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パーキンソン病患者のブルース① ブルース・テーマパーク

ウェカップ・ディス・モーニン♪

朝、目が覚めても、すぐに目が開かなくなった。パーキンソン病は筋肉が衰える病気ではない。しかし、神経の伝達機能が阻害され、次第に動きずらくなるため、運動量が減って筋肉が衰える。だから、手足とか摂食機能とかいった、意識して動かせる部分については、ある程度までリハビリで維持できる。動かなくなるのはリハビリをさぼった本人の責任でもあろう。しかし、無意識のうちに何度も動かしている瞼のような機能は、どうやって維持すればいいのか。リハビリはあるにしても、それで十分な量をこなせるのか。

ウェカップ・ディス・モーニン♪

意識は戻っているのに、目が開かない時の恐怖は、地味だが嫌なものだ。毎朝のことだから、慣れっこなのだけれど、だからといって、歓迎できるわけでもない。同時に体も動かなくなっているので、自分が起床前のルーティーンにいるのか、今後、死ぬまで続く闇と無動のなかにいるのか、九割方前者だと思いながらも、腹の底では確信が持てない。ああ、これがブルースなのか。ブルースの世界を体感したいと望んでいたんで、十字路のあいつレグバがかなえてくれたんだな。

ウェカップ・ディス・モーニン♪

パーキンソン病の悪魔が、礼儀正しくドアをノックする。「やあ、悪魔くん、出かける時間だな」ところで、今日の行先はどっちだい?何とか薄目を空けて、ベッドの下に置いてある薬をまさぐる。「デス・レター」でベッドの下の靴をまさぐるサン・ハウスみたいだな。でも、もう十分だよ、このブルース・テーマパークは!

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