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B型と言われればB型に見える

最近は血液型診断みたいなのは、流行らないのか浸透しすぎたのか分かりませんが、あまり聞くことも無くなりました。

それでも飲み会をやっていると血液型の話になることがあります。女性がB型だと言うと「やっぱり!」と言われますし、男性がAB型だと言えば「だと思った!」と言われます。

なぜ当たるかと言うと、全ての人間がA型B型O型AB型の側面を持っているからです。だから必ず当たるんです。「そんな野暮なことを言うなよ!飲み会が盛り上がるからいいじゃないか!」と言われれば「ですよね〜w」と返すところでもありますが。

これと同じ現象をニュースでも見ることがあります。重大な犯罪を犯してしまった人の昔の同級生に話を聞きに行くと「何となく怪しいところがありました。」とか「将来、犯罪者になる気がしてました。」とか「意味不明な言葉を聞いたことがあります。」とか言うんです。

これは答えを先に知らせて問題を作らせるようなものなので、そういう言葉が出てくるのは仕方がないんです。事件の事を知らせずにその犯人の事を聞けば、全く違った言葉が出て来るはずですから。

これは簡単な実験で実感することが出来ます。自分の身近にいる真面目な人や誠実な人や正義感のある人を思い浮かべ、その人が人を殺してしまったと仮定して見るんです。そうするとその人がいかにも殺人をしそうな人に見えてきますから。

私をその対象にした場合、「作る作品がヤバいと思ってました。」とか「ニコニコしてるけど本当は何考えてるか分からない人でした。」とか「怒らない人だと思ってたけど怒りを溜めてたんですね。」とか言われるでんしょう。今まで作った作品をニュースで取り上げられて、「サイコパスに特徴的な表現が見受けられる。」とか言われるんでしょう。

身近にいるその真面目な人が詐欺事件を起こしたなら、いかにも詐欺をやりそうな風に見えますし、その人が痴漢で捕まったなら、いかにも痴漢をやりそうな風に見えるんです。これって悪い方がそう思いやすいんですよね。悪事って努力がいらないから「やっぱり…」と思いやすいんだと思います。

仮に身近にいるパッとしない人を思い浮かべて、その人がノーベル賞を取ったとか、アカデミー賞を取ったとか、メジャーリーガーになったとか想像しても、そこに行き着くには大変な道のりがあると知ってるから瞬時に「有り得ない」と分かります。想像すら出来ません。

血液型診断も犯罪のニュースも、他者に対してそう見てしまうという例なんですけど、SNSではそれを自分に当てはめてしまう事があると思います。

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