都内のゲーム系専門学校へ入学した話。~オープンキャパス編~

画像1

今から十数年ほど前、都内にある日本工学院専門学校(蒲田校)へ入学した。

日本工学院専門学校は創設70年以上、卒業生約22万人輩出の実績を誇る総合専門学校。ゲーム以外にも色んな学科があり、様々な分野の学生が1つのキャンパスに集まっていた。人が多いので他の専門学校と比べても校舎が無駄にデカくて広いのが特徴。

ゲーム系の学校の話はよく話題に上がるし実際どんな事を学ぶのかなど訊かれることも多いので記憶の整理も兼ねて書き残そうと思う。

自分は面白い文章を書くセンスは無いので読み物として面白いものをあまり期待しないでほしい。
あくまで雰囲気を知る参考程度に。。。

ちなみに専門学校には学生として3年、補助教員として2年、計5年間、割と長く在籍していた。
5年間もあった事を1つの記事にはまとめられないので分割して書く。

今回は入学前のオープンキャンパス編


■オープンキャンパスへ行こう

2004年秋の某日、入学を検討していた日本工学院専門学校(長いので以下工学院)のオープンキャンパスへ行った。
当時高校3年生だった自分はゲームが大好きで(今でもそうだが)逆にそれ以外のことがしたくなかったので進学先はゲームの専門学校、その後の就職もゲーム会社に入ると決めていた。

工学院に限らず多くの専門学校はオープンキャンパスと称して説明会や見学会など行っているので入学を希望している人は面倒くさがらずに参加したほうが良い。ネットでも情報は得られるが、実際に行ったほうが雰囲気も掴める。

ちなみに工学院の最寄り駅はJR蒲田だが、それとは別に京急蒲田という駅がある。京急蒲田駅からJR蒲田駅へは同じ名前とは思えないほど距離があるので勘違いすると大変な目に遭う。(経験済み)


■ゲーム業界に入れるのは全体の1割

少し道に迷ったがどうにか工学院に到着してオープンキャンパスに参加。
午前中は実習室に案内されて学科の先生から学校全体の簡単な紹介と、学科についての詳細な説明を受けた。
自分以外にも他に5~6人くらい参加者が居たと思う。

全ての内容を詳細には憶えていないが、ゲーム学科の授業カリキュラムとか年間スケジュールとかその辺りの話を延々としていた気がする。
ゲーム学科という名前だが実際の授業はプログラミング学習がメインで、グラフィックや企画の授業はオマケ程度らしい。(グラフィックを専門的に学びたい場合はCGコースというまた別の学科がある)

はっきりと憶えているのが就職率の話。

ゲーム会社に就職出来る学生の割合は、毎年大体クラス全体の1割程度です

とサラッと言われた。

え?1割?クラスに30人いてもゲーム業界に入れるのは3人!?

先生が言うには

「ゲーム業界は求められる技術のハードルが高い上に門戸が狭く、必死に勉強して就職活動しないとなかなか入れない」「たまに他の学校でゲーム業界への就職率90%以上などと謳っているところがあるが、それは様々なやり方で数字を誤魔化して高く見せているだけ」「実際は他の学校も(就職率は)ウチと大体一緒。ゲーム業界への就職はそんなに甘くない」「ゲーム会社に入れなくてもプログラミングの技術は他業種にも活かせるので大半の学生はゲーム以外のIT企業などに就職する」

とのこと。そっかぁ……

現実を知って良い感じに室内の空気が冷えたところで午前の部は終わり。


■第一志望の会社に落ちてから本当の就職活動が始まる

午後は違う実習室に移り、実際にプログラミングをしてゲーム制作を行う体験授業だった。と言っても見本のソースコードが既に用意されており、その通りにただ打ち込んでビルドすればゲームが完成するので素人でも出来る。
よくよく考えたらこれが自分にとって人生初めてのプログラミング体験(確かC言語)であったが、それを楽しいとか、難しいとか、当時の自分がどう感じていたのかはイマイチ思い出せない。

思い出せるのは体験授業が終わってオープンキャンパスの最後、在学生がこれから入学を考えている人に向けて語ってくれた話の内容。とあるゲーム会社から既に内定を貰っているという卒業期の学生の話は今でも憶えている。

「もし皆さんが来年の4月からこの学校に入学することになったとして、早ければその半年後にはもう就職活動を始めなければなりません」
就職するため皆頑張るわけですが、ほとんどの人は第一志望の会社から内定を貰うことは出来ません。そして、本当の就職活動はそこから始まると思ってください
「憧れていた第一志望のゲーム会社に落ちたことで意気消沈し、能力はあるのに就職活動する気力が無くなり機会を逃す人がたくさん居ます」
「そこで腐らずに粘り強く就職活動を続けられた人が別のゲーム会社から内定を貰ったりしています」
特定の企業に入るのを目標にするのではなくゲーム業界という大きな枠組みの中に入るのを目指すつもりで、入学を考えて下さい。

……

この学生、いや後の先輩はその日たまたま実習室で作業をしていてせっかくだからということでこの話をしてくれたらしい。今にして思えばかなり大事な話だったと思う。
が、まだ高校生で就職活動というものがピンと来ていなかった自分は「厳しいこと言うなぁ」くらいに思って聞いていた。

この先輩の言う「本当の就職活動」を後に嫌と言うほど経験することになるとはこの時は微塵も思っていなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?