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今年のまとめ

みんな書くであろう「今年はこんな年だった」を書いてみようと思います。

1月

『SHELL and JOINT』の上映を見に、映画祭ツアーをしましたね。ロッテルダム国際映画祭(オランダ)、ヨーテボリ映画祭(スウェーデン)、スラムダンス映画祭(アメリカ)と回りました。日本に帰って来たのが2月の頭でしたけど、帰りの飛行機の中で、湖北省に滞在した人は入国出来ないという通達がありました。

スラムダンス映画祭は、あの有名なサンダンス映画祭と同時期に開催なのですが、サンダンス映画祭ではコロナが蔓延していたと後から知りました。私達はそれを知らなかったので、マスクもせずに人と会い、人が密集するところにもいました。知っていたとしても、今のような警戒感は無かった気がします。

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2月

実は2月には短編映画を撮っているんです。『6 LEGS』というタイトルで、ダッシュの勝俣さんがプロデューサーで、MEGUMIさん、堀部圭亮さん、木村皐誠くんの3人に出演して頂きました。カンヌ映画祭の短編部門では惜しいところまで残ったと、映画祭の方から連絡を頂きました。監督週間も最後まで残ったと連絡を頂きましたけど、映画祭自体が無くなってしまいました。この作品はカンヌ、ベネチア、ベルリン、ロッテルダムに応募しましたが決まりませんでした。主要な映画祭だけを狙うと、あっという間に1年が経ってしまいます。

この作品はポピュリズムをテーマにした、実は政治的なメッセージのある映画でもあるんです。

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3月

3月27日に、『SHELL and JOINT』が、シネマート新宿とシネマート心斎橋で劇場公開されました。3月は劇場公開前の準備で忙しかったですね。広告費をかけてないので、SNSを使って自分たちで告知したり、ポスターやチラシを作ったり。

そして、3月はもうコロナがかなり蔓延してきた時期だったので、観に来てくださいと強く言うことも出来ず、かなり苦しみました。結局、東京都から外出自粛要請が出たので映画館も封鎖され、一週間で上映は終わってしまいました。

その頃の記事を見て驚くのは、まだ東京都の感染者が1日に100人以下だったことです。今は1日に1000人になろうとしていますが、映画館は普通に営業していて、街もワイワイしてます。

私は3月27日を境に家に籠もるようになりましたが、Googleカレンダーを見ると、「体調不良」とか「吐き気がある」とか「腹痛」というメモが書いてありました。メンタルから来るものなのか、ウイルスによるものなのか、今となっては分かりませんけど。

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4月

4月は完全に家に籠もっていましたが、仕事が止まることはありませんでした。私は『しまじろうのわお!』というテレビ番組をレギュラーでやっているので、撮影が無理な企画は、企画の段階からアニメーションに切り替える事が出来たんです。

ゴールデンウィーク明けに緊急事態宣言が解除されるとのことだったので、幼稚園や保育園の子供でも分かるように、新型コロナウイルスの事を教えるコーナーを作りました。かなりスタッフの方々には急いでもらって完成させました。

仕事というよりは、使命感みたいなものがありましたね。「多くの子供達が見てくれている番組だからこそ出来る事は何か?」という話し合いの末に出来たコーナーです。大人にも分かりやすいと好評です。

このコーナーは、3部作になっていて、新型コロナウイルスの事を教えるコーナーと、コロナに感染した人を差別しちゃダメというコーナーと、気持ちが落ち着くように深呼吸しようというコーナーで出来ています。

5月

5月のGoogleカレンダーにも、体調不良のメモがたくさん書いてありました。「微妙に吐き気」「下痢と嘔吐」「喉が痛い」「耳鳴り」。私が思うに、多分メンタルから来る体調不良でしょうね。あるいは、極端に体調に対して過敏になっていたのかも知れません。この頃の自分に言ってあげたいです。「感染者が1000人近くなっても、お前は普通に外で仕事してるぞ。」と。

この頃から、家族で麻雀をするようになりました。毎日家に籠もってつまらなかったからでしょう。中2の息子はすぐに覚えましたが、小4の娘は見様見真似でやってました。本当に、夕食後に毎日やってましたね。

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6月

6月も引き続き家に籠もっていましたが、いろんな仕事も始まり、結構忙しくなってきた時期でもあります。

今年は、仕事でアニメーションをものすごい数作りました。私の仕事は、イラストレーターの方を探して、私が作ったコンテ通りに、アニメーターの方に動かしてもらう仕事です。音楽も作ってもらって、完パケまで持っていく仕事ですね。主に『しまじろうのわお!』のコーナーですが、こどもちゃれんじの教材アニメだったり、ユニ・チャームさんのムーニーちゃんのアニメーションもたくさん作りました。

しまじろうの仕事は未就学児が対象で、ムーニーちゃんの仕事は赤ちゃんが対象です。こんなに子供向けの映像ばかり作っているディレクターが他にいるでしょうか!と声を大にして言いたいです。大にして言ったところであれですけど。

7月

7月は「ぱっぷこーんとnote公演」がありました。本当はリアルな舞台での公演をやるつもりだったんですけど、コロナで無理だなと思い、ネット上での公演に切り替えたんです。

6月から7月17日の公演開始まで、たくさん撮影して編集しました。撮影編集は普段の仕事でもやっているので楽勝なんですが、録音、静音、ミックスは大変でした。そして、撮影で「サンパチ」と言われているマイクを借りたんですが、音の良さに驚いた記憶があります。その頃、常に音に関して神経を尖らせていたから、サンパチマイクの音の良さに気づいたのかも知れません。「音の世界って、入り込んだら沼だな。」とも思いました。

「ぱっぷこーんとnote公演」は今も開催中ですので、ぜひご覧いただけたらと思います。

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8月

8月はずーっとお腹が痛かったですね。もう毎日毎日お腹の調子が悪かったです。毎日、胃薬を飲んで、カロリーメイトやお粥ばかり食べていたら、5kgぐらい痩せました。あまりにもどんどん体重が減っていくのが怖くて、無理やり食べたりもしてました。もうこれはダメだと思って、胃カメラで検査したら何の異常もなくて、「気のせいですね」と言われた次の日に治りました。何の異常もないどころか、割とキレイだったそうです。

「病は気から」と言いますけど、「病は気から」「気は病から」の行ったり来たりなんじゃないかと思いました。一方で、「健康は気から」「気は健康から」の行ったり来たりもあるはずなので、あらためて健康的な生活をしようと思いました。

とはいえ、ステイホームが始まってからウォーキングやら踏み台昇降やら、割と運動はしていて、自分を制御出来ている気はしてるんですが、一つだけ、酒のコントロールが出来ないんですよね。アル中では無いんですけど、夜になるとお酒を飲みたくなるんです。そして、そんなに大した量も飲まないんですけど、毎日飲みたいんです。

毎日しっかり運動して、毎日しっかり勉強して、その上、毎日の酒をコントロールできたら、「いっぱしのつまらない人間」になれるんですけど、そのステージに行くにはもうちょっとかかりそうです。

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9月

9月もよく働いてました。結局、暇すぎて何もやることがないという時期は来ませんでした。暇すぎて、家の掃除もしちゃって、片付けもしちゃって、庭の掃除も終わっちゃった。みたいな話を聞くとちょっと羨ましくも感じますが、仕事があるだけ恵まれていると思わなければなりません。

9月はこぢんまりとした仲間たちと、こぢんまりと二泊三日で伊豆に旅行に行きました。まだ東京がGoToの対象になる前ですね。品川駅から踊り子に乗って伊豆高原まで一本で行けるんです。天気も悪く、ずっとホテルに籠もって酒飲んで喋ってました。

9月は感染者のグラフも右下がりになって来ていて、第三波が来る前の静けさって感じでした。飲み会も再開しましたし。

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10月

10月はさらに忙しくなりましたが、GoToトラベルを使って、息子と河口湖に釣りに行きました。ちょっとした異常気象で、ものすごい寒い日にあたってしまいましたが。本当は夏休みに釣りに行きたかったのですが、8月はまだまだコロナに対する警戒心があったので行けず、ズルズルと10月になってしまったんです。一匹も釣れなかったですが、良い旅行でした。

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10月には、ソニーのデザイナーの方々に対して、リモートの講演会みたいなのをやらせて頂きました。30ページぐらいの資料を作り、私の仕事や作品の紹介から始まり、仕事と作品作りの両立の仕方とか、映画祭についてや、なぜ海外に向けて作品を作るかなどなどを、基本的に90分ぐらいを一人で話し続けるという、私にとっては前代未聞の試みでしたが、喜んでもらえたようで良かったです。

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11月

11月になると、コロナを気にしつつも、それほど気にせずに仕事をする機会が増えました。相変わらず、アニメーションの仕事をしつつ、撮影の仕事も増えてきました。

私は最近はめっきりCMを作ることも減っていたんですが、11月には久しぶりに2本ぐらいCMを作りました。小学館さんのCMに出て頂いた小野花梨さんは、本当に最高な役者さんだなと思います。再生回数もそこそこ伸びて良かったです。

12月

結局、12月もバタバタと忙しく過ぎていきましたね。ロケハンやロケで、いろんな地方にも行きました。そしてここへ来てまた感染者がググっと増えてきました。各国でワクチン接種が始まったタイミングで、変異種が現れたりして。これって映画でよくあるパターンじゃないですか。ホッと一息したかと思いきや、更に悪いことが起こるみたいなやつ。本当に厄介なウイルスです。

まとめ

今年は新型コロナウイルスに振り回された年でしたが、いつも通りの忙しい年でもありました。いまだに床に座って、壁に寄りかかって、ちゃぶ台的なテーブルで仕事してますけど、もうしばらくコロナが落ち着かないとなると、しっかりした仕事体制を作らなきゃとも思っているところです。何よりも、床に座って仕事をしていると、ケツが痛くなるんです。痔になる気がするんです。

しかしまあ、来年以降、どうなっちゃうんでしょうね。とはいえ、特に絶望はしてないですし、希望は自分でも作れると思ってます。新しいことを始めればいいんです。

私はいま、仕事の合間に長編映画の脚本を書いていて、英語の勉強をしていて、絵本の企画を考えています。特に映画の脚本を考えていたり、絵本の企画を考えている時は、想像の世界に逃げ込めます。逃げ込めると同時に、気持ちが前向きになります。なぜなら、考えているそれを近い将来カタチにしようと思っているからです。近い将来にクサビを打つという意識は、気持ちを前向きにさせる効果がある気がします。

そしてこれらは、誰かから頼まれた仕事ではなく、自分の意志でやりたくてやっている事です。プロ論からすると、自己満足のためにやりたいことをやるって、アマチュアだと言われるかも知れませんが、「やりたい事をやっている人には勝てない」と昔から思っています。なぜ勝てないかと言うと、やりたい事をやっている人はやり続けちゃうからです。

あ、そうそう。今年は会社を作ろうと思ってたんですが、忙しくて作れませんでした。来年こそ会社を作ります。そして、仕事を待ってるんじゃなくて、作っていこうと思います。

noteももっと書かなきゃ。


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