![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/96527055/rectangle_large_type_2_533ebbbaa32cedeb04d7397a38591bbe.jpeg?width=1200)
境界について
こんにちは。先々の展示の制作に全力注いでおりこちらの更新がゆっくりです。本日も記事を御覧いただきありがとうございます。
2023年1月27日から始まるグループ展に出品する作品のご紹介です。展示の案内は最下部にございます。
![](https://assets.st-note.com/img/1674298656337-WHe5QxAbhv.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1674298675591-Pcw0kLnMhU.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1674298681055-Auhn7l2JaZ.jpg?width=1200)
境界
今回参加するグループ展のテーマは「境界」です。
私の作品のテーマも境界です。本日は作品のテーマを境界にしたきっかけから、今「境界」をどう考えているのかについてお話します。
東日本大震災
これから作家としてどんな作品を描いていこうかと大学院生の時に本格的に考えた頃でした。東日本大震災が起こったのです。当時住んでいた茨城の町のスーパーには食料品が十分に行き届いておらずレジには長蛇の列ができていました。そんな買い物の帰り道、道端に石のお地蔵様が佇んでいました。そこにはお花と食べ物がお供えしてあったのです。普段だったら見過ごしてしまいそうなありふれた光景です。ですが、その当時の自分の食べるものにも事欠く状況にもかかわらず信仰を大切にする人の心に感動したのを今でも鮮明に覚えています。そんな人の思いの強さを象徴する存在を私も作りたいと思ったのです。
道祖神
そこで、私とって身近であるおなじような存在の道祖神をテーマにして作品を作ることに決めました。道祖神は主に道の辻に祀られています。道と道が交わる場所はいろいろな世界が混じり合ういわばカオスです。そこに境界を打ち立て自分たちの世界と別の世界を分けたのです。
学校の登下校のときなど、身近に道祖神と接してきた私にとってはいつも見守ってくれている不思議であり安心できる存在でした。そんな道祖神が存在する地元の諏訪の宗教観にも心惹かれるようになっていきました。
このような形で作品のテーマの探究が始まりました。
境界の内側
長くなってしまうので、本日は作品テーマのきっかけだけを紹介させていただきました。
さてそれでは現在の私の作品の境界についてです。
境界とは外から見ると何かと何かを真っ二つに分断するものですが、境界の内側に入ると境界によって分たれていた世界が渾然一体混じり合った場なのです。
例えば下記のような世界が混じり合っています。
人の世界と人外の世界
この世とあの世
リアルとヴァーチャル
昨日と明日
あなたと私
空間だけではなく時間、ひいては同時に存在すると予想されるパラレルな世界との境界までも溶けて無くなるような場。
私達が住む世界では当然のように分け隔てられているものが混じり合った場所が私の作品世界です。そして作品の登場人物達はそんな世界の性質を象徴する媒介者の役割を担っています。
本作もこのような世界観の中で形作られました。
少女たちは森や蓮や紫陽花の上に寝そべる存在ではありません。少女は森であり、蓮であり、紫陽花なのです。そこに境界はありません。虫眼鏡を使うように円く切り取られたこれらの作品は言語に代表される恣意的に世界を切り取り境界を設定する記号の外にある、もともとそこにあるはずなのに見えなくなってしまっている世界を表現しています。不思議な世界は案外身近にあるのだと感じていただければ幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。是非27日から始まる展示に足を運んで頂き私の作品をはじめいろいろな作家さんたちが「境界」をどう捉えているかを感じてください!
【作品情報】
タイトル:森で見つけた小さな存在 (岐 _a_ いつもそばに)
サイズ:φ150mm
技法:パネルに油彩
価格:55,000 円(50,000 円 + 税)*額装なし
タイトル:睡蓮に眠る小さな存在 (湛 _a_ いつもそばに)
サイズ:φ150mm
技法:パネルに油彩
価格:55,000 円(50,000 円 + 税)*額装なし
タイトル:紫陽花に見つけた小さな存在 (湛 _a_ いつもそばに)
サイズ:φ150mm
技法:パネルに油彩
価格:55,000 円(50,000 円 + 税)*額装なし
【展示情報】
『 境 界 』 38 Artists New Year Group Show 2023 Part Ⅱ
2023年1月27日(金)~2月5日(日).
*1月31日( 火 )と2月1日(水)は休廊
12:00~20:00 ( 最終日は19:00まで)
ギャラリー・フェイス トゥ フェイス
Gallery FACE TO FACE
〒167-0054 東京都杉並区松庵 3-35-19 SHOEI BLDG.2 #102 (西荻窪駅南口徒歩 2 分)
購入など作品に関するお問い合わせは下記画廊までお願い致します。
ギャラリーフェイストゥフェイス
◆電話
03-6875-9377
◆お問い合わせフォーム
https://www.facetoface2000.com/about-us/
◆ギャラリーサイト
https://www.facetoface2000.com/
![](https://assets.st-note.com/img/1674298535497-niWDEBrBfT.jpg?width=1200)
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?