【麻雀】ラス前の立ち回りを理解しよう:成績が劇的に上がる点数状況判断ドリル基礎編(4)

全5回を予定している点数状況ドリルの第4回です。
徐々に内容をレベルアップさせているので、無料部分を見てちょうど良さそうなレベルだけ買って頂くのでもかまいませんし、5回まとめてのマガジンですと少しお得になります。

第3回まではオーラスの立ち回りについて考えてきました。今回はオーラスに至る前の段階「南3局までの立ち回りが点数状況でどう変わるか」について考えていこうと思います。

点数状況を考えだすのはどこから?

「セオリー」と呼ばれる麻雀戦術というのは基本的に東1局において正しい選択のことを指します。

したがって、点数状況によってはセオリーが通用しなくなることがあるよ、というのがこのマガジンの主旨なわけですが、それならば「じゃあいつから点数計算を見てセオリーを変えたら良いの?」という疑問が浮かびます。

まず結論ですが

南2局までは点数状況はほとんど考えなくてOK

です。

もちろん、厳密にはそれ以前でも点数状況を考えるべき場面が無いわけではありません。特に順位点が大きいルール(そもそも順位戦の天鳳や雀魂など)では南1局くらいから点数状況によって判断が変わることもちょくちょく出てきます。

とはいえ、何事も最初から完璧にやろうとするとむしろ学習効率は落ちてしまいます。まずは簡単に再現できるところから覚えていくべき。そういう観点で言えばはじめのうちは、南2局までは普通に打って、南3局から点数を考える、という姿勢でおおむねOKです。

南3局以降にしっかりと点数状況に対応した立ち回りができれば、天鳳で言えば鳳凰卓を目指せる、雀魂で言えば雀聖になれる、くらいの力が身についたと言って良いでしょう(もちろんこれは点数状況判断というひとつの技術に関しての話ですから実際の成績は牌効率や押し引きなどそのほかの能力にも左右されます)。

南3局に考えるべきこと

南3局になったら、まずは全員の点数を確認しましょう。その中で「このままいくと自分が何位になりそうか、ここから何位を目指すべきか」を考えましょう。

東家 10000
南家 38000
西家 35000(自分)
北家 13000

例えばこんな点数だった場合、自分とトップ目(南家)の点差はわずかですから目指すは当然トップです。一方で下二人とはそれなりの点差が離れているので放銃さえしなければ逆連帯(3位以下)になることは少なさそうです。

もちろん実際の押し引きは手牌次第にはなりますが、この時点で「南3局と南4局のどっちかでアガればトップになれそうだから、東家や北家の攻撃に対して無理をする必要は無いな(無理をしてしまうと3位以下になるかも)」といった方針を立てることができます。逆に南家に満貫以上をアガられてしまうと結構厳しい点差になってしまうので、南家のリーチに対しては通常よりも少しだけ押し寄りの判断でも良いでしょう。

また、この方針というのはルールによっても変わってきます。

東家 10000
南家 33000
西家 26000(自分)
北家 31000

例えばこんな点数状況だったとしましょう。

これがMリーグルール(順位点が1位から+50-+10-△10-△30)であれば、「満貫以上をアガってトップ、それが無理でもせめて2位になろう」と考える場面です。

一方で天鳳ルール(三段配分だとして順位点は1位から+60-+15-0-△75)や雀魂ルール(天鳳とだいたい同じ)の場合はどうでしょうか。これらのルールは3着ならチャラで、4位だけが大きくマイナスするルールなので出来る限りラスを取らないことが大切になります。

もちろん2位以上にならなければポイントが増えるわけではないので、当然手牌が良ければアガってトップを狙いたいところではありますが、それと同じくらい「ラス目の親を流して3位以上を確保しよう」という思考も重要となります。

親がある限りはどんな点差でも逆転の可能性がありますし、そもそもここでラス目の親に4000オール(満貫)をツモられると一気に自分と点数が並んでしまいます。

それならば1000点でも良いからアガって、ラスは東家に押し付けた上で「オーラス良い配牌とツモならトップになれるかも」という抽選を受ける方が成績が安定します。

リーチ判断や牌効率、基本的な押し引きなどを勉強しているのに天鳳や雀魂の段位が上がらない人はこのような思考が欠けている可能性があるのでぜひ意識してみてください。

牌譜検討の際に「この点数ではどのような方針で臨むべきだったのだろう」と考えるのも有効です。

ただ、ひとつ注意してほしいこととして、このように方針を立てたところで最終的な押し引きや手作りは手牌次第であるということです。親を流したい、と思ったところで手牌がバラバラならおとなしくオリるしかありませんし、逆にタンピンドラ2の3メンチャンテンパイ、となったら危険を冒してでもトップを取りに行くのが正解となります。

ということで具体的な選択については例題を見ていきましょう。

問題1 

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