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映画『37 Seconds』は観た方がいい

今日から、映画『37 Seconds』の上映が始まりましたね。私は昨年中に試写会で拝見させて頂きました。

HIKARI監督と初めて会ったのは、4〜5年前頃だったかと思います。私がテレビ番組『しまじろうのわお!』で一緒にやっているプロデューサーの藤原さんとHIKARI監督がお知り合いで、藤原さんがHIKARI監督を連れて、飲み会に合流した感じだったかと思います。HIKARI監督も私と同じ様に短編をたくさん撮っていて、アメリカのかなり大きな映画祭で賞を獲ってたりしましたので、お名前は知っていましたし、作品も観ていました。

そして、去年のベルリン国際映画祭のリストの中に『37 Seconds』を見つけました。私たちの撮った『SHELL and JOINT』もベルリンを目指していたので、羨望の眼差しで『37 Seconds』を見ていました。すると、あれよあれよと、ベルリンでも受賞してしまい、「あっち側」に行ってしまったか、と思いました。

そうこうしていたところ、カンヌ映画祭の副代表の方が日本に来ていて、川喜田記念映画文化財団の坂野さん経由で、その会食に誘って頂きました。そこでHIKARI監督と再開しました。とにかく豪快で、もちろん英語も堪能なので、会食が終わる頃には、カンヌ映画祭の方と肩組んで飲んでました。見習いたいけど見習え無いほどのエネルギーです。

前段が長くなりましたが、そこで試写状を頂いたんです。

そして観てしまいましたよ。『37 Seconds』を。本当に素晴らしい映画でした。ひとりの観客としても、完全に惹き込まれてしまいましたし、作り手側から見ても唸るしか無かったです。『37 Seconds』はネタバレとか関係なく、もう一度観たくなる映画なのですが、公開が始まったばかりですので、作り手側からの視点で書いてみたいと思います。

まず、全体的に構成が本当にしっかりしていて、「これがアメリカ仕込かっ!」と思ってしまいました。いや、国のバックボーンで作品を語るのは良くないですね。『37 Seconds』は、アメリカが凄いんじゃなくて、HIKARI監督がすごいんですから。でも何て言うんでしょうか、構造が彫刻的と言いますか、油絵的と言いますか、しっかりした基礎の上に表現された作品に思えたんです。

私が撮った『SHELL and JOINT』は、「日本映画にしては変わってる」の可能性があります。あるいは「変わった日本映画」とかかも知れません。海外から見た浮世絵みたいな感じと言いますか。あるいは、回転寿司みたいな感じと言いますか。いや、もう少しヒネリが入っていて、アイスクリームの天ぷらとか、マグロの目玉の煮付けとか、そんな感じかも知れません。どっちが優れているという話ではありませんけれども。

『37 Seconds』は、そういうヒネリではなく、どストレートに表現している作品でした。本当に冒頭から、あっと言う間に惹き込まれてしまいます。特に主人公の佳山明さんの声が素敵なんです。『37 Seconds』にとって、佳山明さんの存在はもの凄く大きいものだと思います。のちに『37 Seconds』のプロデューサーの山口さんとお話させていただいた時に、佳山明さんのキャスティングが決まった瞬間に、いろんな事が実際に動き出したと言ってました。「観たい!」「作りたい!」と思わせるキャスティングに勝るものはありません。やっぱり映画を観てる時って、ストーリーじゃなくて、人間を観ていますからね。あ、わかった風なこと書いてスミマセン。修行してきます。滝、行ってきます。ドーーーーーッ!

もっと言いますと、実際に障害を持っている佳山明さんが、映画の主人公に挑戦しているというドキュメンタリーでもあるんです。『37 Seconds』を観ている時、物語のユマ役としての佳山明さんを追いかけると同時に、カメラの前で演じている本当の佳山明さんを観ている気にもなりました。でも、それによって物語に入り込めない訳ではなく、佳山明さんの佇まいが本当にナチュラルなので、だんだん区別が付かなくなってくるんです。そのフィクションとドキュメンタリーの2つが同時に進んでいく強さに惹き込まれてしまうんです。

『37 Seconds』の劇場公開は日本だけで、あとはNetflixでの世界配信になるとの事です。Netflixが買った金額を聞いて度肝を抜かれましたが、国籍問わず、人の心を打つことが出来る普遍性のある映画だから納得いきましたし、夢がある話だなあと思いました。

映画製作って「夢」が欲しいですよね。ギリギリの予算で、人生かけて作った映画なのに「今年のワースト」とか言い合ってたら、映画なんか作りたく無くなっちゃいますからね。あ、スミマセン。また身の丈に合わない発言してしまいました。もう一回修行してきます。火の上歩いてきます。アッチ!アッチ!アッチ!

とにかく、『37 Seconds』は観た方がいい映画です。今ならパソコンやテレビじゃなくて、劇場で観れますからね。

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