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映画『SHELL and JOINT』がイメフォで!

2022年1月22日(土)から、東京渋谷のシアター・イメージフォーラムにて『SHELL and JOINT』の上映が始まります。

『SHELL and JOINT』は、最初の緊急事態宣言の影響をモロに受けました。上映直前の告知イベントなどの多くが無くなり、舞台挨拶も禁止になり、2週間の予定だった上映も1週間で打ち切りになりました。打ち切りというか、映画館自体が都からの要請で閉まってしまったんです。そこからは皆さんも体験したように、自主的ロックダウンみたいな状態になりましたので、上映を再開するどころの話ではなくなりました。

厳格な外出自粛が終わると、地方のいくつかの映画館では上映してもらうこともありました。そして、この奇妙な映画を観てくれた方々もチラホラいました。劇場公開初日から1年半以上経ち、もはや万策尽きたかと思っていた矢先、イメージフォーラムさんで上映して頂けることになったんです。

これも面白いご縁がありました。ちょっと話しが長くなりますが書いておきます。まず最初に、今年のベネチア国際映画祭で『かの山』が上映された山下つぼみ監督から私のところに連絡が来まして、ベネチア国際映画祭の様子などについて話を聞きたいとのことでした。ちなみに、山下さんを私に紹介してくれたのが、川喜多記念映画文化財団の坂野さんでした。そして、山下さんにも『SHELL and JOINT』のリンクを送って観てもらったりしていました。そんな時、『SHELL and JOINT』のプロデューサーである勝俣さんが女性ディレクターを探しているとのことで、私が山下さんを紹介したんです。それで勝俣さんと山下さんが仕事をすることになりました。そこで『SHELL and JOINT』の話にもなり、なんとイメージフォーラムの山下さんが監督の山下さんのお兄さんという縁もあり、配給のギグリーボックスさん経由で、『SHELL and JOINT』を見てもらう事になったんです。ちなみに、イメージフォーラムの山下さんには昔から大変お世話になっていて、まさかご兄妹だとは思わずビックリしました。イメージフォーラムの山下さんには『SHELL and JOINT』を気に入って頂きまして、上映が決まったという流れなんです。この「パス回し」のどこかが切れていても、今回の上映は無かったはずなんです。あらためて、人の縁って大事なんだなと思い知りました。ちなにに、私はまだ山下監督と直接会ったことが無いのです!

そして、我々「アート好き」からしてみれば、自分の作品がイメージフォーラムで公開されるなんて事は事件でもあります。大学生の頃の自分に言ってあげたいぐらいです。「ブラザーズ・クエイ監督とか、ヤン・シュヴァンクマイエル監督が上映されてる映画館で、将来お前の作品も上映されるんだぞ。」と。大学生の頃の私は、映画とは無縁だったので、本当に人生はどうなるか分からないものです。ちなみに、大学生の頃の私は、現代アートと広告が大好きで、グラフィックデザイナーになろうとしていました。どちらかというと、映画のポスターを作る側になりたかったんです。

さらに言うと、私はかつて『TEXTISM』という作品で、イメージフォーラムフェスティバルの大賞をもらっているので、イメージフォーラムさんとの縁は深かったとも言えるのです。何なら私は、実験映画出身とも言えますから。出身というか、今でも、ですが。

今回、上映が始まったら、上映後の舞台挨拶や出演者やスタッフなども含めた簡単なトークショーみたいなのも考えています。前回は舞台挨拶もトークショーも出来ず、さらにキャストの人たちも「観に来て下さい」とも言えない状況で、とても辛い上映でしたが、今度こそ普通に上映が出来るんじゃないかと思っております。オミクロン株、マジで広がらないで欲しいです。私も出来るだけ舞台挨拶やトークショーなどに参加して行きたいと思ってますが、うちのプロデューサー陣は厳しいので、「監督じゃ客呼べないから、他に誰かいませんかね?」と言われるのは必至でしょう。おい。

せっかく東京で上映されるので、一般のお客さんだけではなく、いろんな役者さんにも見て欲しいと思います。変わった作品を作る監督がいるもんだ、と頭の隅に置いておいてもらえると嬉しいです。そういう作品でも出てもいいよ、という方がいらっしゃったらご連絡下さい。いつも「こんな企画じゃ出てくれないんじゃないか?」と思っていますから。

『SHELL and JOINT』を真っ先に上映してくれた映画祭は、モスクワ国際映画祭でした。代表のキリル・ラズロゴフさんが東京に来た時に見て、大変気に入ってプログラムに入れてくれました。その頃、私たちはカンヌ映画祭を目指していましたが、先にモスクワで選んでもらったので、ワールドプレミアをモスクワ国際映画祭にして、カンヌ映画祭にエントリーするのを辞めました。キリルさんはモスクワでの上映時にも来てくれました。とても優しいおじいさんという感じの方でした。そのキリルさんは、今年の9月に亡くなってしまいました。キリルさんのコメントは、チラシにも入れせさて頂いています。『SHELL and JOINT』にとって、キリルさんは本当に大事な方なんです。

長々と書きましたが、今回の上映が最後になるかも知れませんので、「奇祭」に行くような感じで見に来て頂けたらと思います。それではよろしくお願いいたします。

一番左にいるのがキリルさん



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