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ホワイトチョコレートスノー、あるいは鶏そば(その2)

「先輩お昼行きましょー。きょうは何食べます?麺と米なら?」

「その二択なら麺。」

「つけ麺かまぜそばか鶏そばなら?」

「鶏そばだな。遠いし」

「遠いほうがいいんですか?変なの。」

「昼休みぐらい会社から少しでも離れたくない??」

「どんだけつらいんですか(笑)まあいいや、昨日よりは暖かいですもんね」


「そういえば先輩」

「なんや」

「結婚しました。私。」

「おっ、ついにかー。おめでとう」

「ありがとうございます。この連休中にプロポーズされたんですよ」

「いやよかったよかった。いやこりゃめでたいね」

「2番目ですよ、人に言うの。大阪のYさんが1番目で、先輩は2番!他の人にはまだ言わないでくださいね」

「それはまた身に余る光栄ですわ。承知した」


「しかしあれだね、君の場合はあだ名が下の名前由来だから、混乱しなくてよいね」

「言われてみれば確かにー。名字だったら若干あれですねえ。
……ちなみに上司とか会社の人ってどのタイミングで言えばいいんですかね?」

「うーん、こればっかりは私はなんのお役にも立てませんで。Sとかにきいてみれば?去年課長の席のとこで、私事ですがなんちゃらかんちゃらってやってたで」

「あっ、そんなラフな感じ?後で聞いてみよー」


「ところでプロポーズってさ、やっぱ指輪をパカってされたの?」

「いやー、指輪はなかったですよ。バラの花だけ」

「バラの花だけ」

「50本(笑)」

「いや、それは『だけ』って言わないな」

「ほんとは100本にしたかったけど、店員さんにやめとけって止められたらしいです」

「それをもらって、最初に何を思うの?普通にただうれしいもんなの?」

「ただただびっくりですよ。うれしいより先にびっくり。あとになってからじわじわ実感するんですよ。あ、わたし、結婚するんだなあ…って感じ」

「へえ、そんなもんなんかねえ。まあ幸せなら何よりですわ。幸せになってくれ。」

「ありがとうございます。先輩も。」

「あざす。善処します」


「あっ、外で並んでる人がいるんでお店出ません?スタバよってから帰りましょう。ホワイトなんとかって新作が出てるんですよ」

「出よう出よう。さすが幸せの絶頂にある人は心が広いですわー」

「へへへ、でも先輩にはおごりませんよ!自分の力で、勝ち得てください」

「善処する方向で前向きに検討しますわ」

コーヒー代にさせていただきたく。