『錬金術』【前橋ポエトリー・フェスティバル 2024 ポエトリー・リーディング in 前橋文学館】

『錬金術』


ブラックコーヒーを片手に黒い服で街に溶ける
おもちゃ屋の前ではしゃぐあの子
クレープを食べながら自撮りするあの子
自転車で坂を下るあの子

それらは 何色か 何色か 何色か
黒ではない
黒にはならない
白でもない
であってほしい

あの頃は透明なものを描いてた
そう思ってた
今はただ曇天を引きずっている
そう思ってた


ただ ただ ただ 無料(ただ)


に引き寄せられる
不純な色の人間は
透明な頃の晴天を
ただ求めている
そう思ってた

遡り逆上がりする僕はたぶん赤色
そうか
それなりの僕はまるでカメレオン
そうか
流れ星の破片をを僕は球拾う

ただ ただ ただ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?