ビオトープ生活
いま、ビオトープ界隈ではTwitterで「#俺のビオトープ」というハッシュタグをつけて、おのおのが「俺のビオトープ」の見せ合いをしているのです。私はビオトープという言葉にドキドキが止まらないタイプなので、人々のビオトープを羨ましく見ているのです。
特に郊外に住んでいる人のビオトープは本当に羨ましいですね。地面を掘ってトロ舟を埋めたり、人工物を使ってなかったり。極めつけは湧き水が流れ込んでいたりなどなど。そこに勝手にカエルが卵を産みに来たり、イモリが住み着いたり。東京23区に住んでいるとなかなかそれは出来ません。
ちなみにトロ舟というのは、セメントと砂利を混ぜてコンクリートを作る時に使う大きなプラスチックの容器になります。
うちにも簡単なビオトープがいくつかあるので、恥ずかしながら紹介してみようと思います。まだまだ試行錯誤中ではありますが。
↑これが2階から見た配置図になります。私のうちには5つのビオトープがあります。少しずつ環境を変えて、その違いを検証しているところでもあります。
ビオトープ①
これが初代ビオトープです。ビオトープと言うよりも「メダカ鉢」と呼んだ方がシックリくるものだと思います。この鉢でメダカを代々育てて来ました。深さが45cmぐらいあるので、冬に表面が2cmぐらい凍ってしまったとしても、水底にいるメダカは死ぬこと無く春を迎えます。ちなみに、私がネトでバズった写真がありまして、それもこの鉢が凍った時のものです。
水面にもみじの落ち葉が落ちて、表面が凍ったのを持ち上げた写真です↑。すごくキレイだったので写真に撮ってTwitterにアップしたらバズりました。最初はポジティブな意見が多かったのが、どんどん茶化すような投稿が増えてきて怖くなったのを覚えています。
↑こんな風に置いていたので、水面にもみじが落ちてそれが凍ったんです。
この鉢では去年は田んぼの土を入れて稲を育てて、その中でメダカを飼っていました。日当たりが抜群の場所に置いていたので、しっかり米も取れました。メダカがいるので水を抜いた「中干し」が出来ないんですが、それでもちゃんと米が取れました。
ビオトープ②
これが2つ目のビオトープになります。ここには去年メダカ鉢に入れていた田んぼの土を入れました。そして、冬を超えたメダカの成魚を入れ、籾も蒔きました。
ここは半分ぐらい日陰で、いい感じに木漏れ日が入るような環境です。それでも十分に明るい場所ではあるんですが、籾を蒔いても成長するチカラがメチャクチャ弱くて全然ダメでした。やっぱり直射日光が思いっきり当たる環境で稲は育つように出来てるんですね。来年はもう一度直射日光がずっと当たる場所に籾を蒔いてみようと思います。
ちなみに、私は籾を適当にバラ撒くだけです。適当にバラ撒くと水底に籾が落ちます。しばらくすると籾が発芽して根と芽が出てきて、根が土にもぐり葉が水面に出て来るんです。品種改良された稲は強いですね。そのぐらい強いから日本全国で稲作が出来るんだと思いました。
冬を超えたメダカはここで大量に卵を産みました。3月ぐらいから産み始めて、5月ぐらいまで本当に子持ち昆布みたいに毎日卵を産んでました。その卵を孵化させるために用意したのがビオトープ③です。メダカは産んだ卵も食べますし、孵化したばかりの針子と呼ばれる稚魚も食べてしまうので、メダカを増やすには卵を隔離しなければならないんです。
ビオトープ③
ここにもホテイアオイが大量に入ってますが、今年のはじめに3株のホテイアオイを買っただけなんですが、この猛暑でどんどん増えていってます。ホテイアオイは外来種の植物で、あまりにも増殖するので侵略的外来種になっています。体の断片が残っているだけで増えていきます。だから野外に放っては絶対にダメな植物です。
ちなみに家で飼っているメダカも全て品種改良されたメダカなので、一匹たりとも川に逃してはいけないのです。
このビオトープは唯一屋根の下に置いてあるビオトープになります。大雨が降ったら多少は雨が入りますが、基本的には雨が入らない場所に置いてあります。雨が入り込まないので水がにごりやすいビオトープになってました。でも、ホテイアオイはその繁殖力から分かるように、水の中の栄養を吸収するチカラも半端ないので、にごったビオトープに入れるとあっと言う間に水をキレイにしてくれます。
このビオトープには、ビオトープ②で産んだメダカの卵をせっせと移しました。瞬間的にこのビオトープの中には1000匹以上のメダカがいたと思います。針子と呼ばれる孵化したばかりのメダカです。
でも面白いことにそのまま放置しておくと、突然大きくなる稚魚が数匹現れます。人間で言うと、みんな2〜3歳なのに数人だけ15歳ぐらいになってるイメージです。その段階でメダカの数も減っているので、この15歳は共食いをして大きくなったんじゃないかと疑っています。ビックリするぐらいの差がつきますから。
全てのビオトープの中で、このビオトープのメダカが一番成長が良く、水の環境も良く安定しています。雨は入らないけど、直射日光が当たる環境です。
ビオトープ④
このビオトープ④は、息子が多摩川で大量にメダカを捕まえてきたために用意したものです。たぶん「みゆき」と呼ばれている品種改良されたメダカだと思われます。
息子が多摩川に行ったところ、いつもいないはずの場所にメダカが群れていたとのことでした。全然逃げようとしないので、そこにいたメダカをほとんど捕まえて来たそうです。全身がシルバーに光っているとてもキレイなメダカですが、多摩川にいてはいけないメダカです。すごく目立つのでそのままにしておいても、魚や鳥に食べられていたと思いますが。
ここのビオトープにはオオカナダモ(アナカリス)という水草がたくさん入っていますが、これも爆発的に増えてしまう侵略的外来種の植物です。この猛暑のせいか、ビオトープの中でも爆発的に増えています。
熱帯魚ショップとかに行ってメダカを買おうと思うと、ヒメダカという品種改良されたメダカが安く売っていて、水草としてオオカナダモとホテイアオイを買うことが多いと思います。この組み合わせで飼育を始めれば、全部が強い品種なので飼育が簡単に出来るんです。でもすべて、屋外に放してはいけない種類なんです。放してはいけないどころか「厳禁」と言ってもいいほどの種類になります。
ビオトープ⑤
これが一番新しいビオトープになります。庭に放置されていた白砂を全面に敷いて、直射日光の当たる場所に置いてみました。息子が捕まえてきたみゆきメダカなんかが産んだ卵をこのビオトープに入れています。
青とピンクのスポンジ状のものが見えると思いますが、これがメダカの産卵床で、ここに卵が産み付けられたらこのビオトープに入れるようにしています。毎日のように産んでいたので、こんなにたくさん産卵床が浮かんでいるんです。これでも半分ぐらいに減りましたが。最近は最高気温が35度ぐらいになるからなのか、メダカが卵を産まなくなりました。
そして、この場所はずーっと直射日光が当たるんです。昼間は完全にお湯になっています。30度後半ぐらいの温度はあると思います。でも、メダカの針子は普通に泳いでますから驚異的です。とは言え、さすがに40度を超えてしまったら死んでしまうだろうと思い、真っ昼間はすだれを置いてあげるようにしました。
カメの池
そしてもう一つ、うちにはカメの池があります。このカメは7年前に息子がガサガサで捕まえてきたカメです。最初は500円玉ぐらいの大きさでしたが、今はオスは20cmでメスは25cmぐらいになりました。
カメは長生きするからヤバいぞと思いましたが、生き物が大好きな息子なのでしっかり飼わなければならないと思いました。こんな感じの子供でしたから。↓
ミシシッピアカミミガメは丈夫なカメで、これも侵略的外来生物になります。最初は水槽に入れて室内で飼っていましたが、どんどん大きくなるので、今は庭のトロ舟に入れて飼っています。近所に猫がいるので、いたずらされないように鉄の網を被せています。
水換えは1週間か2週間に1回ぐらいしかしませんが、水量が多いからか特に問題は起きてません。でも水の底には大量のアカムシがいますね。
冬はここに落ち葉を大量に入れて冬眠させています。冬眠させる時は毎回死んでしまわないか怖いんですが、3月になるとちゃんと出てくるんですよね。この強さが侵略的外来生物になってしまう理由でもあると思いますが。
理想のビオトープ
私は都会に住んでしまったので、この様な人工的であり殆どが外来生物のビオトープになってしまっています。気持ちの安らぎという意味ではすごく楽しいんですが、私が理想とするビオトープはチョロチョロと山の水が流れ込んで勝手に湿地帯が出来て、そこにカエルやイモリやヤゴ、水生昆虫なんかがやってくるビオトープです。それを狙ってヘビやタヌキが来るビオトープです。もちろん全てが在来の生物で構成されたものです。とまあ理想はありますが、そういうものは自分の所有物ではなく、自然の中に見に行くものなのかも知れません。
にしても、私の家にある外来生物だらけのビオトープでも、ずーっと見ていられるんですよね。動きがあると言えばメダカが泳いでるぐらいですが、水面をよく見ると小さな生き物がたくさん浮いてます。小さなダニみたいなものが飛んで来て浮いていたり、割と大きめの蛾や甲虫が浮いて死んでたり。メダカはそれらも食べてるんでしょう。
そして部屋に戻る頃には、20か所ぐらい蚊に刺されてます。ビオトープに虫除けの成分が入ったらダメだと思って「丸腰」でビオトープを見に行くんです。最近の蚊はジャージぐらいの生地だったら簡単に貫通して来ますからね。昔の蚊はどうだったか知りませんけど。
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