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無音の世界

 本日もお越しいただきありがとうございます。
 2023年5月15日月曜日からの個展作品のご紹介です。
 展示と作品詳細は文末に掲載しておりますので、そちらも御覧ください。

すべてが溶け合った世界。

生命の水で満たされたこの世界では他者との摩擦が生じず音が”無い”。

生命の水で満ちた世界

 この世界は存在していないのではないかと思えるくらいの澄んだ水で満たされています。存在と不在の曖昧な空間、ここもまた境界なのです。目には見えませんが、強大なその生命力はこの世界の隅々まで流れ、すべての存在へと注がれていくのです。
 ここから見える少女やたぬき、昆虫など地上の生き物と水中にいる魚が共存しているのもその生命の水に満たされているからなのでしょう。

無音

 この世界には音がありません。静かという言葉では不十分で、まさに無音、音のない世界です。
 この世界を満たす水が見えないように、この世界を包む音もまた”見えない”のです。この世界の存在たちは鳴いたり、喋ったりすることなく意思疎通をします。ボディランゲージなのか、はたまたテレパシーなのか、この世界の住人達にも分かりません。それでも何事もなく共生しているのです。
 
 ここの住人たちは世界に溶けこんでいます。個別に存在しているようにみえていますが、すべてはつながっているのです。生命の水に溶け込み、世界との摩擦がないからこそ、音が存在しないのです。

生命の水の源泉シリーズ

 本作は下に掲載した作品の系統に属しており、世界に流れ出ていく生命のエネルギーの源を表現しものです。
 水は急流や滝のように激しく打つこともありますが、本シリーズを満たしている水は世界を優しく包み込み、「元気でいてね、健康でね」と寄り添ってくれるような存在です。この澄んだ“無音”の水で世界はひたむきに健やかであることを願い続けているのです。
 さて本作はそのシリーズの中でも最も緑深い作品です。他の作品にはこれでもかというほどのお花を描いていますが、ここにはお花は一輪も登場しません。すこし青みがかった緑で描き余計なものを描き加えないことでこの作品世界が水分で潤っている瑞々しい様子を表しています。かえって同系統の色で統一されることでより澄んだ世界を演出できたかと思います。

同系統の作品の紹介記事のリンクも載せておきますのでよろしければご覧ください。

生命の流れのはじまりの場所で (湛 _a_ 輪廻の湧水)

 前回に引き続き、個展作品の関係図を今回も掲載します。下図なのですが、よろしければ見てみてください。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 私の作品は基本的には静かな世界を想定していますが、その中でも本作がもっとも静寂に満ちた世界でした。
 それでは今後の記事も宜しくお願い致します。

【作品情報】

タイトル:澄んだ水で満ちた世界 (湛 _a_ 創生の清流)
サイズ:F6 号(410*318mm)
技法:パネルに油彩
価格:198,000 円(180,000 円 + 税)

【展示情報】

『平林孝央個展 “世界”の繭』

会期:2023.5.15(月)〜21(日) ※会期中無休
時間:11:00〜19:00  ※最終日は16:00まで
会場: 銀座月光荘・画室Ⅰ 〒104-0061東京都中央区銀座8-7-2 地下1階
   (〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目7−2 1F・B1F 永寿ビル)


購入など作品に関するお問い合わせは下記画廊までお願い致します。
◆ギャラリーサイト(すみれ画廊)
http://gallerysumire.squarespace.com/jp/shop/takahiro-hirabayashi2023

#創作大賞2023

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