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10月個展作品紹介2(23年)

新作の紹介です。

 紫陽花から生えた芽はすくすくと育ち大樹となる

やがて外の世界へとでてゆき鮮やかな色彩を見せることとなる

新世界を孕んだ可能性の塊

作品紹介

 紫陽花から大樹が生えています。
 手前にいる少女の背後の葉も大樹のものです。少女はこの後戸に点在する紫陽花の大樹を眺めているのです。
 このひとつ前の記事で紹介した作品のように紫陽花から芽が生え大樹となりました。それぞれの大樹はすくすくと育ち各々別々の可能性を秘めた“苗木
”のようなものです。今回本作を出品する個展ではひとつの世界の物語を時系列を追って紹介するような形で展開、構成しました。この作品に登場する数本の紫陽花の大樹は本展示とは別の可能性を秘めています。そして脳内には今度はこんな世界が良いかな?といろいろな展開が巡っています。

作品の展開を考える

 今回の世界は後戸に生じた紫陽花が外の世界へと産み落とされ、独自の世界を築き上げます。その世界は滅び、最初の紫陽花のようにまた新たな世界を構成する“種”として残されることとなります。これは世界が生成と消滅を繰り返す輪廻転生のようなものを示しています。
 しかし別の世界ではこの転生が幸せな形であれ不幸な形であれ途切れる可能性もあるわけです。まるで仏教のように輪廻転生の輪から離れ極楽浄土へと向かうこともあるでしょう。それとは反対に延々と地獄を巡ることもあるでしょう。意味合いを考えると恐ろしい展開もあるわけですが、いずれの世界を構成するにしても私としては見る人を引き込んで話さない強いイメージを構成したいと思っています。

ダイナミックな構成を

 今回の展示に出した作品はこれまでより動的でダイナミックな印象になるように1点1点構成しています。本作も同様で、手前の少女は大きく画面に入れ、背景に広がる世界は距離をとりなるべく全体像がつかめるように配置しています。これまでのイメージ構成ですと奥行きが少なく世界の広がりを感じにくい一面がありました。その点を今回のような構成をすることで解消しています。制作上の制限が取り払われたことで、作品の意味自体ももっともっと奥深いものになる予感があります。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 引き続き個展作品の紹介をしますので、よろしくお願いします。

【作品情報】

題名: 可能性が育つ地 (後戸 _∅_ 胎動する大樹)
大きさ:F12 号(606*500mm)
技法:パネルに油彩
価格:396,000 円(360,000 円 + 税)

【出品情報】

こちらの展示でご覧いただけます。

平林孝央個展
”再生 世界のみる思い出”

2023年10月20日(金)-29日(日)
24,25日休み
12:00-20:00
最終日は19:00まで

ギャラリーフェイストゥフェイス
〒167-0054 東京都杉並区
松庵 3-35-19 SHOEI BLDG.2 #102
(西荻窪駅南口徒歩 2 分)
03-6875-9377

https://www.facetoface2000.com/

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