図解!原価計算基準一七【部門個別費と部門共通費】
会社の原価部門は製造部門と補助部門から構成され、補助部門は補助経営部門と工場管理部門に分類されます。製造部門は、直接製造作業が行われる部門のことで、直接的に付加価値活動を行っている場所です。
原価要素を原価部門に分類集計するにあたり、特定の部門において発生したことが直接的に認識されるかどうかによって、部門個別費と部門共通費に分類します。この際、部門個別費は、原価部門における発生額を当該部門に直課し、部門共通費は、原価要素別に適当な配賦基準によって各部門に配賦します。そこで基準十七の原文と下図②をご覧ください。
部門個別費は具体的に、その部門で使われる機械装置の減価償却費、機械リース料、電力料、修繕費、消耗工具費等があります。
減価償却費を部門個別費とするには、固定資産台帳に保有する機械装置がどの原価部門に設置されているかのように、部門コードを付しておく必要があります。
また、修繕費や消耗工具費を部門個別費とする場合は、支払伝票にどの原価部門で消費されたかが分かる部門コードを記載する必要があります。電力量は、機械ごとに電力計が設置されている場合は部門個別費として集計できますが、工場全体でしか電力使用量が分からない場合は、部門共通費となります。細かく電力量を管理するためには、部門別にいくつもの電力計を設置する必要がありますが、設置はせずに機械のスペックから電力使用量を計算することも可能です。
部門共通費は、配賦基準を決めて各部門に配賦します。この際、出来る限り実態を反映した基準にすることが大切です。例えば、工場全体の建物減価償却費、保険料、固定資産税などは使用床面積を、工場棟の給与や工場全体の福利厚生費は従業員数を基準として使います。
また基準十七では「部門共通費であって工場全般に関して発生し、適当な配賦基準の得がたいものは、これを一般費とし、補助部門費として処理することができる。」としています。
<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>
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