があったりした。自己を掘り下げることで初めて他者を発見し、それを通して社会を知るアプローチばかりとってきた。懸命にやってきたことには違いない。でも、「世の中には地図というものがあるんだ、なんて便利なんだ」と思った。

地図を見ることを通してわたしたちは目的地に至る道を知ることができるだけでなく、自分がどの位置に立っているのかを認識することができる。とはいえ、わたしは地図を読むこともまた苦手なのだけれど。それでも今日通った道を地図で見てみるように、生きてきて出会った自分にとって重要な概念の入門書を手元に置いておき、折に触れて見ていこうと思った。


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