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緊急事態宣言で上映終了

昨日、4月7日に非常事態宣言が出されました。8日からそれが実施されるとのことで、東京中の映画館が閉まることになり、『SHELL and JOINT』を上映中だったシネマート新宿も閉まることになりました。同様に『SHELL and JOINT』の上映も中止になりました。

3月27日から劇場公開だった『SHELL and JOINT』は、公開前から自粛ムードで、思い切った声掛けも出来ませんでした。3月25日の都知事の会見で、一気に自粛ムードに拍車がかかり、公開直前のイベントもいくつか中止になった中での公開スタートでした。

3月27日から公開が始まったものの、28日と29日の土日は、外出自粛の要請によって、東京中の映画館が閉まりました。4月4日と5日の土日も映画館は閉まったので、『SHELL and JOINT』の上映は、実質8日間で終了しました。シネマート心斎橋では一週間上映されたので、計15回上映されたことになります。1日1回のレイトショーなので15回なんです。

自粛ムードで思い切った告知が出来なかった事と、公開の途中で上映が中止になったことは残念ですけど、宇宙人が地球に侵略してきたみたいな状況なので、残念の質が普通ではないと言いますか、何て言うか、誰も悪く無いですから。誰かが不祥事を起こしたわけでもなく、誰かが戦争を起こしたわけでもなく、ウイルスだって、水が上から下に流れて行くように、原理原則に則って感染を広げてますから。ウイルスは怖い顔して「人間を滅ぼしてやる!」と思ってませんから。またそこがウイルスの怖いところでもあるんですけど。話が通用しないですから。

大変残念ではありますが、15回でひとまず終わりになります。それでも、思った以上に多くの方々に観て頂けた気がしています。そもそも、「コロナ渦が無くても客は入ってなかった説」は根強くあります。その「説」は、今となっては検証出来ませんし、検証もしたくないし、検証するのは絶対にやめていただきたい!と思っている次第でもあります。

『SHELL and JOINT』は、観る人によっては★がゼロの映画なんです。感想すら書きたくない。生涯ワースト。告知にダマサれて観に行っちゃったじゃねえかよ。オンライン試写会に釣られて観ちゃったじゃねえかよ。この監督の作品は二度と見ない。世界が、じゃなくて日本人が楽しめる映画作れよ。長いよ。金返せ。などなど。好きな人には本当に好きになってもらえる作品なんですけど。

にも関わらず、そしてこの強烈な自粛ムードの中、劇場に足を運んで観て頂いた、尊敬の意味も含めての「猛者」の方々には、本当に感謝しております。もちろん「猛者」じゃない方々を責めてるわけではありませんよ。「猛者」の方々っているんだなと、驚愕と歓心をした次第であります。

私が推測するに「猛者」の方々は、『SHELL and JOINT』のチカラと言うよりも、シネマートさんにずっと付いているお客さんが多いんだろうと思います。シネマートさんは、他の劇場と比べても、そういう固定ファンが多い劇場とも聞いてましたので。だから、多少意味不明の『SHELL and JOINT』でも、シネマートさんで上映すれば、観てくれる人もいるんじゃないかという、配給の宮崎さんの計算もあったんです。

『SHELL and JOINT』はいったん公開が終わってしまいましたが、終了ではなく、雨天延期みたいなイメージでいます。試合の途中で大雨が降ってきてしまったので再試合。みたいなイメージでしょうか。この大雨がいつ止むのか分かりませんが、晴れる日を待ってウォーミングアップは続けて行きたいと思います。

一方で、この強烈な自粛ムードの中、お客さんの感染の可能性を承知で、上映を告知しなくて良くなった安堵感はあります。映画館が特に危険だということではなく、外出して人に会うこと自体が危険という状況ですから。もう「こんなの大げさ」と言っている時期ではありませんので。

劇場公開している間、プロデューサーたち、出演者、スタッフ、関係者の方々、みんな辛かっただろうなと思います。「劇場に来てね!」と言うのは、「感染しても知らないけど観に来てね!」と言うような感じですから。そして、感染しない保障なんてありませんからね。観客が少ないとか、作品を罵倒されたとか、そんな事よりも、そこが一番辛かったと思います。

あ、話はちょっと変わりますけど、今回すごく不思議な感覚がありまして、どれだけ作品を罵倒されても、0点付けられても、観てくれた感謝の気持ちの方が上回っちゃうんです。以前、同じ様な事を言ってる監督を見ていて「やせ我慢してるな〜おい」などと思ってたんですけど、いざ当事者になってみると、その気持が本当に分かりました。

映画にとって「観てもらう」って、凄いことなんだと思います。「観てもらう」って「存在を認めてもらう」事ですから。スキな人からだったら、どんなに罵倒されても、関わりを持ってもらえてるだけで嬉しい。みたいな感じでしょうか。二文字で表現すると「ドM」ってことでしょうか。三文字で表現すると「ドM化」。四文字で表現すると「ドMか!」。そんなところです。

ドMで話を締めるのもいかがなものかと思いますので、最後にもうひとつ言わせて下さい。私たちのようなコンテンツプロバイダーよりも、映画館がいま本当に大変です。特にミニシアターと呼ばれている映画館です。是枝監督を始め、たくさんの映画監督や映画関係者の方によって【SaveTheCinema 「ミニシアターを救え!」プロジェクト】が立ち上がりました。ぜひ賛同して頂けたらと思います。

私たちがいくら「コロナ後に一気に攻勢かける!」なんて息巻いていても、映画館が潰れてしまったら、何も出来ませんので。よろしくお願いいたします。

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