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ゆるやかな近況

ここのところ、『SHELL and JOINT』の劇場公開に向けての、チカラの入ったnoteが連続したので、今日は緩やかに書いてみようと思います。

やっぱり今、まず避けて通れない話題としては、ミズカマキリの背中にコイ科の卵が着いていた記事ですかね。概要はこんな感じです。粘着質の卵がミズカマキリの背中に着きます。昆虫であり羽根があるミズカマキリは、別の水場に飛んでいきます。そして、その卵はその水の中で稚魚として孵化して成長します。論文の名前は「Flying carp eggs」

昔から、遠く離れた水場にどうやって魚は移動して行ったんだろうと思っていたんです。人が持ち込むには限界があると思ってまして。この記事を見つけて、なんだかすごく嬉しくなりました。そうなると多分、水鳥の足なんかにも付着して移動してるんでしょうね。いやいやしかし、自然科学は本当に面白いです。

自然科学と言えば、新型コロナウイルスですね。新型と言われるから不安を増大させますけど、こういう時こそ科学の意識が大事だと思います。季節性インフルエンザの状況と比べるとか、誤嚥性肺炎で死ぬ人の数との比較とか、数字によってそんなに怖がる必要が無いことも分かります。リスクゼロを追い求めると、生きている事自体が怖くなります。

とはいえ、出てきたばっかりのウイルスですから、どうなるか分かりませんからね。怖い人が突然現れたと思って話してみたら、実は意外と子煩悩で優しい人だと思ったんだけど、やっぱりいざとなったら怖い人かも知れませんので。

今は、科学と人権と経済のバランスと「何を一番に優先するべきなのか?」のコンセンサスが一番難しいところなんだと思います。極限状態では「自分たちの国民が死なないなら、他国の人が死ぬのは構わない。」という極端な心理になります。もっと小さく言うと「ウチの家族が死なないなら、他の家族が死んでも構わない。」という心理になります。

「どの規模を想定して、何を一番に優先するか?」というのは、本当に難しいと思いますが、今は「科学と人権と経済のバランスの中で、地球上で可能な限り死ぬ人を少なくする。」というところでチカラを合わせるしか無いんだろうと思います。結局、これ以外の選択肢は無いと言いますか。ここが崩れると暴動が起きたり戦争が起きたりするんでしょう。

でも、結局ひとりひとりがやれる事は、手を洗うとか、しっかり食べてしっかり寝るとか、風邪ひいたら人前に行かないとか、マスクをするとか。そして、萎縮せずに前向きに暮らしていく事なんだろうと思います。案外、今日の手洗いが、地球の裏側にいる人の命を救うかも知れませんし、いつもよりビールを1杯多めに飲むことで、経済を回す事になるのかも知れません。(よし!ビール買いに行こう!)

一方で、私は映画や番組なんかを作っていて思うのですが、「理屈」って人を動かさないんですよね。若い頃は「アイデア」で作品を作ってしまうこともよくありました。アイデアって理屈で出来てるから、人の気持ちを動かせないんです。アイデアはあくまでも骨組みで、そこにエモーショナルな肉を付けることで、人の気持ちが動きます。

だから、パニックになってる人に「科学的に考えよう。論理的に考えよう。」と言っても無理なんですよね。理屈や説明じゃ感情が動かない。でもテレビを付けると、新型コロナウイルスに関しての不安を、エモーショナルな手法で視聴者に訴えてるから、みんな理屈ではなく感情で動いてしまいます。不安を煽るBGMで、死んでいった人がどれだけ苦しんだかを伝えます。だから、現実以上に不安が増大します。

そして、人の感情の中で「不安」というのが、一番人を苦しめる気もします。「悪い未来が来るんじゃないか?」というのは、ものすごいストレスです。そして「不安」は「怒り」を産みますね。でも、世界の人々は40年以上前から『スターウォーズ』シリーズを見て来て、不安や怒りが生まれると、ダークサイドに落ちてしまう事を学んでますから、自分が怒りに包まれない様に自制出来るんじゃないかと期待しています。『スターウォーズ』が世界的に大ヒットした恩恵が今こそ来るはずです。

さらに言うと、子供の頃からの自然科学の教育も本当に大事だと思うんです。大人になってからじゃもう無理だと思います。子供の頃から、論理的思考がいかに大事かという刷り込みと言いますか。愛と勇気と友情では乗り越えられない事がいっぱいある事を知った方がいいんです。優しさや思いやりという判断基準では、判断出来ない事がたくさんあることを知った方がいいと思うんです。

いやいや。今は世の中に怒りが渦巻いてますから、あんまり断言調で書くと怒られちゃいますね。この度は読者の皆さまを不快な思いにさせてしまい、大変申し訳ございませんでした。

私は、Twitterが世の中の怒りのバロメーターだと思ってますが、Twitterに怒りをブチまけることで、リアル社会での暴動が起きてないのかも知れないと思うこともあります。そういう意味では、Twitterが緩衝材になっているのかも知れません。そう思って見てみると、荒れているTwitterも悪くないなと思えます。

あ、今回は緩やかにどうでもいい事を書こうと思いましたが、やっぱりどこかでウイルスにやられてますね。脳をやられてますね。ウイルスそのものにではなく、ウイルスに関する情報で。

最後にひと言ですが、感情的に動きやすい国民を戦争に駆り立てるのは、割と簡単なんじゃないかと思います。この先、二度と戦争を起こさないためにも、感情的にならない訓練だと思って、今回の新型コロナウイルスをやり過ごせればいいなと思います。

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