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オススメしたい劇中短編傑作『恐山ル・ヴォワール』

#アニメ感想文 #2021年のおすすめアニメ

『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』は王道長編ストーリーのお手本だというオススメ記事を書いたばかりだが、同じく週刊少年ジャンプ連載で現在は講談社から出版されている『SHAMAN KING』「恐山ル・ヴォワール」は私の中での最高傑作短編だ。

簡単に説明すると本編の前日譚で、シャーマンファイトから5年前、主人公の麻倉葉が初めての持霊マタムネと共に青森県恐山にいる許嫁へ会いに行くという物語である。

ストーリーの中身はマニアックな要素てんこ盛りで、ネコなのに明治の文豪のような佇まいでモチーフは夏目漱石「吾輩は猫である」と推測されるマタムネだったり、青森県恐山へ行く手段がなつかしのブルートレイン「北斗星」をモチーフにした乙斗星だったりと、最初からマニア垂涎の導入展開となっている。

『SHAMAN KING』はハッキリ言ってしまうと、王道とはかけ離れた完全邪道モノだ。大会をほったらかして場外乱闘ばかり描写されるという破茶滅茶な展開が続き、最後もよくわからないまま未完で一旦終わるという当時かなりの物議を醸した作品だった。

シャーマンキングを目指していたはずの主人公が、ある理由で夢を諦めるというところから短編物語「恐山ル・ヴォワール」が始まる。

話の中盤では謎に包まれていたマタムネの正体が明かされる。新選組、忠臣蔵に並ぶ人気を誇る陰陽師、安倍晴明。それをモチーフにした麻倉葉王は、マタムネの最初の主だった。命を救われ主人に巫力を与えられたマタムネは守護霊として代々の麻倉家を守ってきたのだが、500年前のシャーマンキング大会でマタムネは、生まれ変わったかつての主を討ってしまったのだ。麻倉一族、マタムネ、そして主人公の許嫁、恐山アンナ。それぞれの登場人物が過去の重荷を背負いながら、ついに主人公は青森のお土産屋さんにて許嫁との邂逅を果たす。

中盤からはありきたりのシンプルな展開で終幕へと向かうのだが、私はアニメを見て大号泣してしまった。一期目のアニメでは映像化されなかったファン待望の短編作をまだ見ていない方はぜひDVDや配信などで見てほしい。原作だけ知ってる方でもすごく楽しめる内容となっているはずだ。


#SHAMANKING #シャーマンキング #恐山ル・ヴォワール


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