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noteを読んでますとよく言われます

私のnoteがどんな属性の方に読まれているのかあまり分からないのですが、映画関連のイベントに行くたびに数人の方から「いつもnote読んでます」と言って頂きます。しかも、わざわざ直々にご挨拶をしに来てくれるのです。だから、映画関係の方々に読んで頂いている事が分かります。

にも関わらず、私のnoteは映画のことがあまり書かれていません。だから本当に申し訳ない気持ちになるのです。私は職業として映画監督をやっている訳でもありませんし、日本映画界の人間でもないので、あんまり分かった風な事を書けないなとも思っているんです。

いやしかし!

そんなに引っ込み思案ではイカン!おじさんは謙虚をTPOに合わせて使い分けなければイカン!と思いまして、久しぶりに映画について書いてみようと思います。

私のnoteを読んでいる方々は、私の映画批評などあまり興味はなく、どうやったら映画祭に行けるんだろう?と思って読んでいると思われます。これまで映画祭へのエントリーの仕方や、私が独自にやっている短編映画の作り方については、noteにまとめてますのでそちらを読んで頂けたらと思います。

よく「カンヌに行こう!」という合言葉で映画を作り出す話を聞きます。私もよく使う手です。みんなで世界最高峰の映画祭を目指そうということだと思います。カンヌ映画祭が世界最高峰なのかは私にはよく分かりませんが、日本ではカンヌ映画祭と米アカデミー賞ぐらいしかメディアが取り上げてくれないので、活躍してることを知らしめるためには、カンヌ映画祭と米アカデミー賞に選ばれるしかないのです。

もう少し詳しく言うと、メディアがニュースにするのはカンヌ映画祭と米アカデミー賞とベルリン国際映画祭とベネチア国際映画祭ぐらいです。その昔は、モントリオールの映画祭もよくニュースになってましたが、毎年日本映画が何かしらの賞を取るので、界隈からは怪しまれてました。そうこうしているうちに、そのモントリオールの映画祭自体が終わってしまいました。

だから、活躍しているのを知らしめるには世界三大映画祭と呼ばれる、カンヌ、ベルリン、ベネチアと米アカデミー賞に選ばれる必要があるんです。本当は同じように重要な映画祭はたくさんあるんですけどね。でも、メディアの慣習でそれらの映画祭について報道されることはありません。だから、日本の映画製作者はみんな三大映画祭と米アカデミー賞を目指すのです。

いやしかし!

「カンヌに行こう!」はすごく夢があって素晴らしい事ではあるんですが、カンヌ映画祭に選ばれるのは簡単な事ではありません。私が外側から見ていて思うことは、カンヌ映画祭はコンテクストにすごくこだわる映画祭に見えるんです。コンテクストというのは文脈です。カンヌ映画祭に関するコンテクストはいろいろあると思います。

1つ目はカンヌ映画祭の学生部門である「シネフォンダシオン部門」に参加したことがある監督かどうかです。シネフォンダシオン部門に参加したことのある監督の作品は、カンヌが育てたというコンテクストがありますから、より選ばれやすいと思います。とは言え、そのシネフォンファシオン部門に選ばれる事自体のハードルも高いんですけどね。学生の人はシネフォンダシオン部門を命がけで狙っていくといいと思います。

2つ目は巨匠や名匠の弟子であることです。名匠や巨匠の弟子はまさに映画史としてのコンテクストがありますから、世界の映画界にとっても重要です。弟子でなくても、巨匠や名匠が教えている学校を卒業していたり、現場でアシスタントをしていたり、それでも十分にコンテクストになります。カンヌ映画祭で選ばれる若い監督の皆さんを見れば、皆さん何かしらのコンテクストを持ってます。

アートの世界でも同じだと思いますが、評論家が評論する時に手がかりにするのはコンテクストなんです。同じ系譜だったり、誰かの弟子だったり、血縁だったり、友人だったり、恋人だったり。がっちり繋がってなくても、点で接していればそれはコンテクストになります。

映画祭は映画製作者ではなく、基本的にはキュレーター側の人達で構成されています。要するに研究者側の人たちです。だから、その監督や作品のコンテクストがかなり重要になります。映画製作者なら直感でセンスのいい作品とかが分かりますが、キュレーター側の人達はその作品がなぜ重要なのかを言葉にして同僚や映画祭に来る観客に納得してもらう必要があるんです。

以上の2点は、かなりハードルが高いコンテクストになります。ここにアクセスすることが出来る人は少ないと思われます。

いやしかし!

道は閉ざされていないのです。そしてその道は、私のようなコンテクストを持たない人間でも通ることが出来た道なのです。ここから有料パートにする私は極悪人なんですが、書いてることは王道の正面突破の道でもあるんです。

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