後付ける日々
● アイスのブレイク
『生まれて来た意味は、後付でも素晴らしい』
高橋優さんがそんな素敵な唄を奏でていた気がする
拓陽さんは生まれて来た意味どころか
全ライフイベント、
ふと浮かぶ全思考、
とにかく意識というものがキャッチ出来た全てのものに、意味を後から付けにいくことにハマっている
それはそれは自分にとって都合の良いように
我が心が思うままに、意味を無理矢理に後付けしていく
偶発的に起きたかもしれない、イベント君からすると
こんな意味づけハラスメント、不快で極まりないかもしれない
けど
この世は全てが必然で
時間軸が未来から流れているとという考えを
選択して生きてみている拓陽にとっては
未来さんが事象を通して、ささやくように教えてくれる「意味」に
耳を傾けて言語化してみているという、冤罪中の冤罪
それでは。どどん!
【会いたい人と巡り合わせるイベント】
14時のイベントに行くと決める⇒入場し空いてるスペースに座る⇒隣に会いたかった人
9:00
拓「行くの、、、面倒だな」
昨日に続けて開催されるイベントに、行くかどうか迷っていた
昨日あるブースで丁寧に説明してくれた学生が何か気になっていた
拓「彼と繋がっておきたいな…」
そんな中、賢い左脳がいかなくても良い理由をどんどん放り込んでくる
「風邪引いてるんだから、ゆっくり治しな」
「携帯とお布団買う方を優先しなさい」
「君に大事なのはインプットよりアウトプットだよ馬鹿なの」
浮かんで消えるいろんな観念を観察していた
11:25
葛藤の末、結局自分を動かしたのは空腹感だった
家から出て2分程でプチイベント発生
”携帯を忘れたことに気づく”
遡ること2週間前、私が半年連れ添った携帯は宮古島の美しい海に溺れた
救出後すぐに水で洗い流して乾かしたが、彼が再び光を取り戻すことはなかった
スマホが潰れたイベントへの後付けはまたやるとして
迷った
取りに帰るべきかどうか
この2分を戻るという行為は本当に面倒臭い
どれくらい面倒かというと、一切思いつかない
とにかく迷った
が取りに帰ることにした
家について気づく
・持ち歩かないと行けないポケットwifi
・ロールアップした足首から出るインナーのぱっち
・持っていこうと冷蔵庫から出したまんまのお茶
【家で諸々整えるため】
忘れた携帯を取りに帰っただけのことに、そんな意味を後付けした
13:56 KO大学のイベント会場に僕はいた
いかなくても良い理由を数え切れない程投げてくる左脳との死闘の結果
お目当てのピッチトーク4分前に会場入りすることに成功した
そこでは、前の登壇者が話を終えようとしているところで
終了と同時に暗転していた会場が明るくなり、観客が少し立ち上がった
わずかに空いたスペースをめがけて、歩き出した私
何故か近くのスペースではなく、対角線上に歩を進める私
ここかなと思った場所にご夫婦が滑り込んだ
その場を通り過ぎて、ちょうど一人分あいた場所に腰を掛けて
かばんを降ろした………あっ!
隣には昨日会った学生の彼がいた
拓「昨日はありがとうございました」
A「いえいえ、こちらこそ」
リュックの中身を広げながら、頭の中で繰り返された
拓(これは声を掛けないと。なんと声掛け、「ご飯でもどうですか」かな)
拓「良かったらご飯でもどうですか」
A「あ、今丁度食べちゃったんですよ…」
拓「あ、今日とは別に、誘うので…よかったら」
A「あ、もちろんです!」
拓「じゃあフェイスブックで……」
今後彼とどうなっていくのかは分からない
ただ、
迷って行くことを決めた
↓
なんとなく吸い込まれて座った
↓
隣に、ずっと気になっていた人がいた
という一連を後から都合よく意味づけすると面白い
【行くべき場所に連れて行ってくれるゴミ】
ペットボトルを拾う⇒ゴミ箱を探しながら歩く⇒焼き肉屋さんで素敵な思ひ出
11:40 渋谷警察署の付近を歩いていた
直前に食べた温かいそばと、風邪っぴきが相まって
私の鼻水は踊り狂っていた
ふと目に映ったものを感じながらその場を通り過ぎた
5歩ほど進んだ後で引き返して
目に映ったそれを拾い上げた
それはゴミ
紅茶花伝とプリントされた、空のペットボトルという
正真正銘のゴミ
私はたまにゴミを拾って然るべき場所に捨てる
それが良い行いかどうかはどっちでもよくて
何か気になる瞬間は拾って捨てるという行為があるだけ
ただ
沖縄に滞在中
気になって気になって、
拾って拾って
気づけば両手に抱えた空き缶とペットボトル
ようやく見つけたゴミ箱の隣に、お目当ての古本屋さん
なんていうハレンチな体験をしている私は
Googleマップならぬ、ゴミマップによって
その捨て先=自分が行くべき場所として
歩くことがある
昨日もそうだった。
ポッケに入れた誰が飲んで捨てたかも知らない紅茶花伝を転がしながら
ゴミ箱を探した
12:54 家電量販店で携帯を見ながら思った
拓(ここにゴミ箱が無いということは、多分ここで自分がほしい携帯電話には巡り合わないんだろうな)
4店舗程周って真剣に検討したし、店員さんに話も聞いた
でも結局荷物は、新品の携帯電話ではなくて、ポッケのゴミのままだった
19:32 彼女の手を引き、焼き肉やさんに向かっていた
ポッケにはまだ紅茶花伝が揺れていた
真剣にゴミ箱だけを探していたら見つかっただろう
でも自分の中でのポイントは
なんとなーく探すこと
気のままに探すこと
ふらーっと探して、目に映って、ゴミ箱だと認識して、捨てるゴミを持っていることを意識して…っていう流れが繋がったときが多分それ
知らんけど。
最初に新宿で電話した焼き肉やさんは一杯だった
ふと浮かんだ代々木の焼き肉やさんに向かって
イルミネーションの中を歩いて、歩いて、歩いて
左のポッケに彼女の手、右のポッケに他人のゴミという
対局の物体を抱えながら、歩いた、歩いた、歩いた
ようやく着いた焼肉屋さんに腰掛けたとき
拓(あ……)
何かに気づいた拓陽
3回目の訪問であったその焼肉屋さん
前の訪問時、会社の同期Bくんは飲み干したペットボトルを持っていた
おしぼりを運んでくれた店員さんに開口一番
B「すいません、これ捨ててもらうことは出来ますか」
店員「はい、大丈夫ですよ」
拓 (あ……)
その情景が浮かんですぐに、都合よく後付けた
【この紅茶花伝が連れてきたかった場所は、ここやな】
新宿で電話した落ち着いた雰囲気の焼肉屋さんと違って、わいわいがやがや騒がしい店内ではひと目をはばからずに大きな声で話が出来た
お酒の力も借りながら、普段話さないこと、話さない方が良いかなと感じることをたくさん話して、とても温かく満たされた、恐らくお互いに
ポッケから”本日のマップ”を取り出して言う
拓「すいません、これ捨ててもらうことはできますか」
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