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「フードスコーレの文化祭」にお越しいただいたみなさん、ありがとうございました。

小田原で行われた「フードスコーレの文化祭」。天気は晴れ、少し肌寒いけれど心地よい朝。これから始まることに「いいことが起きる気しかしないぞ」と勝手に思っていました。胸の中ではわくわくがとまりませんでした。初めての小田原での開催、緊張もありながら、それ以上に「やり遂げるぞ!」という気持ちが大きかったんです。

会場に着くと、もう準備でバタバタ。でも、みんなが黙々と働きながら、ふと目が合えば笑顔を交わしているのが見えました。「これ、大丈夫だな」って、その時点で確信しました。困ったときに声を掛け合い、何気ないやり取りで笑顔が絶えない。まるで長年一緒にやってきたかのような、あの雰囲気がとても心地よかったです。文化祭の一番大事な部分を感じた瞬間でした。

小田原での開催は初めて。それなのに、11時に開場した瞬間から、人が次々と入ってきてくれる。ありがたいことに、すぐに会場が賑やかになり、会場内はあちらこちらで言葉が飛び交う。出店者も、スタッフも、「はじめまして」の人が多いんだけど、最初からそんな感じがしない。誰かが何か面白いことをしている。見ているだけで「ああ、こういう場が持てたんだな」って思えました。

honshokuの料理チーム「おせっかい食堂」の大塚佑子さんと木幡雪絵さんがつくり出す「フードスコーレ定食」の数々。包丁の音とか、湯気とか、揚げ物の音とか、そこで生まれる音や香りが、文化祭の心臓みたいに、ずっと心地よいリズムを刻んでいました。厨房の賑やかさが、バタバタと忙しくしているスタッフたちを癒してくれる。そんな感じでした。定食を食べた人たちが、次々に「おいしい」「感動した」と口にしてくれる。しかも「絶句してた人がいました!」って、あるスタッフが教えてくれて、そんな定食、つくりたいと思ってもつくれないよねー。これはうれしかったな。

定食でつかったお米は「志村米穀店」さん、鮮魚は対馬の銭本慧さん(フラットアワー)に協力いただきました。

会場の入り口には、小田原の「はれやか農園」さん、「太田農園」さん、「n!ce cream」さんが笑顔で並んでいました。レモン、キウイ、大根、ナス、そしてとうもろこし/かぼちゃ/小豆を使ったアイス。それぞれが「これが私たちの想いです」と声をかけてくれているような風景でした。その隣では、「鰹節タイコウ」さんがかつお節や昆布を並べ、「ぬま田海苔」さんの有明海産の海苔、「鶴頸種苗流通プロモーション」さんの伝統野菜の種、「Bocchi」のピーナッツペーストもあって。どれも個性的で食の未来を感じさせるものばかり。

鶏の解体やきききなこのワークショップ、鰹節削り体験などの体験ワークショップも盛り上がっていました。ワークショップは、食の世界の細部を覗き見しているような時間でしたね。参加されたみなさんが真剣で、それぞれに「食の本質」を感じ取っている。どこか楽しそうに、そして不思議そうに手や目が動いていくのが印象的でした。食って、こうやって誰かと一緒に「感じる」ことが大事なんだなと。

トークイベントは、「山フーズ」の小桧山聡子さん、「Yellowpage」の渥美まいこさん、そして平井の3人が「食の余談」をテーマに語り合う90分でした。知識以上に「食の面白さ」を感じてもらえる内容だったと思います。それぞれ違う角度から食を見ている。でも、どこかで同じところに立っている。「これ、余談なんですけど」と、脱線していく話。でも、そこにこそ「食の面白さ」が詰まってる。役に立つかどうかなんて気にしない。それでいいんじゃないでしょうか。「ああ、これ、楽しいな」って思える時間があれば、それだけで。食の本質的な魅力そのものでした。あれ、実は3人で事前の打ち合わせほとんどしていなかったんです。なのにあんなに話が尽きなくなるとは。

文化祭を終えて思ったことは、「もっとやりたい」。次はもっと深く、もっと面白く。昨日の文化祭を通じて、たくさんの可能性や希望を感じることができました。この文化祭で僕たちは確かに、食の中にある「余談」を見つけたんです。本筋じゃないけど、何よりも大事な部分かもしれない。

来場いただいたみなさん、この日を支えてくれたみなさん、本当にありがとうございました。また、ぜひ次回も一緒に何かをつくり上げたいです。次回はさらに充実した内容で、より多くの方々と食の面白さを共有したいと思います。

また会いましょう。もっと面白い余談を持って。


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