見出し画像

たくあんを漬ける

2年前からたくあんを作っている。
その前の年に東京から遊びに来た友人が、ワークショップで初めて作ったんだと持ってきてくれて
それがとても美味しくて、自分でも作れるならと思ってやってみた。

はじめの年は、3本の大根を干すところからやってみた。
一本は干している間に何者かにかじられていたので
漬けたのは2本だけ。
米ぬかと塩と干したミカンの皮と唐辛子。
これを混ぜて、干した大根と一緒に漬ける。
けっこう美味しくできたので、この冬は、5本の大根を干すところからやってみた。

私はけっこうずぼらで、大根を干すと、干しすぎというぐらい放っておいてしまう。
漬けるのも、だいぶ長めにつけてしまう。
もう少しこまめに見てあげたりできたらいいのだろうけど。。。

今回のたくあんは、
水があがりきっていなくて、漬かっていない上の3本はカビが出てしまった。
水にしっかり漬かっていた下の2本だけは、なんとか無事そうだったので、
食べてみると美味しくできていた。
カビてしまった3本が悔しいけれど、
もう少し早めに見てあげて、重石を重くしたりと手を加えてあげれば、避けれたのかもしれない。
それか、少し漬ける時期が早すぎたのか、置いておく場所が温かすぎたのか、というのもあるかもしれない。

もう一度、作ってみようかと思うけれど、思いながらも日が過ぎていってしまう。

たくあんと言えば、
小さい頃はおばあちゃんっ子で、
いつも畑仕事の合間に、「茶いっぺー(お茶を一杯いかが?)」と隣のおじさんから声がかかり
その家の縁側で、お茶とたくあんが出されて、ポリポリと食べていたのを思い出す。
小さかった私は、たくあんの皮をぐるりと歯で剥いて食べたあとに、真ん中の柔らかいところを食べるというのを
しょっちゅうやっていた。
と書いて読み返している間に、思い出したけれど、おばあちゃんもそうしていたような気がする。
きっとそれは、歯が悪くて、固いものが噛めなくてそうしていたのかもしれない。
そしてわたしはそれを真似していたのだろう。

たくあんは、漬けるのは難しいと思っていたけれど、
やってみると、身近な材料で、こんなに簡単にできてしまうんだと驚いてしまう。

必要なのは、こまめに見てあげること。
大根を干すときの天候とか、夜にはきちんと中に入れてあげるとか
いつごろ漬けるか頃合いを見ること、漬けたあとも、うまく漬かっているか見てあげること。
目をかけて、手をかけてあげることで美味しいたくあんができていくんだろうと思う。
そして何年も繰り返しやっていくなかで、わたしの味とというものができていくのだろう。

一年に一度のチャンスしかないと思うと、もっと大事に丁寧にやっていきたいと思い返す。

そして、またおばあちゃんを思い出す。
冬の寒い中、畑からとって干してあったたくさんの高菜の葉に塩をふり両手で揉み混んでいく姿。
慣れた手つきでなされていくその手作業の映像が、今でも鮮明に残っている。