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新月の日にハマムに行くという自分だけの習慣がある。自分自身へのねぎらいの意味も多分に含めた、約1ヶ月に1度の小さな儀式。 モロッコに来て以来、月は以前にも増して身近な存在になった。 イスラムの暦は月の暦。文字通り、夜空に新月が現れた日から月が新しくなる。そのため、月の満ち欠けはイスラムの人々の宗教的な関心事として生活の中に根付いている。 必然的に、ごくごく当然のこととして。 最初に暮らしたのは小さな漁師町だった。 仕事で関わり、時には寝食を共にしていた女