スペイン巡礼の旅⑦ 2018.5.26

パンプローナ〜プエンテ·ラ·レイナ 23.5km

起きて外を見ると、黄色い街頭に照らされた道は雨に濡れている。

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ちょっと気が重くなる感じ。
でも、そんな事は言ってられない、ただ、進むだけ!
7時前に宿を出て、まだ、人が動き出していない町を、巡礼の標識を探しながら歩いて、街を出る。
大きな町は、標識が分かりにくい。

次の町で灯りがついているバルを見つけ、朝食をとる。
巡礼者で賑わっている。
暖かいコーヒーに、ホッとした。

麦畑がどこまでも続くなだらかにうねった道を歩いていると、雨が降ってきて、それがだんだん酷くなってきた。

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ちょうど、村の教会があったので、そこで雨宿りをさせてもらう。
私達がいると、次々と、雨に濡れた巡礼者が入ってきて、直ぐにいっぱいになった。

雨が小降りになったので、また、歩くことにして、教会には、お礼に寄付を置いてきた。

だんだん登りの山道になって着いた所がペルドン峠という、ガイドブックなどでよく見た巡礼者のモニュメントがたくさん並んでいる所だった。
こういう所でポーズを取るのか恥ずかしい自意識過剰の私は、そそくさと写真を取ってもらって、場所を離れた。
帰ってきて、自分の思い出のために絵を書いてみようと思って、自己流で初めて書いたのがこの絵。

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下手でも何でも、ただ描いてみようと思って、好きな写真、気になったものなどから、少しずつ描きためた。
こんなふうにnoteを始めるなんて、人に見せるなんて、思ってもいなかった。
生きてたら、おもしろいことが起こっていくのだね!
主人は、こんな私をどこから見てるのかなぁ???

下りは結構急な、がらがらの道。
マリア様の像があるベンチで休んでいるとき、
雨具を着て、傘をさして、ストックをついて歩くのはあまり意味がないなぁと思い、
せっかく持ってきた折りたたみ傘だけど、荷物を軽くするために、思いきって、ゴミ箱に捨てた。

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こんな教会も見て。

余談になるが、
友人から
“私、あなたに秘密にしていることがあるの”
と言われ、なに???と聞いたところ、
シャンプーと、拭き取り用のウエットティシュと、余分と思える下着を捨てたとのこと。
すごくしっかりしている私のお師匠さんなのに、その言い方が可愛くて!!!
えっ?!それなら私も!と、シャンプーを捨てて、顔も身体も衣類も全部、それからは石けん1個で全部済ませた。 
彼女は、洗濯用の粉石鹸を持ってきていて、それは捨てていなかったので、時々、もらった。
歩いていると、荷物の重さがこたえるので、少しでも、軽くと書いてあった意味がよくわかる。

雨も止んで、ウテルガと言う街のバルで、Tさんとあい、ゆっくり休んで、町というか、村というかのいくつかの集楽を通り、プエンテ・ラ・レイナに着いた。
歴史のあるのが良くわかるような雰囲気のある町で、真っ直ぐな道の突き当りに橋がかかっている。

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早く着いた友人が待っていてくれた。
インフォメーションで、街の中の宿は、満員ということで、町外れの丘のうえにあるアルベルゲを、教えてもらった。

来るときに、電車の中で知り合ったアイルランドの二人連れの女の子達と橋の上で出会った。
そばには、前に一緒にいた男の子もいた。
二人は、明日、国に帰るという。
また、今度、続きを歩くつもりだと。
もう、会うことはないんだろうなぁと思いながら、またね!と別れた。

丘の上のアルベルゲは、スッキリ、サッパリした体育館みたいな所で、食べに行くにも、買い物に行くにも遠いので、メニューを頼んだ。

庭は広くのびのびしていて気持ちがいい。
ベンチに、座っていると、隣のベンチに来たご夫婦連れの、ご主人が、奥さんの足の手入れをしてあげている。
外反母趾が、ひどくて大変なんだと話しかけてきた。
どこから来た?私は日本から。俺たちはスペインだよ。
この時、お互いに言葉は通じないけど、足を見せて、一生懸命話しているのを聞いていると、手術もしたらしい。こうしていつも、奥さんの足の手入れをしてあげているらしいことなど、分かった。
この足でどこまで歩くのかな?と思ったけど、それは、余計なこと。
元気で頑張ってね!と、言ってベンチをたった。

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洗濯物を干して、奥に見えるベンチに座っていた。

二段ベッドが4つくらい並んでいるのを一区画として、それが通路の両側に整然としつらえてある。

二段ベッドの上の男性は、一人旅のアメリカ人。
日本の女の子が、お母さんの家にホームステイをしていたことがあると言っていた。
今日の宿と同じでスッキリ、サッパリした人。
二段ベッドの上に知らない男の人が寝るなんて、今までの生活では、考えられなかったなぁと思いながら、眠りについた。

ありがたいことに、まだ、靴ずれもなく、元気で一日が終わった。










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